万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

電力危機の解決は自治の精神で

2012年01月26日 17時58分47秒 | 日本政治
復興ニッポン:日本経済が再び世界をリードするために(後編) 「電力の安定供給確保が日本経済の浮沈を決めることになる」 経団連 井手明彦資源・エネルギー対策委員長インタビュー(復興ニッポン) - goo ニュース
 昨年の夏は、国民や企業の努力で何とか節電で電力危機を乗り越えましたが、今年の夏の電力事情は、さらに深刻となる予測されています。原発再稼働の遅れが主たる原因なのですが、政府は、夏が到来する前に対応すべきにも拘らず、再稼働の目途はたっていません。まるで、”牛歩戦術”を実行しているかのようです。

 民主的な国家の政府は、国民から委託された統治権を、国民のために行使する義務を負っています。民主主義の根底には、自治の精神があるからこそ、政府は、国民が抱える問題や危機に対しては、誠実、かつ、迅速に対応しなければならないのです。ところが、民主党政権は、一部の反・脱原発派の人々の意見を偏重し、産業界や国民の利益を無視していることは先日の記事でも述べました。政府の役割は、少数意見を国民に押し付けることではなく、現実の問題を解決することにあるのですから、政府は、実際に苦難に直面している産業界や一般の国民の意見にこそ耳を傾けるべきです。現行の制度設計にも問題がありますが、近年の政策運営は、当事者無視の横行が目に余ります。

 民主党政権は、国民から選挙で選ばれたことを盾に、独断的にイデオロギー色の強い政策を押し付けていますが、こうした行為は、民主主義の本質からは遠く離れています。これでは、主客逆転となりますので、産業界も国民もまた、この状態に甘んじることなく、自治の精神を取り戻し、政府に対して意見表明や調整の場を設けるよう求めるべきと思うのです。

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コメント (1)
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