万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

日本国にも回る慰安婦合意の猛毒

2016年01月17日 14時33分13秒 | 国際政治
安倍首相、日韓慰安婦合意、「私がやらねばいけないと思った」 公明議員らに表明
 昨年末の慰安婦合意については、韓国の反日行動に一定の歯止めをかける効果を期待し、日本国の外交的な勝利であったかのような評価も聞かれます。しかしながらこの見方、あまりにも楽観的に過ぎるのではないでしょうか。

 桜田議員の発言をめぐる一連の政府の否定的な反応は、この合意が、韓国のみならず、日本国、しかも、日本国の自由な言論空間さえも縛るリスクを露呈しました。左派系のメディアでは、早速、桜田議員の発言は日韓合意を日本側から覆す行為とみなし、韓国側の立場に立った糾弾論調が復活していますが、日本国政府もまた、反日メディアと歩調を合わせたことになります。当合意に関して韓国に対する拘束力を評価する人々は、言論封殺の毒が、自らの身体にも回っていることに気が付いておりません。相手国にだけ回っていると喜んでいるのです。仮に、公人であれ、私人であれ、日本国側が、韓国側が唱える「日本軍による20(40?)万人朝鮮人女性強制連行説」に対して、証拠を示して反証しよう試みた場合でさえ、合意違反として咎められてしまうとなりますと、これ程の猛毒は、ありません。日韓慰安婦合意は、人々を思考停止に至らせ、政府によって虚偽の歴史が強制され、言論の自由が消えた世界へと退行させるための猛毒であった、と言うことになります。

 日韓合意は、果たして、事実の探求を禁じる内容を含んでいたのでしょうか。そして、外交上の政府間の合意は、国内における言論封殺を正当化する根拠となりえるのでしょうか。そもそも慰安婦問題が拗れに拗れた元凶が、韓国が歴史捏造体質に毒されているところにあるとしますと、日本国をも同じ毒で理性を狂わそうとする方法は、百害あって一利なしではないかと思うのです。

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