チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

家系図行脚

2019年12月28日 10時04分58秒 | 日記
高額な着物を着て喜ぶ人が多かったのはバブル期だ
2000万円という値段のついた着物をいとも簡単に購入する人をしばしば見かけた
その作家の着物づくりの工程を知っているだけに「?」マークがついて回る
「人が着物を選ぶ」のではなく「着物が人を選ぶ」という。「あんた金持ってるからこの着物買って吐き出しなさい」と着物が言うのだろうか?

よくわからない現場にいて、さえない顔で立っているうち、チャ子ちゃん先生には「物売り」の仕事は皆無になった。それは正しい、できないもの。
その後「販売能力が全くない」と思ってどうしてだろうと家系図を調べてみた
そうすると「商売業」は先祖には皆無であった
売る技術など到底受け次いでいないことで心から安堵したものだ

口ばかり達者で作ることはできない、それも調べると家系に「芸術家や職人」はいない。農業と研究者、指導者が多いことがわかる家系図であった
そうやって家系図を調べていくと、自分自身の得意分野が明快になる。自殺者、戦没者がいないことも幸せだった。しかし父方の大叔父が自分の息子を養子に出したが、其の養子が「226事件」の若手将校で獄中死していた

其の養子の写真を見せてもらった大島紬を着ている若き青年当時22歳。軍服ではないので、初々しさが逆に命の尊さをしらしめている

まだ元気な親戚を姪と二人で家系図行脚をする。父は長男なのに家業を継がず、家を出ているので、親戚が一堂に集まるのは次男が戸主となった家、末っ子の私はなじみが薄い。次姉は親戚付き合いが上手だったのでその娘も顔見知りが多く助かった。

本家にはさすがに過去帳があり、それを見ながらどんなライフワークであったのかを話してもらう。その話の中から浮かび上がる「血筋の癖」この発見が面白い

日本政府は今は3代しかさかのぼれない戸籍謄本にしてしまっているが、その理由は「在日姓」をわからさないためと知人の新聞記者に聞いた

本家は先祖の墓を守り親戚一同に心を配る。そうすると均等に配分する相続税はおかしい。跡を継ぐ子供に厚くすべきだと思った。跡を継がなかった父は遺産放棄をしたと聞いて安心した。
家系図行脚は自分の血を知り今の自分に納得する旅でもあった


コメント
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