万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

ルペン氏とマクロン氏が同居する日本国の自民党

2017年05月07日 13時57分17秒 | 日本政治
【仏大統領選】「極右怖い」「テロ心配」 棄権・白票も…有権者どう決断
 本日、第二回目の大統領選挙の投票日を迎え、フランスでは、国民が難しい選択を迫られています。一方、日本国では、選択に窮するフランス国民以上に選択肢がない状況に国民は置かれています。

 日本国において、一般的に保守層を代表するとされる政党は自由民主党です。昨年頃から、先進各国の選挙は、凡そ保守対新自由主義の対立構図に移行してきております。それもそのはず、新自由主義政策によって最もマイナスの影響を受けるのは先進国の中間層であり、民主的選挙を実施すれば、一般国民の不満を集めた側が当然に勝利する確率が高くなります。今般のフランス大統領選挙の場合には、新自由主義のマクロン氏が優勢と伝わり、また、積極的な棄権を表明する有権者の動きもあるそうですが、それでも、国民には、保守か、新自由主義か、の選択肢が残されているのです。

 ところが、自民党を見ますと、世界的な潮流が保守対新自由主義にあるにも拘わらず、両者が一つの政党に同居しています。政府の産業競争力会議(現未来投資会議)等の主要メンバーは、竹中平蔵氏をはじめ、新自由主義者で固められておりますし、自民党議員の中には、生粋の新自由主義者もおります。党内主流派ではないものの、マスコミが人気を煽り、国際新自由主義勢力をバックとして首相の座に上り詰めた小泉純一郎氏やその後釜のポジションにいる小泉進次郎氏が、さながら日本国のマクロン氏なのかもしれません。

 そしてその一方で、反新自由主義の世論を背景にルペン氏が積極的に保守政党化を図ったのとは違い、自民党内では、韓国系、あるいは、北朝鮮系の”極右”人脈も抱え込んでいます。森友学園事件はおそらくその氷山の一角であり、日本国政府が北朝鮮に対して徹底した制裁を実施できないのも、こうした人脈の影響が疑われております。中国派としては二階幹事長もおり、自民党は、必ずしも”日本ファースト”でもないのです。

 自民党は”一強”と称されながら、その実像はあたかも”鵺”であり、自民党に投票しても、新自由主義勢力や外国の利益がファーストになりますので、国民一般の利益は蔑にされかねません。その一方で、野党もまた、新自由主義者か、外国のエージエントが疑われる政治家ばかりです。朝鮮半島寄りであった舛添前知事を批判し、”都民ファースト”を掲げて都知事に就任した小池氏も、創価学会との接近で”保守”から遠のいております。解決策の一つは、自民党内の保守系を中心とした新党、あるいは、既存の政党から距離を置いた有志の日本国民による新党の結成なのでしょうが、明確な政治的選択肢を確保することが、今日の日本国において急がれる政治の重要課題であると思うのです。

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コメント (4)
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