がんというのは、誰もがなり得る、ありふれた身近な病気。 あたりまえのことですが、自分がなってみるとそう思います。
低酸素、低体温、高血糖が日常化した体の適応現象として、細胞ががん化する。 決して不治の病や難病などではなく、体を温めて、ゆっくりと酸素を取り入れれば、進行がんであってもその7割は自然退縮できる。 (安保 徹)
転移についても、医学の常識とは違った見解が示されています。 転移があることによって、がんの進行度が一気にステージⅣに分類してしまうのもどうか、と様々な文献を見ながら感じていましたので、心強い意見です。 がんは、「がんの顔つき」と言われるように、がん細胞の種類によって違うもので、数十年ほっておいても大きくならないような、癌もどきのものまで様々で、十把一絡げに分類して、当たるかどうかも不確実な標準治療のみに頼る、というのはどうかと思います。 そんな単純なものではないように思えます。
がんの転移は、リンパ球の免疫力が高まったときに起こります。 腫瘍熱と言われるものですが、熱はリンパ球を活性化させ体の中でがんに対する攻撃を一生懸命働かせています。 リンパ球の割合が多くなり数が増えてくると、もともとあった原発がんは悲鳴をあげて逃げ出していきます。 追い詰められたがんはリンパ節へと転移します。リンパ節はリンパ球やマクロファージといった免疫力を担っている細胞が集まっているところです。 リンパ液を通ってここに流れ込んだあらゆる物が、ふるいにかけられ、異物に対して攻撃する抗体が作られたり、直接食べられたりして排除されます。 ここまでくればしめたもので、転移後に必ずいい結果が出ます。最後にはがんが散らばり、その後にスッと消えていきます。 (福田稔)
今回、手際の良い検査の連続で早く診断確定まで進んだというのに、 紹介状先の病院に行ったところ入院治療が約1ヶ月も先になると聞いて、がっかりしていました。 そこには、入院してしまえば、医療がなんとかしてくてるという弱っちい気持ちがあったのだと思います。
(実は今日、遺伝子検査の結果、通常の抗がん剤や放射線治療を中心とした治療方針から新薬を使ったものに変わりました。 新薬- 分子標的薬が適用になるには、男性喫煙者の陽性反応は稀だと聞かされていた遺伝子検査で陽性反応が出たのです。 入院待ちが1ヶ月とはなんてことだ、と思っていましたが、2週間後位にはなんとかなりそうです。 ここでは、標準治療だけではなく、新しい治験の試みもいくつか進行中のようですし、医療の進歩に希望を繋げながら、がんサバイバーとしてやっていけるのではないか、と思えてきました。 ここで治療を受けることに決めてよかった。 つまやつまのお母さんの助言がなければ、こうはならなかったと思います。本当に有難い。 肝心なのはこれからですけど。)
癌という病気はクスリが効くかもわからない、クスリが効いて治ったと思っても、再発する可能性もある。
私が感じるがんという病気のいちばんの特徴は、不確実性ということです。 処方されている薬で治るのかどうか、再発への不安、どのこと一つ取っても、不確実性がつきまといます。
そして、いつまでも病院ライフを送っているわけにもいかない。 (がんについての本を読んでいると、女性のほうが子宮がんや乳がんなど、30-40代で発症するケースが多いので、 ある意味、参考になる部分が多いことに気がつきました。 まだ46歳、高齢者の方の闘病記は必ずしも会社勤めをしながらのものではなかったりするので、ちょっと自分とは違うと感じたりするのです。)
がんというのは、糖尿病などと同じく慢性疾患ともいうべきものですから、うまく共存しながら付き合ってゆかざるを得ない部分がある。 免疫力を高め、いかに共存しながら、目に見えて再発しないようにしていくのか、自助努力を求められます。
病院というのは、目的的な空間、基本は対症的に病気を治すためのところ。 病院では、とにかくがんを叩くことにみんなで専念していますが、そこから離れると不安になるのは当然だと思います。 足の届くプールで泳いでいたのが、退院後は沖合にぽんと投げ出されるようなものです。
病院という港はあっても、 また出港してゆかなくてはならない。 凪いでいる海も、荒れた海もあるだろうけど、それぞれの船旅みたいなものを続けていかなくては。 沖合を渡っていく手助けはしてもらえても、渡っていくのは自分です。
