Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(44)

2013-06-16 00:58:43 | コラム
たーびゅらん「す」→「す」てぃぐま(スティグマ)

キリスト教を鍵とする米産のホラー映画は多い。

6月6日、午後6時に生まれたダミアンを主人公とする『オーメン』(76)の「666」とは、新約聖書において「獣の数字」とされている。

『13日の金曜日』シリーズ(80~)が、なぜ13日の金曜日を惨劇の日に選んだのかというと、
事実というより「説」になるが、英語圏の国で13日の金曜日が不吉とされているから。
日本の「4」と同じようなものだと思うが、キリスト最後の晩餐に13人の人物が居たため・・・などともいわれており、やはり宗教と無関係ではないらしい。

悪魔と神父の戦いを壮絶に描いた『エクソシスト』(73)、悪魔祓いのために神父が登場する点では共通している『悪魔の棲む家』(79)、
「悪魔の感染症」を描くスペイン産の『REC』(2007)、
出エジプト記による「十の災い」をモチーフにした『リーピング』(2010)などなど。

知っているようで、ぜんぜん知らないキリスト教関連のこと。
あるいは知っていても「映画から授かったこと」ばかりで、もちろん聖書は読んだことがない。
『沈黙』(遠藤周作)は読んだが、『薔薇の名前』(ウンベルト・エーコ)は未読。

なのに(もちろんジョークだが)ジーザスクライスト!! とか叫んでみたりする。
米国人がブッダ! と叫んでも面白くないわけで、つまり自分のそうした言動は「そーとー」イタいと思われるが、ついついやってしまう。

その程度の知識にも関わらず、上記の映画は充分に日本の映画小僧を怖がらせてくれる。
映像の力というものだろうが、その世界について詳しければ「もっと」怖かったのかもしれない。

さて。
その程度の知識にも関わらず、自分が「ぎりぎり」知っていたこと。

聖痕、英語でスティグマ(stigma)。
簡単にいえばキリストが磔になった際、身体に出来た5つの傷。

釘を打たれた左右の手足で4つ、さらに、ロンギヌスの槍による脇腹に出来た傷で5つ。
これらの傷が「熱心なキリスト教信者」の身体に現れたという、科学的に「?」な事例も沢山報告されていて、そのあたりを背景にした映画が『スティグマータ』(99)である。

可愛らしい声の持ち主としても有名なパトリシア・アークエットがヒロインを演じ、彼女の魅惑的な声が恐ろしく野太い声に変わるところなど面白かったが、この映画のユニークな点は、ヒロインを「無神論者」と設定したこと。

これにより、調査に訪れたアンドリュー神父(ガブリエル・バーン)もスティグマとは無関係なものだと判断するのである。

パトリシア好き、、、というよりアークエット姉妹のファンなので、劇場公開初日に観に行った。

入りは3割程度。
その内訳が、なんとなく面白かった。
自分のように「パトリシア目当て」の映画小僧が4割、宗教に興味を抱いているような「頭よさげ」な中年紳士? が3割、「怖がりたい症候群」を患うホラー好きの女子が3割。
もちろん自分の予想でしかないが、けっこう当たっているような気がする。

はっきりいえるのは、こういうタイプの映画はスマッシュヒットこそ記録しないが、いつの時代でも「ある一定のファン」を獲得出来るもので、だから無事に? 劇場公開を果たせる。


ちょっと意外だったのが、制作にB級映画の帝王ロジャー・コーマンが名を連ねていること。
コーマン印にしては「いかがわしさ度」は低めで、あぁこういうのも創るのだな、、、と新鮮な感動を覚えた。






次回のしりとりは・・・
すてぃぐ「ま」→「ま」りーごーるど。

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明日のコラムは・・・

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コメント (2)
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