度々記しているが、地顔がヘラヘラしている。
やさしいひとは「ヘラヘラじゃなく、ニコニコだよ」といってくれるが、自分では「ヘラヘラのほう」だと思っている。
ヘラヘラとニコニコ、似ているようでちがう。
人気の動画サービス『ニコニコ生放送』は「ニコニコ」だから支持を得ているのであって、『ヘラヘラ生放送』では、これほど大きな存在には成り得なかったと思う。
なんとなく、犯罪的なニオイがするじゃない?
朗らかな印象が強いニコニコに対し、ヘラヘラは緊張感が漂う。
ニコニコは街で喧嘩を売られることがないが、ヘラヘラは「なんだ、テメェ」という展開になりがち。
実際、20代前半はそうだった。
現在はどうか。
ひとがよさそう―といわれる顔だが、無駄にマッチョ、坊主、アゴヒゲ、そいでもってヘラヘラ。
こうなってくると、喧嘩さえ売られなくなる。
道を尋ねようとしていたひとも、自分だけは避けたり。
わしゃぁ、寂しいよ・・・なんて。
そんな自分が先週は、いろんなひとに話しかけられた1週間だったなぁ―きょうは、そんな話だ。(そのメインは、最後ね)
某日―。
よく自分の文章を載せてくれていたエロ本が休刊するというニュースを聞き、うろたえる。
軽く落ち込んだので、気分を上げるために4度目の『風立ちぬ』鑑賞。
70超えた爺に元気をもらう。
劇場を出ようとすると、5つくらい下の男子に呼び止められる。
「はい?」
「あの・・・デ・ニーロ、好きなんですか?」
着ていたTシャツは、トラビスをイラスト化したものだった。
満面の笑みを作り「えぇ、好きですよ」と答える。
「あの・・・お時間は、ありますか?」
「・・・」
直感で分かった。
まちがいであったら失礼な話だが、彼はたぶんゲイ。
「ごめんね、自分、そっちじゃないんで」と、やんわり返してみた。
彼は少し顔を赤くして「そうですか、すいません」。
あぁ、やっぱりそうだったか。
こうした直感を信じるのは、何度か同じように声をかけられたことがあったから。
坊主にヒゲだものね、似非マッチョだし、しかもヘラヘラをニコニコと解釈すれば、「カモ~~ン♪」といっているように見えなくもない、、、ということか。
某日―。
街中で真っ赤な髪の美女に「秀ちゃん?」と話しかけられる。
完全にひとちがいだが、あまりにも美人なので思わず「そう、久し振り!」といいたくなった・・・のを堪え、
「イエス! といいたいところだけど、ひとちがいです」
「あっ、すいません」
「その秀ちゃんというひとに、似てるんですか自分は」
「・・・そうですね、えぇ、似てます」
「その感じ、かなり似てるっぽい」
「(笑顔)えぇ、かなり似てます」
「そのひと、いいひと?」
「・・・えぇ、いいひとですよ」
「よかった、なんか分からないけれど、よかった(笑顔)」
「(笑顔)」
なんてことない会話だが、ちょっと気分がよかった。
某日―。
某ばかりでアレ? だが、某ラジオ局で取材。
エレベーターを使わず階段で移動、勢いよく下っていると背後から「まっき~♪」と呼び止められた。
足を止め、振り返る・・・も、誰も居ない。
それはそうだろう、ふだんからこの階段を使うものは少なく、顔を会わせるのは掃除のおばちゃんくらいだったもの。
気のせいかなと思い、再び階段を降りる。
加速がつき始めたその30秒後、またまた「まっき~♪」の声が。
・・・・・。
乾いたオッサンの声だった。
立ち止まるが、なぜか振り返ることが出来ない。
悪寒がしたから。
振り返ってはいけない―そんな気がして、階段を駆け降りた。
駅構内のトイレまで走り、鏡に写る自分と対峙する。
汗まみれ。
暑いからでも、走ったからでもない、異常に粘つく汗。
あれ、ヘラヘラ顔まで消えているじゃないかって。
久し振りに抱いた恐怖だった。
じつをいうと、あの声の「2度目」を聞いたとき、視界の隅っこに男の姿が見えたのである。
しかしその男は階段に、つまり地に足をつけているのではなく、なんとなく、なんとなくだが、宙に浮いている感じがした。
だから、振り向かなかったのだ。
・・・・・おかしいな、シックス・センスなんてなかったはずなのに。
ゲイであろう青年と、ひとちがいの赤い髪の女、そして、幽霊かもしれないオッサン。
いろんなひとに人気あるじゃん自分! と、思うことにしよう。
いいのか、こんなオチで??
※トップ画像は、見せかたが抜群に巧かったホラー映画『女優霊』。
動画は『リング』のエンド・クレジットを。
1作目は、純粋に怖くて面白かったよね。
…………………………………………
本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『ペット、ショップ、ボーイズ』
やさしいひとは「ヘラヘラじゃなく、ニコニコだよ」といってくれるが、自分では「ヘラヘラのほう」だと思っている。
ヘラヘラとニコニコ、似ているようでちがう。
人気の動画サービス『ニコニコ生放送』は「ニコニコ」だから支持を得ているのであって、『ヘラヘラ生放送』では、これほど大きな存在には成り得なかったと思う。
なんとなく、犯罪的なニオイがするじゃない?
朗らかな印象が強いニコニコに対し、ヘラヘラは緊張感が漂う。
ニコニコは街で喧嘩を売られることがないが、ヘラヘラは「なんだ、テメェ」という展開になりがち。
実際、20代前半はそうだった。
現在はどうか。
ひとがよさそう―といわれる顔だが、無駄にマッチョ、坊主、アゴヒゲ、そいでもってヘラヘラ。
こうなってくると、喧嘩さえ売られなくなる。
道を尋ねようとしていたひとも、自分だけは避けたり。
わしゃぁ、寂しいよ・・・なんて。
そんな自分が先週は、いろんなひとに話しかけられた1週間だったなぁ―きょうは、そんな話だ。(そのメインは、最後ね)
某日―。
よく自分の文章を載せてくれていたエロ本が休刊するというニュースを聞き、うろたえる。
軽く落ち込んだので、気分を上げるために4度目の『風立ちぬ』鑑賞。
70超えた爺に元気をもらう。
劇場を出ようとすると、5つくらい下の男子に呼び止められる。
「はい?」
「あの・・・デ・ニーロ、好きなんですか?」
着ていたTシャツは、トラビスをイラスト化したものだった。
満面の笑みを作り「えぇ、好きですよ」と答える。
「あの・・・お時間は、ありますか?」
「・・・」
直感で分かった。
まちがいであったら失礼な話だが、彼はたぶんゲイ。
「ごめんね、自分、そっちじゃないんで」と、やんわり返してみた。
彼は少し顔を赤くして「そうですか、すいません」。
あぁ、やっぱりそうだったか。
こうした直感を信じるのは、何度か同じように声をかけられたことがあったから。
坊主にヒゲだものね、似非マッチョだし、しかもヘラヘラをニコニコと解釈すれば、「カモ~~ン♪」といっているように見えなくもない、、、ということか。
某日―。
街中で真っ赤な髪の美女に「秀ちゃん?」と話しかけられる。
完全にひとちがいだが、あまりにも美人なので思わず「そう、久し振り!」といいたくなった・・・のを堪え、
「イエス! といいたいところだけど、ひとちがいです」
「あっ、すいません」
「その秀ちゃんというひとに、似てるんですか自分は」
「・・・そうですね、えぇ、似てます」
「その感じ、かなり似てるっぽい」
「(笑顔)えぇ、かなり似てます」
「そのひと、いいひと?」
「・・・えぇ、いいひとですよ」
「よかった、なんか分からないけれど、よかった(笑顔)」
「(笑顔)」
なんてことない会話だが、ちょっと気分がよかった。
某日―。
某ばかりでアレ? だが、某ラジオ局で取材。
エレベーターを使わず階段で移動、勢いよく下っていると背後から「まっき~♪」と呼び止められた。
足を止め、振り返る・・・も、誰も居ない。
それはそうだろう、ふだんからこの階段を使うものは少なく、顔を会わせるのは掃除のおばちゃんくらいだったもの。
気のせいかなと思い、再び階段を降りる。
加速がつき始めたその30秒後、またまた「まっき~♪」の声が。
・・・・・。
乾いたオッサンの声だった。
立ち止まるが、なぜか振り返ることが出来ない。
悪寒がしたから。
振り返ってはいけない―そんな気がして、階段を駆け降りた。
駅構内のトイレまで走り、鏡に写る自分と対峙する。
汗まみれ。
暑いからでも、走ったからでもない、異常に粘つく汗。
あれ、ヘラヘラ顔まで消えているじゃないかって。
久し振りに抱いた恐怖だった。
じつをいうと、あの声の「2度目」を聞いたとき、視界の隅っこに男の姿が見えたのである。
しかしその男は階段に、つまり地に足をつけているのではなく、なんとなく、なんとなくだが、宙に浮いている感じがした。
だから、振り向かなかったのだ。
・・・・・おかしいな、シックス・センスなんてなかったはずなのに。
ゲイであろう青年と、ひとちがいの赤い髪の女、そして、幽霊かもしれないオッサン。
いろんなひとに人気あるじゃん自分! と、思うことにしよう。
いいのか、こんなオチで??
※トップ画像は、見せかたが抜群に巧かったホラー映画『女優霊』。
動画は『リング』のエンド・クレジットを。
1作目は、純粋に怖くて面白かったよね。
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明日のコラムは・・・
『ペット、ショップ、ボーイズ』