M1に替わるミッション1、 ペンタゴン作戦始動。
よく” 顔のいいクラブ ” という言い方をするが、これほど顔(フェース)が独特なドライバーもめずらしい。
狙いすましたインパクトを予感させるキャロウェイのニューモデルXR16ドライバー。
研ぎ澄まされた刃(やいば)の美しい
その切っ先によく似た そなたの横顔
そんな歌さえ浮かんでくるような、美しく特徴的な顔をしている。
見るたびにインパクト重視、ちゃんとミートしろよ!と語りかけてくれそうなフェースだ。
2016年ニューモデルになるこのXR16ドライバーには、
ボーイング社とキャロウェイのコラボによる空気力学のテクノロジーが活かされている。
長年キャロウェイのアイアンを愛用していて、キャディバッグもキャロウェイだが、
不思議なことにキャロウェイのドライバーを手にするのは初めてだ。
ドライバーにはいつも、どこかギミックを求めてきたのだが、戻るべき場所に戻ってきたのかもしれない。
言葉遣いを誤ってはいけない。
ドライバーは操縦するもの、操るもので、
無理に振り回すものでもなければ、力任せに引っ叩くものでもない。
ボーイングとの共同開発だというこのドライバーなら、そこを勘違いせずにいられるかもしれない。
飛行機は操縦して、操るものだから。
スナイパーのようなそのフェースを手にする度に
「狙いすます」その感覚を持って、ターゲットに向かって撃ちにいく。
新兵器XR16ドライバーで、新しいミッション、「ペンタゴン作戦」を遂行する。
五角形(ペンタゴン)をキープして動くのがアニカの動き。
左手甲の角度に注目。
決して引っ叩いたりしない。それはたぶん、引っぱたかなくても、もっと強くミートする術が分かっているからだ。
女性でありながら、男子PGAツアーの試合に挑み、
筋力トレーニングで肉体改造に取り組んでいたような彼女が、なぜ筋力に頼らずにスイングしていたのか。
そこのところをよく考えてみなくてはいけない。
~ ゴルフに必要な体幹作りや、ウェアまで、影響を受けている。男版アニカになりたいと思う。
古武術にある井桁の動きにも似ている。
支店が固定されたヒンジ運動ではなく、井桁崩しの原理(井桁術理)。井桁術理の別名は「平行四辺形の原理」。
(長方形が畳まれて平行四辺形に変形していくように動くことから、そう呼ばれている)
固定された支点を作らず「互い違いにずらす」ことで、身体の運用が広がる。
三角形だと支点が、肘や手首に固定されるので、引っぱたくイメージが出やすいが、
(四角形ではないが)五角形だと、支点が滑らかに連動して動く「井桁術理」のイメージになる。
支点を連動して動かし、「固定化された支点を消していく」動き。
淀みを消し、スムーズなコンビネーションで、部分ではなくもっと大きな全体のパワーを発現させる、その着想。
王選手の一本足打法も、どこか井桁の動きに通じるものがあるような気がする。
身長177cm、79kgとあるから、私とほぼ同じ体格。
大リーガーに、フラミンゴ打法と言わしめたバッティングフォームは、筋力に頼った力任せの打ち方ではない。
圧倒的なホームランバッターは、決して引っぱたくような打撃をしていなかった。
( ↓ ) これはパッティングについての記事からだが、ドライバーやUtlity系のクラブにも応用が可能だと思うのです。
五角形 = 『ペンタゴン打法』 の誕生だ。
新しいネーミングによって意識化されると、それは新しい技法になる。
( ↓ )五角形だと左手甲を予め甲側に折った手首遣いになる。
アニカのスイングも、左手甲の角度をうまく使うことで、インパクト後にフォローが大きく出しやすくなっているように見える。
そして、手首の甲側に少し角度がついていると、テークバックから自然とタテ振りになるように思える。
(クラブが寝て入って、引っかけや左へのミスになることの防止になる)
元祖「骨ストレッチ・スイング」の使い手ともいえる、
伝説のゴルフ・プレイヤー マイク オースティンの手首使いにも似ている。
(骨ストレッチのゴルフ ~ ゴルフの真髄へ)
このマイク オースティンの骨ゴルフの記事を書いたのは2014年の7月のことなのだが、
2015年のALBA12月号では、骨ストレッチの松村先生や、永井プロが同じような骨タイツを着て、
「骨スイング」なる特集が組まれていました。
なんだか、嬉しかったです。
不振ながら前回のラウンドで収穫だったのは、
得意のUtilityまで不振の影響が及んで、ちゃんと当たらなくなっていたのが、五角形を意識することで当たりが戻ってきたこと。
Utilityの安定感をドライバーに持ち込めないか、という発想はあったが、これまで具体化できていませんでした。
ドライバーとセットで、このペンタゴン打法を定着させることができれば、抜群のゴルフが出来るようになると思う。
しっかり球をつかまえることができるし、フォローで左手首の受けが確りしているから、方向性にも優れる。
左を避けたい時には、右手首の角度をキープしてスイングするようにしていたが、逆の発想があったということだ。
押し手である右手のパワーを殺すかのように右手を固定しなくとも、 あらかじめ左手の甲の角度をつけることで ” 左手で強く押し込む”。
方向性を決める役割を担っている左手なのだが、甲をつかって押し込むことで、方向を安定させるだけでなく積極的にパワーを引き出していく。
( 「左手の縦のコックをキープしろ」、という教えがあるが、たぶん同じことを言っているのだと思う。)
ペンタゴン打法を支える井桁術理、それを実践し強化していくための骨ストレッチ。
( ↓ ) 左手首甲側の角度を使う、末端を固定することで全身の力をより強く引き出すことができる。
肩を回すのではない「右肩を引く」動きも、井桁の動きにマッチする。
(回すのではなく、右肩を後ろに引くドライバー(重力使いの名手へと))
引いて突くという無駄のない動きは、正確で強いインパクト作りにとても効果的なのですが、時々淀みが出て、動きがスムーズでなくなる。
( ↓ ) 「右肩を引く」動きをスムーズにできるように肩甲骨の可動域を拡げる。
( ↓ ) これは骨ストレッチではない別の動画から。
肩に手を当てて押し合う動き、ゴルフに必要な腹斜筋を強化する感じもつかめる。
肩甲骨の柔軟性を高め、「右肩を引く」動きから、淀みを消すためのトレーニングでもある。
生涯スポーツとしてのゴルフの奥深さは、こういう身体技法みたいなところに顕われると思うのです。
Annika Sorenstam Career Highlights
(ただし、近頃好調のパッティングのキメ方は違う。
アップライトに吊るように構えて、手首は支点を定めてロックするのです。これはまたあらためて。)