チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

戸定邸

2021年08月10日 10時17分52秒 | 日記
松戸にある戸定邸に行ってきた
徳川昭武さまの私邸
今回四回目だが、なぜかひどく惹かれている
ふと思い出していきたくなる屋敷だ
それが今回理由が分かった
この度は松戸でカオリというレストランを営む友人のセッチングで学芸員の方の説明付き

これまで疑問だったことを質問できて、ますますこの屋敷が好きになった
昭武さまは29歳で隠居、この戸定邸を2年かけて建築。細部にわたり自然の命を取り入れている。明治14年から着工、2年かけて作り上げたという
かねて疑問であったことが解けていくうち、日本の建築美学の奥深さに感動する

13歳で将軍名代という大役でパリを訪れ、ナポレオン三世に敬愛され、しかもパリ万博では諸外国の党首たちの尊敬を集めている

それは堂々とした武士魂、そして何百年と続いた指導者としての遺伝子、日本人の美学もある
その証拠に日本パピリオンでは、大好評で今の金に換算すると8億円の売り上げを作っている。薩摩の画策で薩摩からの出品もあったが、ナポレオン三世は幕府を日本国の代表として扱った
それだけ諸外国から日本国乗っ取り劇が盛んだったのだ。そこを将軍名代として君臨できたことは、しかも数えの14歳の少年がやってのけた日本人魂はあっぱれというしかない
しかも日本は「グランプリ」までいただいている
それが与えられた最も大きな要因は「養蚕技術」であった

フランス語も話せ、英語も通じる頼もしい名代であった

その後も二度の留学もあり、西洋の文化を身に付けているが、この戸定邸は日本の美学の総決算。それも質素な感覚の中にいかに手の込んだことをしているか、職人たちが自らの腕の限りを尽くして作り上げた建築でもある

「何かいいな」という感じの中で過ごしていたが、一つ一つの疑問に肩えていただいた今回、この屋敷のすごさは日本美学そのものと持った。しかも私邸なので家族が日常に暮らしている
こういう家庭が日本にあった

きっと他にもある
ただ古からと壊してしまう前にちょっと待った!柱一つ、壁一つを点検し、そこに携わった職人たちの魂を感じたい

本当に美しいものは普通に見える。しかも使い勝手がいい

松戸市への寄贈は昭和26年。松戸市戸定歴史館 戸定邸 月曜日休館

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