beatitude

好きなことだらけさ…

『愛を読むひと』

2009年07月01日 | 映画 洋画

思ったより重い映画でした。



年上の女性との恋愛色がもっと前面に出ているのかと思っていたら
まったく違いました。

罪は誰のもとにあるのか。

青春の暴走で年上の女性に溺れた彼にあるのか。
自分に興味を持ったというだけで引き込んだ女にあるのか。
戦争に加担している事を十分に理解しないまま
言われるがままに行動していたのが罪なのか。
その事実を知っても彼女を救うために動かなかった(動けなかった)彼にあるのか。
獄中の彼女のために録音テープを送り続けた事は
どちらの救いなのか。

前半の彼らのベッドシーンも甘く愛を育むというより
痛々しくてしょうがありませんでした。

彼女は彼を愛していたんでしょうか。
映画だけ観ると彼がどんどんのめり込んでいき、
果ては自分の人生の殆どを彼女の影を引きずりながら生きている、
というのは分かりますが、彼女の方は・・・?
彼の前から突然姿を消したのも
一見、同年代の仲間の元に帰りなさいという
大人の女性の判断のようですが
職場の昇進で事務職になってしまったことが原因で
逃げ出したのが本当のところだと思います。
原作の「朗読者」には彼女の気持ちの流れも書いてあるんでしょうか。
ちょっと読んでみたいですが、アウシュビッツ物はズッシリくるので
体調のいい時じゃなとダメかも・・・。