生産の周年化と作型
我が国の野菜生産において特徴的なのが「生産の周年化」です。生産の周年化とは、一年を通じて作物を生産・供給できるように栽培することです。日本では、改良品種と栽培技術、栽培環境などを組み合わせた栽培方法の体系を「作型」とよび、豊富な作型を開発して、生産の周年化に成功しました。作型には、以下の種類があります。
- 露地栽培・・・・自然な気候および自然な畑の条件のもとに作物を栽培する方法。適期に適地で無理なく生産されるので、新鮮で栄養価が高く、安全な旬の野菜が栽培される。ただし、自然条件に左右されやすい。
- 施設栽培・・・・ガラスやプラスチックでつくったハウスなどの施設を利用して栽培する。自然災害から作物をまもるとともに、適切な生育環境を維持する。一定以上の品質を保った野菜を1年を通じて供給できるが、露地栽培にくらべて施設の費用がかかる。
- 水耕栽培・・・・土を使わず、農作物の生育に必要な養分やす水分を調整した培養液を利用して栽培され、葉液さい栽培ともよばれる。収穫期を自在に調節でき、いつでも同レベルの野菜を供給できる。ただし、培養液を入れる装置、水や酸素を供給する機械などの設備費が必要。
- 促成・抑制栽培・・・自然な状態の栽培より早く生産して出荷する栽培を「促成栽培」、逆に通常より遅らせて栽培する方法を「抑制栽培」という。
また種のまかれる季節により「春まき・夏まき・秋まき・冬まき」などとよばれる作型もあります。
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