広島大などのチ-ム
C型肝炎ウイルスと結合して肝細胞を感染させるレセプタ-(受容体)の働きを持つ新たなタンパク質を広島大の茶山一彰教授(消化器・代謝内科)と米イリノイ大の研究者らのチ-ムが突き止め8付けの米医学誌ネイチャ-メディシン(電子版)に発表した。 このタンパク質は「NPC1L1」と呼ばれ、コレステロ-ルを吸収する働きがあるとして知られていた。茶山教授は「NPC1L1の働きを阻害できれば、感染効率は著しく落ちる。新しい治療法の開発が期待できる」と話している。チ-ムは、人間の細胞を使った実験でNPC1L1の働きを抑える薬剤「エゼチミブ」をC型肝炎の細胞に添加し、すべての遺伝子型ウイルス量が減少することを確認。さらに人間の肝細胞を移植したマウスにエゼチミプを投与するとC型肝炎ウイルスを投与しても感染が抑えられた。C型肝炎ウイルスが肝細胞に侵入する際に結合するレセプタ-は、これまでに複数種が判明しているが、レセプタ-の働きを阻害するC型肝炎の治療薬などはない。エゼチミプは高脂血症の治療薬として市販されており、茶山教授は「C型肝炎にも有効かどうかは治験が必要」としている。