そう、これは、投下するコスト(精神的にも体力的にも金銭的にも)から考えても、大航海であり、長旅なのです。 旅行は帰ってきたらオシマイだけど、そういうわけにもいきません。 日常のなかで、非日常を過ごしていく気持ちの持ちようが求められる。
そんなわけで、「いいことも起こるにきまってる旅行記」っていうカテゴリにしてみたのですが、テーマソングがなかった。
Wanderelust(ワンダーラスト)、ってのはぴったりだ。 モゾモゾしていないで、入り用の時には、ささっと出て行って、旅を導くWILLのようなもの。 それは、一見怠惰な心のなかの何処かにもひそんでいる。うまく手なづけろ。
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Light out wanderlust 燃え上がれ 旅への想いよ Head us out to sea 我々を海へと連れ出してくれ Captain says there'll be a bust 船長はもう終わりだ、酒盛りだ、と言うがThis one's not for me 僕には関係のないことだ Take us from the dark 僕らを暗闇から救い出してくれ Out where we can see もっとよく見える明るいところへ Captain's out to make his mark 船長の目的は野心を遂げることだが This one's not for me そんなのはどうだっていい Light out wanderlust もぞもぞしてないで 早く燃えろ、熱い旅情よ Help us to be free 僕らを自由にしてくれ Light out wanderlust 早く燃えろ、旅への想いよ Do it just for me, wanderlust 僕のためだけにね、ワンダーラスト。
Oh, where did I go wrong my love? どこで道を間違えたのだろう ? What petty crime was I found guilty of? どんな些細な罪を犯したっていうんだろう ? What better time to find a brand new day? 真新しい一日を迎えるのにふさわしい時は一体いつ ? Oh, wanderlust away ワンダーラストを解き放て Dropping me a line ちゃんと一筆便りを寄こしてね Maybe this time, It's wanderlust for me 今度こそは 僕にとってのワンダーラストだって
「癌」という非日常は、自分がそうなってみないとなかなかに理解してもらえるはずもありません。
いまだ世間のイメージは、がん=死、その固定観念の壁がいかに高く厚いかを、がんを公にしてみて感じます。 心というテーマを語ろうとしても、私のことをすでに「いかによく死ぬか」というテーマに入った人だと思うようです。 状況としては、完治する可能性はあるし、でも進行再発する可能性もある。 平均寿命まで残り四十数年の人生なのか、数年なのか、わからないので、両用の構えは4していますが、 そういう極端から極端への幅のある状況というのは、一般にはなかなか理解されないようです。がん=もう長くない人、先が短いと決まった人と思うみたい。 (岸本葉子)
そんな偏見は乗り越えろ。今や日本人の2人に1人はがんに羅患する。若干、年齢が早かっただけのこと。
いろいろな面でイタい部分や、損する部分、も正直ありますが、『天はその人間が耐えうる試練しか与えない』、ともいいます。
決して不運なだけではないはず。試練を受ける人は、その試練に見合った強さを備えているはずなのです。
ここは、ワンダーラストをたずさえて行かなくては。
『がんというのは、もっと全人的なものを必要とするものなのです。』
~ 以前にも言及したことのある帯津先生のがんに関する著書にあった言葉です。 退院してからのワンダーラスト、これについてはまたのl機会に。
( ↓ ) 溢れかえる程に連日届いた、手書きのアドバイスを含めたFAXの山。 本も沢山読みましたが、ひとの厚情というのは有難い。
私は、感謝の気持ちを、涙腺を刺激するようなやり方で表現するのが苦手で、大体においてtake it easy的なふるまいになってしまうのですが、 感謝すべき出来事が山のようにあります。ほんとはわかってるんですけど、こんな風でごめんなさい。