西洋医学ではなく、東洋医学や気の持つパワーへの気づきによって
50歳という心身のバランスが切り替わる節目をいかに乗り越えたかを語った本。
50歳と相前後して、それまで成功哲学でバリバリやってきたような元気で健康であった人が
心身に不調をきたしたり、病気になったりする、
著者も下腹部の気力が失せて、丹田に空虚感が漂うようになったといいます。
日本は高齢化社会といわれながら、高齢者は介護される対象であり、社会の負の存在になりつつある、
高齢者のステータスが低い。
50歳を過ぎたら、欲や執着や知識だけでは生きられない。必要なのは" ほんものの知恵 "。
欲や執着は、本来は自分にないものだった余分なもの。
一方で、ほんものの知恵とは、本来の自分にずっとあるもの。
自分でアクセスできる、自分のココにある、胸のあたりにずっといる、自分自身のなかから湧いてくる、
それが ほんものの知恵の本体。
その知恵でもって、介護されるのではなく、むしろ逆に社会を介護していくのが長老の役割。
現代人が授かった50歳超の寿命は決して、
病気を患ったり、老いや死への不安や恐怖に苦しむ余分な歳月ではないはず。
目的を持って、輝きを見出すことができれば、50歳を超えた人間だけに許された特権とさえ言える時間を生きることができるはず。
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人生50歳脱皮論 |
篠原 佳年 | |
講談社 |
瞑想や気、といったことに興味があります。具体的には、呼吸法。
呼吸というものに対する捉え方を変えてみると、その大切さに気付かされます。
(↓) 東洋医学が説く、五臓と感情の関係性
・肝臓 怒り⇔寛容さ
・心臓 喜び、愛
・脾臓 不安⇔安心
・肺臓 悲しみ⇔快活さ
・腎臓 恐れ⇔勇猛さ
これら、臓器から湧きあがって意識にまとわりつく感情をある程度コントロールできるように、
意識していくのが呼吸法。
ふつうの人間の生活のなかでは、始終さまざまな感情や思いが臓器から立ち昇っては情緒を不安定にさせる。
臓器というのは、筋肉などと違って、自律神経系に属しているので自分の意思でコントロールするのが難しい。
しかし、悲しみや快活さを司る肺に直結する、
呼吸だけは、意識的に行なうことができる。
横隔膜を上下させて呼吸すれば、肺臓だけでなく、ほかの臓器にもある程度アクセスすることが可能になる。
欝血している血液が体内を流れるようになり、酸素も栄養分が体を巡るのだから丈夫になるのはあたりまえ。
呼吸法を行ないながら、
どうしてマイナス感情がそこにあるのか、それを感じ、味わい、鎮めることで、
感情はそこに止まる必要がないことを悟り、やがて消えていく。
呼吸も漫然と行なうのではなく、割って考えてみる。
・吸息
・充息 ・・・ 吸った息を丹田に押し込め、肛門(いわゆる会陰ね、)をギュッとしめて息を止める間
・吐息
・小息 ・・・ 小さな息をひとつする。

■ 「克己の工夫は一呼吸の間に在り」
~ 「克己」と言うと重々しいが、実は「ここだ」というほんの一呼吸の間にポイントはある。
お釈迦様が深い呼吸を行なう座禅を通して悟りを得たように、
克己というのは、まさに一呼吸に工夫をこらし、新しい自分に変わっていくこと。
精神力というと、身も蓋もない、辛いだけのモノになってしまう。
一呼吸の間のような、ちょっとした工夫で乗り越えられるものは沢山ある。
(↓) 幕末の志士達に影響を与えた、佐藤一斎「言志四録(げんししろく)」。
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最強の人生指南書(祥伝社新書205) |
齋藤 孝 | |
祥伝社 |
■ 「意識に上げる」ということ
(↓) この本にあった今も禅寺の修行にあるという「黙って喰え瞑想」、なるほどと思いました。
目の前の米がどこで生産されたのか、どんな人が、どんな思いを込めて作ったのか、意識にあげて食事をする。
お釈迦様が菩提樹の下で悟った後、お布施でいただいたミカンを子供たちに配り、
ミカンを手に持ち、目で見て、皮をむいて、匂いをかいで、舌で味わい、のどから胃に落ちていく感触を感じて、
食べるように教えた、といいます。
五感すべてでミカンを感じることをして はじめて「ミカンは存在する」。
TVみながら、ぺちゃくちゃ喋りながらでは、味や香りはもとより、食べたことすら記憶に残らないことがある。
それは「ミカンは存在していない」のと同じこと。
今、この瞬間に起こっていること、自分の行動のひとつひとつを意識に上げること、
それでこそ気づきが得られ、存在すること、生きていることを感じることができる。
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苫米地 英人 | |
宝島社 |
■ 気はエネルギーであり、その本質は情報である
トマベチ博士なら斬新な切り口で、「気」について語ってくれるのだろう、と期待を持って読んでみました。
食べることは、食物が蓄えた生命エネルギーである「後天の気」を取り入れること。
だから、ごはんを食べている時は「今、気を取り入れてるんだ」と意識して食べたほうがいい。
(上の本で言ってることとと相通じます。)
一方で、先祖代々受け継がれてきた「先天の気」というものもある。
気の正体は情報であり、気は情報空間から無限に得られるもの。
お釈迦様は「空(くう)」という、抽象度レベルの最も高い世界まで行けたので強い「気」を出せた、
情報空間では抽象度の高低によって位置エネルギーが生じる、そうである。
重要なのは、
私たちが変性意識下で認識している世界である「内部表現」は情報空間であるということ ―
したがって、内部表現は、書き換えることができる。
内部表現を書き換えることによって、
自分にとってラクでいられるホメオスタシス(生物の恒常性維持機能)を少しずつズラしていき、夢に近づいていく。
根本的なところは、いつものトマベチ先生の理論が展開されます。
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夢が勝手にかなう「気功」洗脳術~脳科学から見た「気功」の正体【覚醒CD付】 |
苫米地 英人 | |
マキノ出版 |
(↓)インド思想に惚れ込んだのはジョージ。
I really want to see you あなたに会いたい
But it takes so long, My Lord けれど それには時間がかかりそう、私の神よ
がだったのが、途中から、
And it won't take long, My Lord そんなに時間はかからない、
に変わっていく。
George Harrison Memorial Tribute(My Sweet Lord)
(↓) これもジョージらしい、慎み深くて敬虔な曲。
That Is All