Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

ハードルは高く

2013-08-25 06:59:10 | コラム
呑む機会がつづく。

家で勝手に呑んでる「ひとり呑み」はともかく、
誰かを誘い/誘われて・・・という頻度が多くなり、日によっては、人気者でもないクセして「どっちの呑みにイエスというべきか」なんて選ぶ立場になっていたりする。

理想の呑みかたというか、そんな関係を築いていたのは映画監督・小津と脚本家の野田高梧。

普遍とユーモアと哀切さえ漂わせる台詞のやりとりを完成させるまでのあいだに、ふたりはいくつもの一升瓶を空にした―と、先日の読売新聞にも記されてあったが、
旅館に閉じこもって酒を呑み、アアデモナイコウデモナイいいながらホンを生み出す、、、なんていう映画の創りかたを現代で実践している作家は居ないだろう、ほんとううらやましい。

じゃあ、やってみればいいじゃん。
自分を信頼する映画監督が居たとして、しかも経済的に「それ」が可能だったとしても、小津と野田のようにはいかないだろう・・・なんてことは、やる前から予想は出来る。
単に呑んで単に酔ってを繰り返し、創作なんか出来やしないと。
分相応をわきまえないと。

だからモノを書くときは、当たり前だがアルコールは入れず、主にブラックコーヒーを「がぶ」飲みしている。

ブラックコーヒーと煙草があれば、いいモノが書けると信じている。

では酒の席でアルコールがあれば、面白いことがいえるのかって話である。

メンバーのなかに「初めて一緒に酒を呑むひと」が居るというシチュエーションで、ほぼ毎回いわれるようになったこと。

「コイツ、面白いヤツでね」
とか、
「話が面白そうだから、いちど呑んでみたかった」
とか。

まぁ褒めてもらっているのだろうが、すっげプレッシャー。
顔合わせた途端にハードル上げられた、、、みたいな。

連日のコラムを面白いと感じているかどうかという問題は別にして、毎日毎日これだけ語っているのだから、会って話しても、きっとコイツは面白いにちがいないという安易っちゃあ安易な発想。

自信がないといったら嘘になるが、ハッタリかませば自分は、あくまでも文人で。

だから実際、ガッカリされることもあった。
主に「対」女子であったが、ことばに詰まった際、

「モノカキなんでしょ!」
とか、
「モノカキなのに、、、」
とか。

わー、立ち直れねぇ。

まだ短小とか早漏といわれたほうがいい。
それもどうかしていると突っ込まれそうだが、実際に短小早漏フニャチンだしね。

うるせーよ。


で、先週―。
おんな3人、+男は自分ひとり、、、という特殊な呑み会に誘われた。
20代女子ひとり、40代女子ふたり、39歳の自分。

4人とも酒が強く喫煙者でエロ話(なぜか、下ネタということばは嫌いだ)は大丈夫という、ひじょうに居心地のいい呑み会であったが、なぜ自分が誘われたのかというと、最年少女子が「まっき~さん、面白そうだから」なんていう。

おおっと。
うれしいが、またもやハードル高いぜと。

仕方なく? ありもしない話術を駆使して喋る。

喋って喋って喋りまくる。

こんなんじゃ、ぜんぜん酔わねーよ。

採点? 結果は―というと、

「面白かった」って。

テーブル叩いたり腹抱えていたので、嘘ではないと思う。

ホッとしたが、まあまあしんどい。

誘われなきゃ誘われないで寂しいクセしてね、酒で築く人間関係って、なかなかに難しい。


※「理想の呑みかた」が、もうひとつあった。
日本版リメイクも創られた『サイドウェイ』(2004)の4人の関係。

こういうのも、いいねぇ。

ヒロイン役のヴァージニア・マドセン―歳を取っても、相変わらず素敵だ。
兄貴のマイケル(=『レザボア・ドッグス』のミスター・ブロンド)も大好きだが、ほんとうに血が繋がっているのかと思う。




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明日のコラムは・・・

『ベネチアに、死す』

コメント (1)
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