ヒトゴトとは思えないニュースがふたつほど報じられているので、そのことについて、自分なりの視点で軽く論じてみたい。
【1】日テレのドラマ『明日、ママがいない』の抗議にまつわるあれこれ
ドラマそのものは観ていない。
可能なかぎり映画を追いかけていたい自分は滅多に連続ドラマを最初から最後まで観ることはなく、観たとしても一昨年は是枝裕和の『ゴーイングマイホーム』(フジ)、去年は園子温の『みんな!エスパーだよ!』(テレ東)、本年は岩井俊二の『なぞの転校生』(テレ東)くらい、つまり映画監督がテレビ演出するときにだけ食指が動くぜと。
ただ脚本「らしきもの」は入手出来たので、1話・2話分だけは読んでみた。
放送開始前の宣伝はなかなかに力が入っていて、よくポスターを見かけた。
脚本監修に野島伸司の名を確認したとき、「あぁカブキモノだからね、今回もカブキ系なのだろうな」なんて想像していた。
馬鹿にしているんじゃない、これはこれで脚本家としての個性であるし。
モノスゴ大雑把にコトの経過をまとめてみると・・・
(1)赤ちゃんポストに預けられていた主人公が「ポスト」というあだ名で呼ばれたりする描写に、熊本市の慈恵病院や全国児童養護施設協議会などが抗議する
(2)日テレは「最後まで観て判断してくれ」、打ち切りはしないと回答
(3)脚本監修・野島伸司の名がサイトから消える
(4)2話目からスポンサー名が告知されなくなり、8社のうち3社のCMがACジャパンに差し替えられる
(5)数日後、さらに2社がCM自粛を表明
(6)慈恵病院、全国児童養護施設協議会が再び抗議
(7)高須クリニック院長がスポンサーとして名乗りをあげる
(8)高須さん断られる
(9)日テレ、番組内容の変更を回答
・・・・・こんな感じかな。
順序は前後しているかもしれないけれど。
職業柄、創り手の肩を持ちたくなる傾向にある―そこだけはちょっと、勘弁してもらいたい。
日テレがいうように「最後まで観て」と思うし、どっかの抗議団体が出してきた「このドラマが与えた悪影響=児童養護施設で育った青年が"死にたい"と漏らした、など」も、悪いけど「ほんとう?」と疑っちゃったし。
野島さんがカブキモノであることは、関係者じゃなくても知っている。
ドラマファンとはいえない自分でも知っている、、、のは、じつは昔、このひとのシナリオ授業(の、ようなもの)を受けたから―なのだった。
(はっきりいえば、クソの役にも立たなかったけれどね!!)
だから多くのひとは「あぁ仕掛けてきたな」と思ったのではないだろうか。
べつにそれを楽しめとはいわないが。
いわないが、最近クレームで白旗という展開が多過ぎるような気がしてね。
ちょっと古いがドキドキして観たヒロスエのCM(トップ画像)も自粛、キノコのCMもすぐ流れなくなったし、「うつ」のCMやバカリズムの変装CMも差し替えられて、なんだかなぁ、、、と。
しまいには、フォアグラ弁当まで販売中止になっちゃった。
まぁCMの場合は「売る」のが目的だから、少数であっても不快に思ったひとが居ればNGにする―というのは分からないでもないが。
ドラマに関しては映画も同じことがいえるが、もうちょっと踏ん張ってほしいな・・・そんな風に思う。
女子高生コンクリート詰め殺人事件のキチガイどもなんて、『金八先生』の主題歌 ♪ がんばれ、がんばれ、みんながんばれ ♪ って歌いながら少女を陵辱したんだぞ、なにが好影響/悪影響を与えるかなんて分かったもんじゃない、そういうことなんじゃないか。
ここまで書いておいていうが、本編も観ていないし、べつに『明日ママ』を応援しているってわけじゃない。
ただただ踏ん張ってほしい、そう思っているだけなのね。
踏ん張ることによって本気度って分かるもんじゃない?
踏ん張らないと「あぁ、その程度の覚悟なのね。安いカブキなのね」って思われてしまうよと。
【2】冷凍食品を製造するアクリフーズで起きた農薬混入事件
この工場(大泉)は、地元の隣町にある。
同級生が工員として働いていて、その実害を受けちゃっているものが複数居るのだった。
そのひとりとメールのやりとりをしているのだが、悲惨過ぎて同情を禁じえない。
未だ生産再開のめどが立たず、工場に行っても数時間で帰されてしまう。
給与の保障も「(法的に)ぎりぎりセーフ」のラインで、それだけでは生活していける状況ではないのだそうだ。
「いまの歳になって、アルバイト情報誌めくるなんてな。昔、アルバイトしながらモノカキ修行を続けるお前を笑ったけど、それのバチがあたったかな」
このメールに、なかなか返信出来なくて困った。
そうだよなぁ、つらいだろうなぁ。
メディアはいつものとおり、まだ容疑者に過ぎぬ男を面白おかしく報じて「ひとりのカブキモノ像」を創り上げている。
それはほんとうかもしれないし、そうでないのかもしれない。
沢山の工場で働いてきたが、農薬持ち込もうと思ったら出来ないことはない作りのところばかり。
だから「死角だらけ」と工場を叩いても始まらないと思うし、そんなこといったら銃器検査のある米国の学校みたいになっちまう。
工場叩くんだったら、まずは働きたいのに働けない工員たちに焦点を当ててほしい。
出荷したものすべてを回収してバラす仕事っつたって、もうそろそろ終わりだろうし、そういう作業って魂抜かれた感じになっちゃいそうだものなぁ・・・・・。
※放送禁止になったCM集…銃を持った少年のカップヌードルCMなんて、いまのやつよりいいけどね
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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』
