Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

GW特別企画(3)ばく、おん!

2012-04-30 00:15:00 | コラム
イカレた、、、もとい、イカシた劇場のひとつに吉祥寺バウスシアターというのがあって
サイト上にも告知があるが、
ここは「爆音映画祭」という変わった企画を、不定期で開催している。

通常の上映でも、音量というのは「やや大きめ」というのが基本・・・ではあるけれど、
せっかく「つまみ」があるのだから、それをMAXにして触れてみない? という、ちょっと無謀というかパンクな企画である。

最大音量を試したくとも、一般家庭では実現し難いという現実がある。
すぐご近所トラブルになるし。

それを可能にする、というか、そのために設計されているのが、コンサートホールや映画館といっていいだろう。
今宵は、ぜひ爆音で触れたい映画をセレクト。


ドルビーやらSDDSやら、映画館の音響システムを把握するのはけっこう難儀だが、
さらに新システム「ドルビーアトモス」が完成、またまた新しいロゴがエンド・クレジットに記されることになるわけで、
そこらへんのことは、じつはよく分からない。
同級生に音声のプロの道に進んだヤツが居るので、こんど聞いてみることにしよう。

たぶん、ぜんぜん分からないだろうけれど。


(1)『イレイザーヘッド』(76)…トップ画像

「消しゴム頭の男」を主人公にした、変人リンチの劇場デビュー作。

周波数に関する「噂」(=人間の耳では聞き取れないサウンドトラックを採用)が流れるほど、徹底的に音にこだわった作品。

気にかけたことがなかったが・・・この映画もまた、『タクシードライバー』『キャリー』同様に「76年発表」なのだった。

なんてこった! すごいぞ76年っ!!

(2)『プライベート・ライアン』(98)

リアルな戦場の描写。

CGの力を借りて、スピルバーグの残酷性がいかんなく発揮された。
映像も痛いが、音声も痛いのだ。

(3)『シャイン・ア・ライト』(2008)…文末リンクの予告編を参照

やっぱりランクインする、スコセッシ印の映画。
不良オヤジ、ローリング・ストーンズのライブを超絶的カメラワークで捉える。

ライブは、やはりメガ音量で。

(4)『2001年宇宙の旅』(68)

映画史の金字塔は、大スクリーンと大音量こそ相応しい。

よくわからん・・・というひとも、この環境で触れれば意味に関係なく感動するはず。

(5)『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』(2005)

タイトルの意味は、「神よ、何故に我を見捨てたもうや」。

物語より「音」先行で創られた映画なので、これは劇場で触れなければ「ほとんど」意味がない。
孤高の作家・中原昌也の本業がどういうものかも、これを観れば分かる。

(6)『ヒート』(95)

デ・ニーロ×パチーノ、そしてマイケル・マン。
映画史上「最長」「最強」をうたう銃撃戦を、ぜひ最高の環境で。

(7)『アマデウス』(84)

これまた「音」先行で創られており、まずモーツァルトのどの曲を使用するかを決めてから、シーンを設計していったという。

映画に触れながら、クラシックのコンサート気分に―夢のようじゃないか。

(8)『鉄男』(89)

自主制作「臭」がぷんぷんする創りだが、音へのこだわりにはプロもひれ伏す。
それが、サイバーパンクのプライドなのだ。

(9)『エンター・ザ・ボイド』(2009)

塚本晋也の変種といったらいいか、身体の破壊について哲学する映画監督が、フランスにもひとり。
そんなギャスパー・ノエが、日本にカメラを向けたらこんな猥雑で素敵な物語が誕生した。

音楽担当は、ダフト・パンクのトーマ・バンガルテル。こりゃ、爆音決定? っしょ。

(10)『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(2000)

無音と、感情を宿したかのような機械音と、そしてビョークの歌声と。

映画の未来と力を信じるラース・フォン・トリアーの野心作は、暗闇の小屋で観なきゃ。
しかも、可能なかぎりの大音量で。






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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』

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明日のコラムは・・・

『巻頭言&GW特別企画(4)食、神。』
コメント (3)
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