チャ子ちゃん先生は八掛に凝る
表に柄の多いものはあまり着ない
紬や江戸小紋、織の縞、お召類を着ることが多いので自然と裏に凝るようになった
基本的に体が細いし、顔も小さい。そうすると大きな柄の着物を着るとまるで七五三
上記のような着物を着ると、八掛と帯に工夫を強いられる
若い時
着物のことを本当に理解するのは自分が365日毎日着物を着て過ごす必要がある。そうしないと着物のことは分からない
そうして肩ひじ張って20年間365日着物を着続けた
着物の方もその意気込みが嬉しかったのか、いろんな扉を用意して多くのことを学ばせてくれた
着物を着て撮影現場に行くというのが一番勇気がいった
被写体は女優さんだったり美しいモデルさんだったりする、、女優さんの陰口「ナカタニさんはちゃらちゃら着物を着てどういうつもり?」しかしまたある時、CMの撮影現場で、陰口が堪えて、女優さんの手前洋服を着て行ったら、その時の監督が「タニヤん着物着てきてもらわんと困るよ、お前さんの着物での動きを参考にしてるんだから」と
そしてまたある時大手広告会社の打ち合わせでは「おい、借金取りに来たんか?」と皮肉られる
そうするとだんだん目立たない地味なきものになっていく
テレヴィにも出ていたが「地味すぎる」とおしかりを受けていた
そういう経験の中で八掛と帯に視点、濃紺の結城紬に真っ赤な通し裏をつけてみたり、大小あられの着物に万筋の裏、ぼかしの着物に八掛は秋桜の手描き友禅、地紋起こしの無地の着物にその年の干支をを八掛に、帯は季節の先取り
八掛の楽しさは鎌倉時代のバサラ大名の筋かもしれない
また江戸時代の贅沢禁止令で町人たちが表は木綿を着ているように見せ、裏にしゃれ小紋や春画を持ってきたそういう日本人のお洒落の知恵を真似しているだだけかも。でも楽しい
着物を着るということに抵抗を感じている方が多い
多分それは付け下げや訪問着を普段に着ようとしてるからだと思う
日本には昔から冠婚葬祭という礼服を着る場があり、それ以外の服装はそれぞれ趣向を凝らした姿で自由に好きに着る
着物の下にセーターやブラウスというのも明治時代に流行っている
古着は(ビンテージと言えと言われた)寸法が合わないので、面白く着たらいい。しかし基本は自分さえよければではなく、周りに不快感をもたせる下品さは、着ている人も不幸、それが着物の基本的ルールだと思う