でぃずにーえい「が」→「が」んばっていきまっしょい
♪ フレッシュ、フレッシュ、フレッシュ
夏の扉を開けて、あたしをどこか連れて行って ♪
(松田聖子『夏の扉』より)
フレッシュ(fresh)…新鮮なさま。新しく生き生きとしているさま。
大根でもいい。
作品のテーマや物語に、演技力が追いついていなくてもいい。
それがフレッシュな魅力という特権。
デビューしたての映画俳優だけに許された「フレッシュ」は才能。(うん、これもまた立派な才能だと思う)
『時をかける少女』(83)の、原田知世の下手さ加減といったらどうだろう。
宮崎あおいだって、『EUREKA』(2000)のころは、たしかに眼力はあったが「けっして上手ではなかった」。
それでよいし、いや、それだからこそ、よかった。
新人俳優が「巧過ぎても、困る」というのもおかしな話だが、要はヘタッピ・棒読みの上をいくフレッシュさがあればいい、、、そういうわけである。
『がんばっていきまっしょい』(98)の、田中麗奈もそんなひとりだろう。
田中麗奈も現在33歳、すでに中堅女優のひとりだが、純朴なイメージから脱却するのに苦労したらしい。
「いまっぽさ」がありそうでなかった子だからね、デビュー時はそれが有効でも、長く俳優生活をやっていると、そのイメージが足枷になってしまうものなのかもしれない。
でもいまは、なんでもこなせる女優になりましたね。
イメージとは遠い、性悪女とか見てみたいけれど。
坊っちゃん文学賞を受賞した原作を映画化した『がんばっていきまっしょい』は、周防正行が得意としていた「僕たち(私たち)、こんな部活やってみました」的な物語の流行を作ったとされており、
実際、このあとに『ウォーターボーイズ』(2001)や『スウィングガールズ』(2004)が制作されている。
タイトルは、舞台となった愛媛・松山市の高校で使用されていた「気合のかけかた」であり、
代表が「がんばっていきまっしょい!」と発したあと、全員で「しょい!!」というのが基本らしい。
田中麗奈ちゃんたち(野暮ったい)女子高生が取り組むのは、ボート競技。
映画ファンであれば麗奈ちゃんだけでなく、部員のひとりを演じる真野きりなにも注目したい。
塚本晋也やピーター・グリーナウェイにも起用された「鬼才に気に入られる」女優だったはずなのに、現在は俳優休業中だという。
上野樹里より(結果的に)目立っていた貫地谷しほりじゃないけれど、もっともっと飛躍出来る可能性があったのになぁ、、、。
でっかい大会があるわけではない。
だからクライマックスといっても、大きなカタルシスが待っているわけでもない。
けれども、多くのひとが経験したであろう「社会的には小さなこと、あたし的には(けっこう)大きなこと」として青春を切り取り、鑑賞後にさわやかな後味を残してくれる。
それが口コミで広がり、この映画はそこそこのスマッシュヒットを記録した。
ボート部コーチ役は、子役からスタートし「下手でも許される」期間などなかった中嶋朋子。
そして、これがいちばん意外だったのだが、麗奈ちゃんのパパ役に白竜。
この映画の白竜さん、アイロンをかけているだけで、銃も持たないしバカヤロウなんて野蛮な台詞も吐かない。
このひとを起用した磯村一路監督は、なかなかのセンスの持ち主なんじゃないだろうか。
周防監督と磯村監督、出身はピンク映画、寡作のひと・・・という共通点を持っている。
若者を捉えるのが抜群に巧い監督たちなので、もっともっとさわやかな青春映画を撮ってほしいなぁ。
あすのしりとりは・・・
がんばっていきまっしょ「い」→「い」んでぃじょーんず。
…………………………………………
本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『シネマしりとり「薀蓄篇」(68)』
♪ フレッシュ、フレッシュ、フレッシュ
夏の扉を開けて、あたしをどこか連れて行って ♪
(松田聖子『夏の扉』より)
フレッシュ(fresh)…新鮮なさま。新しく生き生きとしているさま。
大根でもいい。
作品のテーマや物語に、演技力が追いついていなくてもいい。
それがフレッシュな魅力という特権。
デビューしたての映画俳優だけに許された「フレッシュ」は才能。(うん、これもまた立派な才能だと思う)
『時をかける少女』(83)の、原田知世の下手さ加減といったらどうだろう。
宮崎あおいだって、『EUREKA』(2000)のころは、たしかに眼力はあったが「けっして上手ではなかった」。
それでよいし、いや、それだからこそ、よかった。
新人俳優が「巧過ぎても、困る」というのもおかしな話だが、要はヘタッピ・棒読みの上をいくフレッシュさがあればいい、、、そういうわけである。
『がんばっていきまっしょい』(98)の、田中麗奈もそんなひとりだろう。
田中麗奈も現在33歳、すでに中堅女優のひとりだが、純朴なイメージから脱却するのに苦労したらしい。
「いまっぽさ」がありそうでなかった子だからね、デビュー時はそれが有効でも、長く俳優生活をやっていると、そのイメージが足枷になってしまうものなのかもしれない。
でもいまは、なんでもこなせる女優になりましたね。
イメージとは遠い、性悪女とか見てみたいけれど。
坊っちゃん文学賞を受賞した原作を映画化した『がんばっていきまっしょい』は、周防正行が得意としていた「僕たち(私たち)、こんな部活やってみました」的な物語の流行を作ったとされており、
実際、このあとに『ウォーターボーイズ』(2001)や『スウィングガールズ』(2004)が制作されている。
タイトルは、舞台となった愛媛・松山市の高校で使用されていた「気合のかけかた」であり、
代表が「がんばっていきまっしょい!」と発したあと、全員で「しょい!!」というのが基本らしい。
田中麗奈ちゃんたち(野暮ったい)女子高生が取り組むのは、ボート競技。
映画ファンであれば麗奈ちゃんだけでなく、部員のひとりを演じる真野きりなにも注目したい。
塚本晋也やピーター・グリーナウェイにも起用された「鬼才に気に入られる」女優だったはずなのに、現在は俳優休業中だという。
上野樹里より(結果的に)目立っていた貫地谷しほりじゃないけれど、もっともっと飛躍出来る可能性があったのになぁ、、、。
でっかい大会があるわけではない。
だからクライマックスといっても、大きなカタルシスが待っているわけでもない。
けれども、多くのひとが経験したであろう「社会的には小さなこと、あたし的には(けっこう)大きなこと」として青春を切り取り、鑑賞後にさわやかな後味を残してくれる。
それが口コミで広がり、この映画はそこそこのスマッシュヒットを記録した。
ボート部コーチ役は、子役からスタートし「下手でも許される」期間などなかった中嶋朋子。
そして、これがいちばん意外だったのだが、麗奈ちゃんのパパ役に白竜。
この映画の白竜さん、アイロンをかけているだけで、銃も持たないしバカヤロウなんて野蛮な台詞も吐かない。
このひとを起用した磯村一路監督は、なかなかのセンスの持ち主なんじゃないだろうか。
周防監督と磯村監督、出身はピンク映画、寡作のひと・・・という共通点を持っている。
若者を捉えるのが抜群に巧い監督たちなので、もっともっとさわやかな青春映画を撮ってほしいなぁ。
あすのしりとりは・・・
がんばっていきまっしょ「い」→「い」んでぃじょーんず。
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『シネマしりとり「薀蓄篇」(68)』