先月、映画「あん」を観ました。
原作はドリアン助川さん。監督は河瀬直美さん。
どら焼き屋の雇われ店主の男性のところに1人の女性が訪ねてきます。業務用の餡を使用している雇われ店主が、女性が手作りした餡を食べてその美味しさに驚き、餡作りを女性に手伝ってもらうようになります。
餡が評判となり、店は行列のできる人気店に。しかし、街に女性がハンセン病だったのではという噂が広がり、店にも2人の関係にも変化が訪れます。
どら焼き屋の雇われ店主を永瀬正敏さんが、女性を樹木希林さんが演じています。
店主は事情があって塀の中にいた過去を持ち、女性はハンセン病の元患者だった過去を持っています。
2人が出会い、餡作りを通して交流を深めていく様は何とも微笑ましく、ただ餡を作っているシーンなのに、くすっと思わず笑ってしまったり、じーんとしたり。
現実の厳しさを突き付けられる辛さを感じつつ、誰もの中にある純粋さや優しさも感じられる作品です。
映画が素晴らしかったので、後日原作の小説も読みました。
物語がより丁寧に描かれており、映画と小説の雰囲気や世界観が同じだったので、さらに深くこの作品を味わえた気がします。
これを機にハンセン病のことをきちんと知りたいと思い、東村山にある国立ハンセン病資料館に初めて行ってきました。
毎月第3日曜はガイダンスビデオ上映と、元患者の平沢保治さんのお話し会があるということで、その日に合わせて行きました。
らい予防法という法律によって、ハンセン病の患者さんやその家族の方々は、長年に渡り想像できないほどの痛みや苦しみを経験されました。
ビデオ上映の間も、平沢さんのお話の間も、その辛すぎる体験談に何度も息がつまるような感覚になりました。
残念ながら、今もなお偏見や誤解が続いているということも改めて知りました。
二度と同じ事を繰り返さないためにも、事実を正しく知って理解し、伝えて続けていくことが大切だと思いました。
「戦争中、日本は敵国アメリカを倒そうとしていた。けれど当時ハンセン病の特効薬とされたプロミンはそのアメリカで研究・報告された。もしアメリカを倒していたらその後ハンセン病を治療する薬がなくなっていたかもしれない。戦争は怖い。争うのではなくて、みんなが協力し合える世の中にならなければいけない。平和が一番です。」
会の最後に平沢さんがおっしゃった言葉です。
一人一人生まれ育つ環境はそれぞれで、見た目や考え方が異なるのは当たり前なのに、ついその違いだけを見てしまいます。
そして相手の立場に立つことを忘れ、相手の話も聞かず、考えや思いを知ろうともしないために偏見や誤解が生じます。
それはあっという間に広がり、その人自身も気づかないうちに信じ込んでしまったりもします。
その結果、真実かどうかを自ら確認したり知ろうともせず、思い込みだけで非難したり差別したりすることにつながってしまうではないでしょうか。
障害や病気の有無に関わらず、一人きりで生きていける人は誰もいなくて、誰かに助けられたり救われたりして、生きていくのだと思います。
平沢さんの言葉を聞いて、自分一人くらいが何かしても無力だとあきらめるのではなくて、少しでも平和で穏やかな世界になるように行為していきたいと思いました。
そのためにも、まずは物事を正しく見る目と心を常に持ち続けたいです。
原作はドリアン助川さん。監督は河瀬直美さん。
どら焼き屋の雇われ店主の男性のところに1人の女性が訪ねてきます。業務用の餡を使用している雇われ店主が、女性が手作りした餡を食べてその美味しさに驚き、餡作りを女性に手伝ってもらうようになります。
餡が評判となり、店は行列のできる人気店に。しかし、街に女性がハンセン病だったのではという噂が広がり、店にも2人の関係にも変化が訪れます。
どら焼き屋の雇われ店主を永瀬正敏さんが、女性を樹木希林さんが演じています。
店主は事情があって塀の中にいた過去を持ち、女性はハンセン病の元患者だった過去を持っています。
2人が出会い、餡作りを通して交流を深めていく様は何とも微笑ましく、ただ餡を作っているシーンなのに、くすっと思わず笑ってしまったり、じーんとしたり。
現実の厳しさを突き付けられる辛さを感じつつ、誰もの中にある純粋さや優しさも感じられる作品です。
映画が素晴らしかったので、後日原作の小説も読みました。
物語がより丁寧に描かれており、映画と小説の雰囲気や世界観が同じだったので、さらに深くこの作品を味わえた気がします。
これを機にハンセン病のことをきちんと知りたいと思い、東村山にある国立ハンセン病資料館に初めて行ってきました。
毎月第3日曜はガイダンスビデオ上映と、元患者の平沢保治さんのお話し会があるということで、その日に合わせて行きました。
らい予防法という法律によって、ハンセン病の患者さんやその家族の方々は、長年に渡り想像できないほどの痛みや苦しみを経験されました。
ビデオ上映の間も、平沢さんのお話の間も、その辛すぎる体験談に何度も息がつまるような感覚になりました。
残念ながら、今もなお偏見や誤解が続いているということも改めて知りました。
二度と同じ事を繰り返さないためにも、事実を正しく知って理解し、伝えて続けていくことが大切だと思いました。
「戦争中、日本は敵国アメリカを倒そうとしていた。けれど当時ハンセン病の特効薬とされたプロミンはそのアメリカで研究・報告された。もしアメリカを倒していたらその後ハンセン病を治療する薬がなくなっていたかもしれない。戦争は怖い。争うのではなくて、みんなが協力し合える世の中にならなければいけない。平和が一番です。」
会の最後に平沢さんがおっしゃった言葉です。
一人一人生まれ育つ環境はそれぞれで、見た目や考え方が異なるのは当たり前なのに、ついその違いだけを見てしまいます。
そして相手の立場に立つことを忘れ、相手の話も聞かず、考えや思いを知ろうともしないために偏見や誤解が生じます。
それはあっという間に広がり、その人自身も気づかないうちに信じ込んでしまったりもします。
その結果、真実かどうかを自ら確認したり知ろうともせず、思い込みだけで非難したり差別したりすることにつながってしまうではないでしょうか。
障害や病気の有無に関わらず、一人きりで生きていける人は誰もいなくて、誰かに助けられたり救われたりして、生きていくのだと思います。
平沢さんの言葉を聞いて、自分一人くらいが何かしても無力だとあきらめるのではなくて、少しでも平和で穏やかな世界になるように行為していきたいと思いました。
そのためにも、まずは物事を正しく見る目と心を常に持ち続けたいです。