久しぶりに姪の娘と食事
「今日は外食する気分じゃあないのよ」
「だったらおばちゃんの帰り道にあるホテルでかーるくどう?」
「そこまで言うんだったらね、付き合う」えらそう
彼女は外資系の会社に勤めていて婚期を逸している、しかし姉の薫陶よろしく「茶道」ではもう師範クラス、しかも真面目にお稽古に精出している。学生のころから青年部として語学が達者なので、海外にもよくいっていた
務めもきちんと熱心だが会社の話はあまり出ない
心の中では「茶道」が自分の生きる道の主流のようだ
40肩で手が後ろに回らないから帯が結べない、と言って「結んでください」と現れるのだが、肩が痛くてもお稽古を休まないという気概に心打たれた
そういう事情があるので、お礼のつもりで食事やおやつの時間を誘ってくれる
今日の話題は
「単衣を着ていったら」
「あらもう単衣?」と先輩に言われた、単衣だって暑くて気分が悪くなってる若い子いっぱいいたのよ。と訴える
「おばあちゃんはなんて言ってたの?」
「ご自分の解釈で体に気持ちいい装いでお稽古しましょう」
って姉は5月にはもう単衣で指導していたらしい
だけど古いお弟子さんたちが「厳しかったのよ」
そして
「比佐子おばちゃんがおばあちゃんのお葬式の時帯揚げを白にしていたでしょう?私は恰好いいと思ったけど、次の朝ママに苦情が来ていたのよ」
「なんて」
「先生のお妹さんなのに喪服に白い帯揚げをするなんて非常識、どうしてご注意なさらなかったの?」
「はははあれはね真っ黒クロはあまりにも悲しくて白にしたのよ」
人の決め事に縛られるのが最も苦手なチャ子ちゃん先生
「昔の写真を見るとお葬式にお帯締め帯揚げに白を使っている方も多いわよ」
「無難に生きるには決め事に忠実にしていた方が波風立たないね」
「波風立てながら美を追求しなさいよ」とはっぱをかける大叔母
苦笑いの姪孫(てっそん)
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