万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

原発見直し―電気自動車時代は到来するのか

2011年03月24日 15時54分50秒 | 国際経済
東日本大震災で次世代電池に材料懸念、「エコカー戦略」失速も(トムソンロイター) - goo ニュース
 東日本大震災による福島第1原発事故が発生する以前には、誰もが、21世紀は、電気自動車の時代であることを疑わなかったはずです。自動車各メーカーも開発に鎬を削り、フランスのルノー・日産では、技術漏洩事件まで発生しました(冤罪との報道も・・・)。

 こうした中、福島第1原発の事故は、我が国のみならず、世界各国において原発見直しの議論を呼んでいるようです。この議論は、単なる電源の問題に留まらず、電気自動車や住宅のオール電化プランといった、将来の社会像にも影響を与えます。何故ならば、電化社会の到来には、大量の電力の安定的供給が必要であり、原子力発電は、そのためのクリーンで安価なエネルギー源として大きな期待が寄せられていたからです。もし、電気自動車社会のためのエネルギー源を石油や石炭といった火力発電に依存するとしますと、脱石油時代のエコカーとしての電気自動車のメリットはなくなりますし、二酸化炭素排出量の増加も受け入れざるを得なくなります。多様な自然エネルギー技術も開発されてはいますが、ここにもコストの問題が立ちはだかっています(充電式を飛び越えて、一気にソーラーカーもかなりハードルが高い・・・)。

 より安全に、かつ、安定的に電力を供給できる新たな革新的な技術の開発が待たれるところですが、原発事故は、あらためて、電力の供給能力と電化社会との不安定な関係を問いかけていると思うのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。

にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする