Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

なかなか次男で走れない

2014-02-19 00:30:06 | コラム
新しい自転車を購入した。
交通事故の示談金で。

もう17台(代)目である。

愛車を買い換えるのは、だいたい3~4年にいちど。
古いほうのチャリは友人知人に譲るのが常だが、前代は「そこそこ」高額であったので売ったり譲ったりしないことにした。
そんなわけで古いほうを長男、新しいほうを次男と呼んでいる。

しかし、である。
2週連続の大雪のため、次男を自慢したいのにそれが出来ない。
怪我したばっかりのヤツがいうのも懲りていなさそうでイヤなのだが・・・正直な話、自分の身体よりもチャリのほうが大事なのである。

再び骨が折れることと、生まれたばかりの長男に傷がつくこと―それを比較すると、後者のほうが「より」苦痛なのだ。

だからタイトルのとおり、なかなか次男で走れない。
走れないから汚れない。
汚れていないのに、毎日ゴシゴシと車体を磨く日々。

阿呆か?

まぁそうなのだけれども。。。


さて。
骨も完全につながり、交通事故の加害者とのやりとりも終わった。
ので、プライバシーの配慮をしつつ、「可能なかぎり」事故の顛末について記しておきたい。


昨年の12月15日、午前10時20分―。

横浜から自宅の町田に帰還するため、自分は16号(八王子街道)を走っていた。
煙草を買いたかったので、途中でコンビニに寄る。
だから通常は車道を走っているが、このときは歩道に居たわけだ。

進行方向(もちろん左車線)の信号は、赤。
すぐに大通りに出るからと、50mほど右側の歩道をゆっくり運転しようと思い、青信号の横断歩道を、ゆっくり、それはそれは、ほんとうに「ゆーーーーーーーーーーーーーーーーーーっくり」渡った。

そして。
渡り切る直前に、左折してきた自動車に衝突した、、、と。

チャリの前輪が自動車に当たった感じだから、チャリ大破の悲劇だけは免れた。

自身はというと、ほとんど癖になっている柔道の受け身で身体を守ったつもり―であったが、アスファルトだし、そこそこの衝撃を与え、結果、骨を3本やってしまったというわけ。


青信号。
横断歩道。
誰かさん? みたいに、チョコマカ車線変更するチャリダーでもないから、完全に10-0であり、こっちに非はない。


交通事故は2度目。
前回は10年くらい前で、相手はアルソックの警備員だった。
そのときは怪我なし、チャリも無傷、ただ買ったばかりの携帯電話だけがお釈迦になった。
さすがは大企業である、「最新の携帯電話、それから無傷とはいいますが、新しい自転車を買ってください」と、多めの示談金と菓子折りを持ってきた。

ちょっと当たり屋になった気分でこころが痛んだが、格好いいチャリを買ってゴキゲンに乗り回したのだった。


今回の相手は・・・。

若造で、事故が初めてという。
つまり、対処していく知識がない。

自分は、というと。
寒いし、ここは横浜だし、この時点で骨折しているとは思っていないので、早く帰りたい。

「早いとこ、済まそう」―ふたりの意見が一致し、その場で金銭交渉を始めたのである。

「膝から流血してるけど、怪我はしょっちゅうなので気にしません。自転車をメンテナンスに出したいので、その費用くらいでいいですよ」

我ながらオヒトヨシだとは思うが、ほんとうにそれでよかったのだ。

しかし、そのやりとりを見ていた歩行者が警察に通報、ここから話がややこしくなっていく。

「交通」は、すぐ来たが、加害者を隅のほうにつれていきゴニョゴニョと内緒話を始めている。
実況見分と思い込んでいたが、そうではなかったことが、その数分後に明らかとなる。

「交通」の、たぶんいちばんえらいひとが自分に近づいてきて、こう発したのである。

「あのー、ぶっちゃけていいますね。彼、我々の仲間なんです」

へ?

おまわりさんってこと?

「警察官が交通事故を起こした際、厳罰に処せられることはご存知ですか」
「はい、知ってます」
「そこで、ですね。私どもは、あなたさまの膝から血が出ているところを見ています。ですから人身事故として処理していくのが常識ではありますが、あなたさまは、それはいい、自転車さえ直してくれれば・・・と仰っている。間違いありませんか」
「えぇ、そうです」
「我々は物損としてこれを処理する、あとは、あなたさまと彼が話し合っていただく、、、そういう流れで問題ありませんか」
「えぇ、いいですよ。しかし・・・マジでおまわりさんなんですか?」
「えぇ、成り立てです。ボーっとしていたと告白しています」
「ボーっと、、、ねぇ(苦笑)」


というわけで、この日は無傷であった彼(加害者)の車に強引にチャリを積み、緊張が解け切らない彼の運転によって自宅まで送ってもらった―これはこれで、恐怖―のである。
とりあえず、連絡先だけ交換して。

正直、胸が痛かった。
いやハートの話ではないよ、ボディの話。
そりゃそうだ、肋骨3本やっているのだもの。

しかしいろんな部位を怪我しているものの、肋骨の痛みは未経験だった。
だから「転倒したあとの痛みなんて、こんなものだろう。風呂に浸かって数日休めば、元通りになるさ」なんて思っていた。

けれども翌日、痛みはひどくなっていた。
ここでようやく、病院に行く気になったのである。

受付17時までの総合病院に、16時55分に駆け込む自分。
しかも初診、さらには交通事故だから保険使えないのに。

「心拍数、異常に高いですね。走ってこられました?」
「いえ、すいません、ちょっと呑んでまして」
「ですよね? だから余計に痛むんですよ」

怒られてやんの。

「あー、肋骨3本いってます」
「3本、ですか」
「3本やると、ふつう、もっと痛がるものですがね。なにかスポーツでもされているんですか」

褒められてやんの。
(ちがうか)

受診結果を加害者に知らせると、1時間後に電話があり、あす朝いちばんでお見舞いに伺いたいという。

骨折の事実を知らされた時点で気持ちが萎えて、ゆっくり休みたがる自分は「ほんとうは寝ていたいんですけれどね」と返すが、相手はどうしてもと譲らない。
なんのことはない、早いとこ示談に持ち込みたかったのである。

それは分かっていたのだが。

肋骨3本の骨折にしては、やや多い示談金。
通常の金額に「おまわりさんだから」という理由で上乗せしたのだと思われる。

その大金を目にすると、やはり目がくらんでしまうわけで。。。

そうして、示談が成立したのである。


馬鹿っちゃあ馬鹿だが、ジョディ・フォスターの名言を借りて自分の思いを述べておきたい。

後遺症などの不安も残るが、いまのところ「大丈夫そう」だし、
もし後悔が生じたとしても、それは自分で決めたことだから。

そう、ジョディは「自分のやりかたで失敗、後悔したい。他人のやりかたはイヤ」といっている。


自賠責を介さないやりかたは危険だが、後悔するのは自分。

これでいいのだ。

新しいチャリも買えたし。(そこかい!!)


※みんな若いぜ!!




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明日のコラムは・・・

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コメント (3)
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