思い出した時に書いておこうと思う
チャ子ちゃん先生をそこに案内した日本人宝石ブローカー、其れにいつも身辺警護のような風姿で黒い衣裳のイギリス人、今は亡き人になっているので、その時の詳しい事情がいまだもってよくわからない
ダイヤモンドの出る山を幾つも持っているという人の屋敷に案内されたのは次の日だった。深い緑色のロールスロイスがホテルに迎えに来て、私一人がそれに乗っていくのだという。ブローカーと警護の人はもうあちらに向かっているのだと制服制帽の運転手が言う
乱暴な英語しか話せない私(着物が泣くよって)だから英国ではしゃべるなと言われているので、黙って車窓の風景を見続けていると、昨日の屋敷よりさらに大きな建物が見え、門番のチェックの後玄関に向かう。その道の長いこと
ここも執事が慇懃に迎えてくれて、まず試写室に入る。そこでダイヤモンドの山での作業風景を見せてもらう
ダイヤモンドというものの力強さを感じる映画だった
小さなダイヤモンドしか目にしたことのはないし、ダイヤにそれほどの金融価値があるとは知らず、全く見たことのない世界に戸惑った
つまり彼らが話している内容はダイヤモンドの相場の話、更に過去のダイヤの持ち主の話、山で働く労働者をいかに警護(つまり盗掘されないように)の話で男たちは盛り上がっている
ロンドンの霧のような話の中にいて、すべてがお金に行き着くことが「善」という考え方なのだなと、住む世界の違いをひしひしと感じ、何か背筋が寒くなった
ダイヤモンドに十字架が現れる研磨の技術も研究していると、ルビーとかサファイアは自然に十字が出てくるのでそれでいいではないの?と静かに一人で思う
そのあとアフリカにダイヤモンドの山の取材に行き、特別なダイヤモンドを作り上げ、その小冊子と共にダイヤの販売で完成ということだったが、その話は途中で消えてしまった
自然からの贈り物に「相場」など似つかわしくない、といった私の言葉が仕事が流れた原因だと今ではわかる
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