映画監督タナダユキ(トップ画像)による長編小説『復讐』を読む。
えがった。
というか、多才なひとだなぁと感心した。
映画と小説のちがいを明確にさせながらも、根っこのところでつながっている―自分はそう捉え、なんだかうれしかった。
カメレオンのようなアーティストも面白いが、どんな表現スタイルであれ「同一性、というもの」を感じさせてくれるほうが信頼出来る気がするから。
本業は作家ではないひとの、小説あるいは詩集やコラム・エッセイなどなど。
今宵はタナダユキのように、多才なひとだなぁと感心した10人の作品をセレクトしてみたい。
※発表当時「作家を本業としていなかった」だけで、現在は「それメインのひと」も含まれる
(1)『芸人失格』(元芸人、松野大介)
中山秀征と「ABブラザーズ」を結成、80年代に人気を博す。
しかし中山のような「小」器用な振る舞いが出来ず、徐々に業界で浮く存在に。
そこで抱いた違和感や劣等感を繊細に描き、胸に迫るものがある。
(2)『プラトニック・セックス』(元AV女優、飯島愛)
AV嬢の告白本は多いが、頭ひとつ抜きん出ているかと。
ゴーストが書いたんだろうとか、いろいろいわれたが、あなたの最も汚いとされるところに舌を入れたい―と結ぶ最後の文章は、少なくとも愛ちゃん自身のものだろう。
(3)『架空OL日記』(芸人、バカリズム)
人気ブログをまとめたもの。
タイトルそのまんまなので解説不要だが、多才というか、えれー頭いいなぁと思った。
(4)『キャッチャー・イン・ザ・オクタゴン』(元格闘家、須藤元気)
格闘技の最高峰UFCで活躍した格闘家による、いわゆるスポ根モノ。
しかし愛と希望を独自のセンスで語るひとだから、王道からは自然とずれていく。そこがいい。
10年ほど前、代々木第一体育館で声援を送った格闘家が、まさかアーティストとして歌って踊ることになるとは・・・世の中、分からないねぇ。(文末動画参照)
(5)『陰日向に咲く』(芸人、劇団ひとり)
構成の巧さに唸った。
完成度という点では、このリストのなかでベストかもしれない。
新作、書いてくれないかな。
(6)『nude』(元AV女優、みひろ)
愛ちゃんはAVを全肯定していたが、彼女の場合は、どちらかというと否定の感情のほうが強い。
それでも仕事を続けていく―そのあたりの葛藤がきちんと表現されていて、グッときた。
(7)『二つの月の記憶』(女優、岸田今日子)
7つの短編からなるミステリ。
一筋縄ではいかない物語は、このひとのイメージにぴったり。
とくに1本目の『オートバイ』は秀逸。
(8)『ダディ』(歌手、郷ひろみ)
抱腹絶倒。
何度読んでも笑えるし、笑い過ぎてページを繰れないほどなのだった。
本人に笑わせるつもりはないのだろうが、稚拙な表現も含め、自分は「あり」だと強く支持する。
つまり、「裏」名著。
(9)『女優の夜』(女優、荻野目慶子)
告白本と暴露本と、その両面を併せ持っている。
深作欣二とのエピソードは、たいへんパンチがあった。
(10)『その日東京駅五時二十五分発』(映画監督、西川美和)
堂々と文学している。
格好いいと思った。
※須藤元気率いるWORLD ORDER
…………………………………………
本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』
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明日のコラムは・・・
『「魔」のキャスティング』
えがった。
というか、多才なひとだなぁと感心した。
映画と小説のちがいを明確にさせながらも、根っこのところでつながっている―自分はそう捉え、なんだかうれしかった。
カメレオンのようなアーティストも面白いが、どんな表現スタイルであれ「同一性、というもの」を感じさせてくれるほうが信頼出来る気がするから。
本業は作家ではないひとの、小説あるいは詩集やコラム・エッセイなどなど。
今宵はタナダユキのように、多才なひとだなぁと感心した10人の作品をセレクトしてみたい。
※発表当時「作家を本業としていなかった」だけで、現在は「それメインのひと」も含まれる
(1)『芸人失格』(元芸人、松野大介)
中山秀征と「ABブラザーズ」を結成、80年代に人気を博す。
しかし中山のような「小」器用な振る舞いが出来ず、徐々に業界で浮く存在に。
そこで抱いた違和感や劣等感を繊細に描き、胸に迫るものがある。
(2)『プラトニック・セックス』(元AV女優、飯島愛)
AV嬢の告白本は多いが、頭ひとつ抜きん出ているかと。
ゴーストが書いたんだろうとか、いろいろいわれたが、あなたの最も汚いとされるところに舌を入れたい―と結ぶ最後の文章は、少なくとも愛ちゃん自身のものだろう。
(3)『架空OL日記』(芸人、バカリズム)
人気ブログをまとめたもの。
タイトルそのまんまなので解説不要だが、多才というか、えれー頭いいなぁと思った。
(4)『キャッチャー・イン・ザ・オクタゴン』(元格闘家、須藤元気)
格闘技の最高峰UFCで活躍した格闘家による、いわゆるスポ根モノ。
しかし愛と希望を独自のセンスで語るひとだから、王道からは自然とずれていく。そこがいい。
10年ほど前、代々木第一体育館で声援を送った格闘家が、まさかアーティストとして歌って踊ることになるとは・・・世の中、分からないねぇ。(文末動画参照)
(5)『陰日向に咲く』(芸人、劇団ひとり)
構成の巧さに唸った。
完成度という点では、このリストのなかでベストかもしれない。
新作、書いてくれないかな。
(6)『nude』(元AV女優、みひろ)
愛ちゃんはAVを全肯定していたが、彼女の場合は、どちらかというと否定の感情のほうが強い。
それでも仕事を続けていく―そのあたりの葛藤がきちんと表現されていて、グッときた。
(7)『二つの月の記憶』(女優、岸田今日子)
7つの短編からなるミステリ。
一筋縄ではいかない物語は、このひとのイメージにぴったり。
とくに1本目の『オートバイ』は秀逸。
(8)『ダディ』(歌手、郷ひろみ)
抱腹絶倒。
何度読んでも笑えるし、笑い過ぎてページを繰れないほどなのだった。
本人に笑わせるつもりはないのだろうが、稚拙な表現も含め、自分は「あり」だと強く支持する。
つまり、「裏」名著。
(9)『女優の夜』(女優、荻野目慶子)
告白本と暴露本と、その両面を併せ持っている。
深作欣二とのエピソードは、たいへんパンチがあった。
(10)『その日東京駅五時二十五分発』(映画監督、西川美和)
堂々と文学している。
格好いいと思った。
※須藤元気率いるWORLD ORDER
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『「魔」のキャスティング』