万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

韓国併合不法論―韓国の自己中心と非常識

2010年08月12日 15時28分29秒 | 国際政治
菅談話反応 韓国紙「相変わらず足りない」(産経新聞) - goo ニュース
 国内での反発もさることながら、唐突に発表された菅談話は、韓国でも歓迎一色ではないようです。不満の理由の一つとして、韓国併合の不法性に踏み込んでいない点が指摘されていますが、たとえ当事国であったとしても、そもそも、国際法における不法性を一国、あるいは、二国間で判断することにはできないのではないでしょうか。

 何故ならば、”不法”の判断の根拠となる国際法とは、国際社会で成立している法であって、韓国が、現在において、過去の国際法を勝手に捏造することはできないからです。1910年という時点では、未だに民族自決主義が国際社会の優先原則となっていたわけではなく、本格的な法整備が進むのは、第二次世界大戦後のことです。もし、韓国が、日韓併合条約の不法性を問いたいならば、国際社会に対して、1910年当時に、強制による条約の締結を禁じた国際法が存在していたことを、証明しなければなりません(列強は、日本国による韓国併合を承認)。しかも、菅談話では、”強制”という文言を使いましたが、韓国側の申し出を受託するという形で併合条約は締結されているはずですので、強制性もまた疑わしいのです。

 一国だけで、国際法上の不法性を決めつけるとしますと、それは、もはや司法判断ではなく、法に基づかない一種の政治裁判です。たとえ、韓国の圧力に屈して日本国政府が韓国併合の”不法性”を認めたとしても、国際法における不法性が確立したことにもなりません。自国だけで不法性を認定できると考えているとしますと、韓国政府は、自己中心的であり、かつ、非常識なのではないかと思うのです。

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コメント (10)
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