Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

GW特別企画(1)法廷という舞台劇

2012-04-28 00:15:00 | コラム
娯楽産業が発展し多岐にわたるため、黄金週間だからといって「もちろん映画っしょ!!」と、劇場やレンタル屋さんに向かうひとは少ないのかもしれない。

そういう状況、映画小僧としてはやはり寂しいものがあるので、意固地に? 我流の映画セレクト10傑なんぞを展開してみて、ひとりで盛り上がることにする。

参考にしてくれるひとが「ひとりでも」存在してくれれば、それだけで充分なのである。

ほんとうは、♪ ひとりよりふたりがいいさ、ふたりよりさんにんがいい~ ♪ なのだけれども。(=『サンバルカン』の主題歌)


企画の第一弾は、映画における裁判シーン。

この分野、やはり米産の映画が強い。
実際の裁判も、あれほど盛り上がる? のだろうか―と疑問に思うほど、ドラマチック。

少なくとも日本の裁判よりもドラマ性が重視されているのは確かなようで、人種の坩堝というだけあって、
どの州のどの地で裁判がおこなわれるか=陪審員の何割が白人か、あるいは黒人か―だけでひとつのドラマが出来上がるのだから、なかなかに強敵? なのである。

シナリオ作家は「物語によっては」文章力よりも取材力が重要になる場合があって、
裁判シーンのあるドラマなどは、資料にあたるよりも、まずはどんな裁判でもいいから傍聴する必要があるだろう。

そういう意味では、自分は失格。
事件の被害者として被害届を出したり証言をしたこと、また逆に、加害者として起訴されたことはあるけれども、
実際の裁判に触れたことはないのだから。


(1)『グッドフェローズ』(90)

どの分野でも1位に選出することの多い、スコセッシの歴史的大傑作。

自分が生き残るために育ての親を「売る」主人公、裁判シーンの後半では観客に訴えかけるように「俺はただ、死にたくないだけだ」と話す。
「こいつ、サイテーだ」と思いつつも、やけにリアル。

(2)『M』(31)…トップ画像

これは、そーとーに変化球。
殺人鬼Mを、多くの住民たちが裁くという市民裁判が展開される。

(3)『評決のとき』(96)

映画の出来としてはイマヒトツ、ではあるものの、、、
判決後に被告を射殺するという展開は、やはりインパクト大。

(4)『情婦』(57)

予備知識なしで観たほうが驚く・・・という、「いわゆる」どんでん返しの典型。いや、教科書。
ビリー・ワイルダーの話術が冴えまくる。

(5)『シリアル・ママ』(94)

裁判中に被告が「証言者に対しパンツを見せる」という、恐るべき展開。
演じるキャスリーン・ターナーにゾッとしつつ、笑いが止まらない。

(6)『JFK』(91)

1秒たりとも見逃せない。
後半の裁判だけでも、ふつうの映画の3倍くらい情報量がある。

頭を使うが、最後はわけも分からず感動する。

(7)『39 刑法第三十九条』(99)

鬼才・モリタの快作。
そして堤真一の真の実力を、本作の裁判シーンで知る。

(8)『評決』(82)

酔いどれ弁護士の再生物語。
ポール・ニューマンの好演も忘れ難いが、米国の良心を信じるシドニー・ルメットの演出が白眉。

(9)『ゆれる』(2006)

小さな事件の小さな裁判でも、描きようによってはドラマチックに。
兄弟のゆれる関係性を描き、悔しいが、負けたと思った。
香川照之が、抜群に巧い。

(10)『フィラデルフィア』(93)

HIV、しかも死が間近に迫る弁護士が原告に―裁判が進むにつれ痩せ細っていくトム・ハンクスの演技は、ある意味で戦慄。





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コメント (4)
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