渡り鳥のひよちゃん
今年は恐ろしく太って一羽で戻ってきた
はじめはひよどりとは思わず
「珍しい鳥が来た鳩より少し小さいけど」
ハシャイデいたが
鳥に詳しいセキドが
「ヒヨドリですよ少し太ったんでしょう」
とクールに言い放つ
よくよく観ると山茶花の花を食べる仕草が同じだし
白より赤を好む性癖も似ている
「其れにしてもお相手はどうしたのかしら」
いつも番で楽しそうに花を食い散らしているのでなんだか寂しそう
「きっと振られたんですよ」
と素っ気ない
地面に散らした玄米を長いくちばしを斜めにして実に上手に一粒ずつ啄んでいく
雀がそこに来ると
長いくちばしを竹箒のように斜めに掃いて追っ払う
性格がとことん悪い
其れなのにたまに発する声の美しいこと
透き通る声が響き渡る
でもその声は滅多に聞くことができない
今回戻ってきても一度も聞いていない
あたらその美声持ち腐れさせないでよ
と頼み込むが知らんぷり
あれだけ山茶花の花を食いちぎっているのだもの
ちょっとだけお返ししてちょうだいナ
と呼び込んだら
「ぴよ」
と一声ないて公園の森に飛んでいった
恥ずかしかったのかな
たった一人だものね
今年は恐ろしく太って一羽で戻ってきた
はじめはひよどりとは思わず
「珍しい鳥が来た鳩より少し小さいけど」
ハシャイデいたが
鳥に詳しいセキドが
「ヒヨドリですよ少し太ったんでしょう」
とクールに言い放つ
よくよく観ると山茶花の花を食べる仕草が同じだし
白より赤を好む性癖も似ている
「其れにしてもお相手はどうしたのかしら」
いつも番で楽しそうに花を食い散らしているのでなんだか寂しそう
「きっと振られたんですよ」
と素っ気ない
地面に散らした玄米を長いくちばしを斜めにして実に上手に一粒ずつ啄んでいく
雀がそこに来ると
長いくちばしを竹箒のように斜めに掃いて追っ払う
性格がとことん悪い
其れなのにたまに発する声の美しいこと
透き通る声が響き渡る
でもその声は滅多に聞くことができない
今回戻ってきても一度も聞いていない
あたらその美声持ち腐れさせないでよ
と頼み込むが知らんぷり
あれだけ山茶花の花を食いちぎっているのだもの
ちょっとだけお返ししてちょうだいナ
と呼び込んだら
「ぴよ」
と一声ないて公園の森に飛んでいった
恥ずかしかったのかな
たった一人だものね
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