にっかつの後輩から「自作シナリオのタイトルをつけてほしい」と頼まれる。
「んなもの、自分で考えなよ」
「センスないんですよ、俺」
「自分だって、ないよ」
「あるじゃないですか、ブログのタイトルとか素敵ですよ」
「あれは、パクリっていうんだ」
「そのパクリにも、センスがあるんですよ」
「なに? 自分褒めて得すること、あんの?」
「だから俺のシナリオの―」
「―はっきりいうけど、自分で書いたシナリオに名前つけてもうらうっていう時点で、負けている気がするんだけれど」
「・・・そうですかね?」
「そうだよ、まだ『無題』なわけ?」
「はい」
「なにかしらの名前をつけて、そいでもって自分がそれを読んで、この展開と、それからタイトルがねぇ・・・って感想をいう流れなら分かるけど」
「とりあえず、つけてみろと?」
「そう、それに対してだったら、このタイトルのほうがいいんじゃね? という意見はいえる」
「分かりました」
・・・・・ふぅ。
筋には自信があるのに、「その顔」には自信がない―ということ、よく分かるんだけれどね。
タイトルだけで「この映画、観る!」と決めることは「ほぼ」ないけれど、目にした瞬間に「これ、いいかも」「傑作の予感、大」と思うことはある。
本ブログでも度々取り上げている、おかしな、あるいは秀逸な外国映画の邦題。
今宵は原題からかけ離れ過ぎている邦題をいくつかノミネートし、そのなかから王者を決めようじゃないか。
秀逸な邦題は、自分のなかでは『俺たちに明日はない』(67)で決まり。
キャラクターふたりの名前を冠しただけの『Bonnie and Clyde』を、うまく調理したと思う。作品の空気さえも、なんとなく表現しちゃっているところが素晴らしい。
監督アーサー・ペンも、きっと満足してくれるのではないだろうか。
問題は、おかしな邦題のほうである。
おかし過ぎて一周し、逆に感心してしまうことも「ときどき」あるけれど。
でも大抵は、頭を抱えてしまうものばかりだ。
このタイトルゆえ、動員数減らしてんじゃね? という。
そうなった場合の責任問題はどうなんってんだ? と突っ込みたくなる邦題、まずはノミネーション作を。
(1)『おつむて・ん・て・ん・クリニック』(90)
原題は『What About Bob?』で、ビル・マーレイやリチャード・ドレイファスといった名優たちが好演する良質のコメディである。
なんか、・・・涙が出てこない?
(2)『バス男』(2004)
原題は『Napoleon Dynamite』だが、明らかに「電車男」を意識して冠せられている。
だって主人公はバス通学をする学生というだけで、本筋とバスは無関係なのだもの。
眩暈が・・・。
(3)『原始のマン』(92)
原題は『Encino Man』で、じつは直訳だったりするのだが、どう考えてもずれている。
これだけで若い女子は「観たい!」とは思わないし、彼氏に誘われても「・・・いいや」と答えてしまうことだろう。
(4)『幸せへのキセキ』(2011)
原題は『We Bought a Zoo』で、「うちらは、動物園を買った」みたいな意味。
これは地味にひどい邦題で、「幸せ」とか「キセキ」とかつければ若いヤツ喰いつくっしょ? という感じに、受け手をなめているのだ。
一時期量産された「愛と○○~」みたいなものだろう。
(5)『26世紀青年』(2006)
原題は『Idiocracy』。
人気コミックにあやかった、安易に過ぎる邦題。
(6)『ヒューゴの不思議な発明』(2011…トップ画像)
原題は端的に『Hugo』。
「汚れなき情事」もそうだったが、スコセッシ映画の邦題や副題は、基本的にペケなものが多い。
この映画のなかでヒューゴは「不思議な発明」などしない。
(7)『コマンドー者』(88)
原題は『GET THE TERRORISTS』。
ちょっと面白いけど。
いや面白いのは『ランボー者』のほうだろう。
以上、7作品。
混戦が予想されたが・・・
満場一致? で、『原始のマン』に決定!!
