くに楽

日々これ好日ならいいのに!!

お箸のはなし

2006-12-19 10:25:07 | 四季おりおり

私 小笠原流礼儀作法の師範
講座ではときどき話しているけれど
yagiqさんのブログで お箸のことが出ていたので
ちょっと まとめてみます 

お箸の話あれこれ


まず 歴史
約3千5百年前の中国で 祭器(神を祭る道具)として発明
日本へは弥生時代(3世紀)に祭器として渡来し、当時は「折箸」という、細く削った一本の竹をピンセットのように折り曲げた形で一般の人が使うものではなく、神様が使う神器であり、または天皇だけが使うことを許されたもの


7世紀 聖徳太子は中国(随)に使節を送り、そこで使節団は王朝の人たちが箸を使って食事をしているのを見る 使節からこの報告を受けた聖徳太子は驚き中国の使節を日本に招待する時のために、急遽 箸を使った食事の作法を朝廷の人に習わせた
それまでの日本は食事は 手づかみ
ここから、日本で食事に箸を使う風習が始まった


そして
一般人が箸を使うようになったのは8世紀の奈良時代以降


箸は東アジア(中国、ベトナム、北朝鮮、韓国、日本)圏でつかわれ
食事に箸だけを使うのは日本のみ
片方の手で器を持ち上げ、片方の手で箸をとり器に口をつけて食べる 
器の口ざわりや、手で持ったときの感触など快適なものを求め続けた結果
本来日本はジパング(漆)の国だが、チャイナ(陶器)が改良され発達を遂げ現 在でも世界で日本の焼き物は人気です(もちろん 中国・韓国からの陶工の力は 忘れてはいけないが)


他の箸文化圏ではほとんどが 箸+匙を使用している 
中国では 箸+レンゲ     
韓国では 箸+スプーン
ベトナムでは 箸+スプーン  
韓国では器に口をつけたり、手で器を持ち上げて食べると無作法


中国から祭器として入ってきたときは、竹製でピンセットのような1本の棒でたわめてあり、トングと呼ばれていた。(奈良の正倉院に保存されている)
日本では箸は神と人との依代(よりしろ)と考えられ片方を神が使い もう一方を人が使う(神からの力を頂くといわれた)


中世の姫やお嬢様は食事の折 箸先を1寸(約3cm)くらいしか使わなかったそうな
以後 格式のある家では来客が帰った後 女中たちが灰の中に使った箸の先を突き刺し灰のつき具合で来客の品格を見極めたそうです  ホホホ