チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物を繫ぐもの 89

2019年02月01日 12時08分16秒 | 日記
羽田の上空から日本を眺めた時
日本の景色がおっとりとして緩やかで温かい感じで迎えてくれた
ヨーロッパの景色はクール、色もくっきりしていた
空気感の違いであるとともに太陽光線の色の違いが日本人の色彩を重厚なものにしたのだと理解した

着物に目覚めたときの山崎斌さんの草木染めの色をはっきりと思い出した
同じ緑でも一味違う緑を日本人は作る
ヒロシゲブルーも深いブルーに神秘性を感じたのだと思う

原点にもどれ
早速山崎斌さんのご長男山崎青樹さんのところに伺う
ちょうど延喜式で記録されている草木染めの染め方に従って糸染めをしているところであった
お父様は万葉の色、息子は平安の色ともに日本の色の原点を探っている

糸染めを手伝うというのではなく作業を眺めお茶の時間に色をいろいろ見せていただき質問をするというおじゃま虫
後にこの仕事の成果は「草木染め日本の色」美術出版社から発行
延喜式での記述をもとに染め上げた布地が貼ってあり
これはその後草木染を目指す染色家たちの教科書になった

その染の現場に幾度となく訪れては邪魔をしていた者としてこの本の発行は我がことの様に嬉しかった

ちょうどその頃友人がアメリカから渡ってきた「パーソナルカラー」のセミナーに行こうと誘ってきた
日本の色を学んでいるチャコちゃん先生「アメリカの色の話なんてつまらん」と一蹴
そのごカラーリストとして第一期性が日本から三人合格そのうちの二人が友人で彼女たちは大喜び

そのうちの一人はメガネのカラーアドバイザーそしてメークアップアーティストとしても活躍
他の一人はカラーリストとして大活躍一時は富豪の仲間入り
「ちッ!こっちのほうが時流だったか!」
物は試し色の審判を仰ぐと「春夏秋冬」に色を分けてその人の肌や目の色髪の色から似合う色を判断するという画期的な方法だった
しかし
二人の判定が異なり、私は春と夏に分かれてしまった

その経験から
日本の色はその人の心の有り様で似合う色が変わってくるし、また太陽光線の色が異なる四季の色合いでも着る人の心模様を変えていくということをはっきり理解した
さらに植物染料で染めた色は常に一定ではないので草木染めの色での似合う似合わないは無駄
やはり日本はすごいよ、一筋縄ではいかない

平安の時代から男も女も心に響く色探しの中で自分流のおしゃれを探し求めていたのだと思う

しかし「色の神様がいるのよね」というその友人たちの言葉がやけに印象に残り
その後も色の追求を楽しんでいる

#パーソナルカラー #延喜式 #チャコちゃん先生 #美術出版社 #日本の色

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