昨日書家の「矢萩春恵」さんの書の個展に行ってきた
銀座の和光ホール今は「セイコーハウス・ホール」矢萩さんは五年ぶりの個展
まずはじっくりと一字一字を鑑賞
すると書かれた文字からいろんな感情が飛び出してくる、文字その物が持っている内容もあり、その文字に連なる私自身の思いも重なる
日本の文字というのはこんなにいろんなことを語ってくれているのかと、いまさらながら深く感動する
筆の運びに、筆のカスレに、筆のリズムに作者の思いが伝わってくる
「書」というものの表現はこんなにも多彩だったのだ
鑑賞した後矢萩春恵さんにご挨拶
書を鑑賞して感じたことを率直に伝えると
「いろんな思いが載っているからねえ、お互いに年取ったのよ、人生経験がそうさせるのよねきっと」
初めてお会いして40年はたつ
矢萩さんは大正時代のおおらかなロマンと華やかさを持っていらっしゃる。そして明治の女達にもまれて、その奥に芯の強さもあり、おっとりとしていて厳しさのある魅力的な女人
いつものごとくチャ子ちゃん先生の無謀な企画、「船旅での文化教室」で船をチャーターして台湾まで行った
その時船に乗って書道教室を開いてくださった
船が揺れて筆先がおぼつかない(その時台風が近づいていた)
「揺れたら揺れた線でお書きください」それはそれで味が出ると臨機応変
その時一緒に大内順子さんはフアッションのレクチャー、揺れながらフアッションショー
「どんな洋服でも丹田に力を入れて歩いていれば美しい姿をのぞめるわ」
何かが違う、今の世に出ている女たちと
お二人とも「我」が全くなく、いえ「大我」しかないという方が正しいか
どんな人にも親切で優しい、自分が「正義」という感覚はなく「なんでもあり」でも私はこうなのよ、と自分の姿勢を貫くそれもたおやかに自然に
大内順子さんはもう鬼籍の人だけど、矢萩春恵さんは聞くと100歳だという。なんと力強く美しい生き方
先輩たちとの交わりは私の宝