見てきました
日本映画を見るのは久しぶり
藤沢周平氏の作品を見るのも久しぶり
それよりも
観客が行列を作っているのに驚いた
あれ~
ペ・ヨンジュン シ の映画「スキャンダル」
以来だ
しかし 上映され始めると
日本の昔はこうだったとしみじみしのばれる風景の中に
3万石の下級武士の生活
それも お毒見役という・・・・・
会社員だった自分の かっての姿と
どこかだぶってしまう
しかし お役目大事につとめながら
妻には
「早めに引退して 子供達にそれぞれの個性に合わせた
剣を教えたい」 と 言うくだり
自分の没個性をあきらめとさとりで日々暮らしている男の
せめてもの将来の夢なのだと 気持ちが強くつたわってくるが・・・・・
そんな男が ある日の毒見に
貝の刺身を食べて 食中毒
殿は 難無きを得るが 男は養生の末 目が見えなくなる
若夫婦と下男の3人の生活を身内が気遣うが
上役に頼めという男の兄の言葉に
妻は頼って行き、そこで間違いを起こしてしまう
目の見えない不自由さにもなれたころ
殿からの特別の配慮で「3万石はそのまま 末永く養生に励め」と
お言葉があり ほっと一安心の生活がはじまり
それなりの回復力と不自由さのなかの慣れの日常に
男の姉が 待合で妻と立派な身なりの侍を夫が見かけたと
告げた日
下男に外出の妻の後をつけさせてみると
やはり・・・・・
妻は下男が後をつけていたことを察知しており
下男に問いただし (ここが潔い)
妻は上役との間違いの関係を飾る言葉もなく
淡々と夫につげ この家から離縁されて去っていく
男は朋輩から
「自分の今あるのは 殿からの沙汰であった」と
言うことを聞き出し 上役の口ぞえではない と
確信を持ち 剣の使い手の上役に 決闘を申し込む
もちろん (正義は勝つ)
苦闘の末 腕に深い傷を負わせ
上役は勤めもできず、理由もいわず 自害して果てる
下男から下働きの女を雇いたいとの申し入れに
「かってにせい」と一言
その夜の食事は 一口で 「これは」・・・・・
(さすがにお毒見役 妻の手料理の味は忘れていなかった)
これだけのストーリーを 不要なものをすべて切り捨て
画面に映し出す
テレビにはない映像の美を
そして
心にうったえてくる作品でした
まだの方は ぜひ ぜひ おススメします