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明日のコラムは・・・
『ブロンドキャラ10傑』
【1】日テレのドラマ『明日、ママがいない』の抗議にまつわるあれこれ
ドラマそのものは観ていない。
可能なかぎり映画を追いかけていたい自分は滅多に連続ドラマを最初から最後まで観ることはなく、観たとしても一昨年は是枝裕和の『ゴーイングマイホーム』(フジ)、去年は園子温の『みんな!エスパーだよ!』(テレ東)、本年は岩井俊二の『なぞの転校生』(テレ東)くらい、つまり映画監督がテレビ演出するときにだけ食指が動くぜと。
ただ脚本「らしきもの」は入手出来たので、1話・2話分だけは読んでみた。
放送開始前の宣伝はなかなかに力が入っていて、よくポスターを見かけた。
脚本監修に野島伸司の名を確認したとき、「あぁカブキモノだからね、今回もカブキ系なのだろうな」なんて想像していた。
馬鹿にしているんじゃない、これはこれで脚本家としての個性であるし。
モノスゴ大雑把にコトの経過をまとめてみると・・・
(1)赤ちゃんポストに預けられていた主人公が「ポスト」というあだ名で呼ばれたりする描写に、熊本市の慈恵病院や全国児童養護施設協議会などが抗議する
(2)日テレは「最後まで観て判断してくれ」、打ち切りはしないと回答
(3)脚本監修・野島伸司の名がサイトから消える
(4)2話目からスポンサー名が告知されなくなり、8社のうち3社のCMがACジャパンに差し替えられる
(5)数日後、さらに2社がCM自粛を表明
(6)慈恵病院、全国児童養護施設協議会が再び抗議
(7)高須クリニック院長がスポンサーとして名乗りをあげる
(8)高須さん断られる
(9)日テレ、番組内容の変更を回答
・・・・・こんな感じかな。
順序は前後しているかもしれないけれど。
職業柄、創り手の肩を持ちたくなる傾向にある―そこだけはちょっと、勘弁してもらいたい。
日テレがいうように「最後まで観て」と思うし、どっかの抗議団体が出してきた「このドラマが与えた悪影響=児童養護施設で育った青年が"死にたい"と漏らした、など」も、悪いけど「ほんとう?」と疑っちゃったし。
野島さんがカブキモノであることは、関係者じゃなくても知っている。
ドラマファンとはいえない自分でも知っている、、、のは、じつは昔、このひとのシナリオ授業(の、ようなもの)を受けたから―なのだった。
(はっきりいえば、クソの役にも立たなかったけれどね!!)
だから多くのひとは「あぁ仕掛けてきたな」と思ったのではないだろうか。
べつにそれを楽しめとはいわないが。
いわないが、最近クレームで白旗という展開が多過ぎるような気がしてね。
ちょっと古いがドキドキして観たヒロスエのCM(トップ画像)も自粛、キノコのCMもすぐ流れなくなったし、「うつ」のCMやバカリズムの変装CMも差し替えられて、なんだかなぁ、、、と。
しまいには、フォアグラ弁当まで販売中止になっちゃった。
まぁCMの場合は「売る」のが目的だから、少数であっても不快に思ったひとが居ればNGにする―というのは分からないでもないが。
ドラマに関しては映画も同じことがいえるが、もうちょっと踏ん張ってほしいな・・・そんな風に思う。
女子高生コンクリート詰め殺人事件のキチガイどもなんて、『金八先生』の主題歌 ♪ がんばれ、がんばれ、みんながんばれ ♪ って歌いながら少女を陵辱したんだぞ、なにが好影響/悪影響を与えるかなんて分かったもんじゃない、そういうことなんじゃないか。
ここまで書いておいていうが、本編も観ていないし、べつに『明日ママ』を応援しているってわけじゃない。
ただただ踏ん張ってほしい、そう思っているだけなのね。
踏ん張ることによって本気度って分かるもんじゃない?
踏ん張らないと「あぁ、その程度の覚悟なのね。安いカブキなのね」って思われてしまうよと。
【2】冷凍食品を製造するアクリフーズで起きた農薬混入事件
この工場(大泉)は、地元の隣町にある。
同級生が工員として働いていて、その実害を受けちゃっているものが複数居るのだった。
そのひとりとメールのやりとりをしているのだが、悲惨過ぎて同情を禁じえない。
未だ生産再開のめどが立たず、工場に行っても数時間で帰されてしまう。
給与の保障も「(法的に)ぎりぎりセーフ」のラインで、それだけでは生活していける状況ではないのだそうだ。
「いまの歳になって、アルバイト情報誌めくるなんてな。昔、アルバイトしながらモノカキ修行を続けるお前を笑ったけど、それのバチがあたったかな」
このメールに、なかなか返信出来なくて困った。
そうだよなぁ、つらいだろうなぁ。
メディアはいつものとおり、まだ容疑者に過ぎぬ男を面白おかしく報じて「ひとりのカブキモノ像」を創り上げている。
それはほんとうかもしれないし、そうでないのかもしれない。
沢山の工場で働いてきたが、農薬持ち込もうと思ったら出来ないことはない作りのところばかり。
だから「死角だらけ」と工場を叩いても始まらないと思うし、そんなこといったら銃器検査のある米国の学校みたいになっちまう。
工場叩くんだったら、まずは働きたいのに働けない工員たちに焦点を当ててほしい。
出荷したものすべてを回収してバラす仕事っつたって、もうそろそろ終わりだろうし、そういう作業って魂抜かれた感じになっちゃいそうだものなぁ・・・・・。
※放送禁止になったCM集…銃を持った少年のカップヌードルCMなんて、いまのやつよりいいけどね
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明日のコラムは・・・
『ブロンドキャラ10傑』