Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(193)

2017-01-13 00:10:00 | コラム
いか「り」→「り」めいく。

re-make。
古典、、、にかぎらないが、過去の作品を新たな視点で創り直す作業。

古典であればあるほどファンが存在し、その多くがリメイクに否定的である。

分かるっちゃあ、分かる。

どっちの気持ちもね。

「あの一本で充分」とファンは思い、「あれを超えたい」と創り手は思うわけだから。

しかし残念なことに。
後者の願いが叶うことは、あまりない。
どうしたって「やっぱりオリジナルがよかった」ということになるのだった。

去年―米国では新解釈の『ベン・ハー』が公開され、批評・興行の面で「大」惨敗。
それを受けてか、日本では劇場公開の予定が立たず、なんと、そーとーな大作のはずなのに「未公開のままブルーレイ発売」が決定してしまった。


まもなく公開される『マグニフィセント・セブン』(トップ画像)は、『七人の侍』(54)、、、ではなく『荒野の七人』(60)のリメイク。

期待しているひとも居ると思うので「控えめに?」いうが、及第点以下の出来だと思う。

映画ファンが望む結末に辿り着かない、というのが致命的なのではないか。

・・・じつはこれでも「控えめ」なんです苦笑
(その昔、ケビン・コスナーやシュワ氏などを揃えたオールスターキャストで、このリメイクが創られるっていうニュースもあった。むしろ、そっちなら純粋に楽しめたのかも)


こういうのがつづくと、そりゃあ「リメイクや続編、原作モノばかり」って批判もされちゃいますわな。


とはいえ。
自分は監督至上主義の映画小僧なので、可能なかぎり映画監督に寄り添いたい。

撮りたいと「思ってしまった」ら、「撮らざるを得ない」―それが、映画監督の性なんだもの。


では。
一般的に評価の高い、リメイク映画とはどんなものか。


『追いつめられて』(87)=オリジナルは48年の『大時計』

『スカーフェイス』(83)=オリジナルは31年の『暗黒街の顔役』




『ケープ・フィアー』(91)=オリジナルは62年の『恐怖の岬』

『トゥルー・グリット』(2010)=オリジナルは69年の『勇気ある追跡』


うん、概ね納得。

逆にダメだった作品は・・・って挙げようと思ったが切りがないのでやめておく。

ただ、自分の「ひいきの監督でもリメイクはうまくいかなかった」という例として、ガス・ヴァン・サント版の『サイコ』(98)についてだけ、少し言及しておこう。

構図や編集スタイルも、ほとんどヒッチコック版(60)と一緒。

「敢えて」選んだ演出とはいえ、ちがいはカラーであることと、ノーマン・ベイツの自慰シーンがあることくらい。

けっしてつまらなくはないけれど、劇場公開作というより、学生の「よく出来た」習作のように思えてしまい、うーーむ。となってしまった。


あすのしりとりは・・・
りめい「く」→「く」らいまっくす。

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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(194)』
コメント
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