夏至に入ると薄物を着るのだが今日はなんと19度寒いのなんの
確かに夏至のころは気温がままならない、いきなり30度になったりもする
そういう時のために
目で見るものは涼しいが着るものは暖かいという先人たちの知恵が着物の柄に見えるのだろう
日本人の色彩感覚というのは「色の意味」を肌に感じている気がする
「白」は清潔感「青」は涼やか「緑」は調和「赤」は情熱「橙」はあ暖かさ可愛さ「黄」は喜びなどなど
そういう色の意味を感じながら着物を身に着けている人が多い
洋服より色が多彩ではなやかになる
それがうれしい
昭和40年から50年にかけての絽の振り袖30種類を拝見
「美しい」「かわいらしい」
振り袖を着る時期は10代から20代前半、肌がつやつやピリッと張っていて目もキラキラしているお歳だ
はっきり言って美人も不美人もない。みんなかわいい
この時期に着る夏の振り袖を親たちはどんな思いで誂えたのだろう
また昭和のこのころは「糸」がいい、ふわっとしてとろんとして流れるドレープに見とれる、もちろん日本の絹だ、正真正銘の日本の絹
どんなドレスにも勝る可愛さ美しさ
どんなドレスよりお品がある。日本が誇る絽の振り袖
ひそかに着てみようかなあっと画策している
というのはチャ子ちゃん先生10代20代は最も生意気で背伸びして「かわいらしい」という言葉が一番堪えられなかった
そのため美しい着物なんてもう絶対に視野にない
親はどんなに残念であっただろう、プチプチの肌を最も強調し、華やかに見せてくれる絽の振り袖
暑いからこそ絽の振り袖を着ている若い娘から清らかな明るいエネルギーが伝わり、大人たちは意味なくうれしくなるのだ。そういう魔法の力を振り袖は持っている。わが先人たちはそれぞれの年に合わせた表現をしっかり身に着けていたと思う。此れこそ無形資産だ
私達は先人たちから受け継いだ「無形資産」を今こそ見直すときかもしれない
それにしても絽の振り袖の美しいこと