だって公開当時も、「これじゃあ、ねぇ、、、」と、否定的だった意見が多かったのだもの。
※じゃあ、撃ちまくっている『コマンドー』のシーンを
…………………………………………
本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『エナジーより、エレジー』
「んなもの、自分で考えなよ」
「センスないんですよ、俺」
「自分だって、ないよ」
「あるじゃないですか、ブログのタイトルとか素敵ですよ」
「あれは、パクリっていうんだ」
「そのパクリにも、センスがあるんですよ」
「なに? 自分褒めて得すること、あんの?」
「だから俺のシナリオの―」
「―はっきりいうけど、自分で書いたシナリオに名前つけてもうらうっていう時点で、負けている気がするんだけれど」
「・・・そうですかね?」
「そうだよ、まだ『無題』なわけ?」
「はい」
「なにかしらの名前をつけて、そいでもって自分がそれを読んで、この展開と、それからタイトルがねぇ・・・って感想をいう流れなら分かるけど」
「とりあえず、つけてみろと?」
「そう、それに対してだったら、このタイトルのほうがいいんじゃね? という意見はいえる」
「分かりました」
・・・・・ふぅ。
筋には自信があるのに、「その顔」には自信がない―ということ、よく分かるんだけれどね。
タイトルだけで「この映画、観る!」と決めることは「ほぼ」ないけれど、目にした瞬間に「これ、いいかも」「傑作の予感、大」と思うことはある。
本ブログでも度々取り上げている、おかしな、あるいは秀逸な外国映画の邦題。
今宵は原題からかけ離れ過ぎている邦題をいくつかノミネートし、そのなかから王者を決めようじゃないか。
秀逸な邦題は、自分のなかでは『俺たちに明日はない』(67)で決まり。
キャラクターふたりの名前を冠しただけの『Bonnie and Clyde』を、うまく調理したと思う。作品の空気さえも、なんとなく表現しちゃっているところが素晴らしい。
監督アーサー・ペンも、きっと満足してくれるのではないだろうか。
問題は、おかしな邦題のほうである。
おかし過ぎて一周し、逆に感心してしまうことも「ときどき」あるけれど。
でも大抵は、頭を抱えてしまうものばかりだ。
このタイトルゆえ、動員数減らしてんじゃね? という。
そうなった場合の責任問題はどうなんってんだ? と突っ込みたくなる邦題、まずはノミネーション作を。
(1)『おつむて・ん・て・ん・クリニック』(90)
原題は『What About Bob?』で、ビル・マーレイやリチャード・ドレイファスといった名優たちが好演する良質のコメディである。
なんか、・・・涙が出てこない?
(2)『バス男』(2004)
原題は『Napoleon Dynamite』だが、明らかに「電車男」を意識して冠せられている。
だって主人公はバス通学をする学生というだけで、本筋とバスは無関係なのだもの。
眩暈が・・・。
(3)『原始のマン』(92)
原題は『Encino Man』で、じつは直訳だったりするのだが、どう考えてもずれている。
これだけで若い女子は「観たい!」とは思わないし、彼氏に誘われても「・・・いいや」と答えてしまうことだろう。
(4)『幸せへのキセキ』(2011)
原題は『We Bought a Zoo』で、「うちらは、動物園を買った」みたいな意味。
これは地味にひどい邦題で、「幸せ」とか「キセキ」とかつければ若いヤツ喰いつくっしょ? という感じに、受け手をなめているのだ。
一時期量産された「愛と○○~」みたいなものだろう。
(5)『26世紀青年』(2006)
原題は『Idiocracy』。
人気コミックにあやかった、安易に過ぎる邦題。
(6)『ヒューゴの不思議な発明』(2011…トップ画像)
原題は端的に『Hugo』。
「汚れなき情事」もそうだったが、スコセッシ映画の邦題や副題は、基本的にペケなものが多い。
この映画のなかでヒューゴは「不思議な発明」などしない。
(7)『コマンドー者』(88)
原題は『GET THE TERRORISTS』。
ちょっと面白いけど。
いや面白いのは『ランボー者』のほうだろう。
以上、7作品。
混戦が予想されたが・・・
満場一致? で、『原始のマン』に決定!!
だって公開当時も、「これじゃあ、ねぇ、、、」と、否定的だった意見が多かったのだもの。
※じゃあ、撃ちまくっている『コマンドー』のシーンを
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明日のコラムは・・・
『エナジーより、エレジー』