50年3月11日生まれ・66歳。
愛知出身。
公式プロフィール
1時間くらい街を歩いていたら、似たようなおじさんを複数見かける、、、みたいな。
俳優としては「まあまあ」個性的、でもじつは「よく居るタイプ」のおじさん―これだけ取ってみても、俳優の世界がいかに「ふつうでない」か、ということが分かりますよね。
銀幕には美男美女が必要不可欠かもしれませんが、それだけではドラマは成り立ちません。
だからこそ渡辺哲(わたなべ・てつ)さんのような、じつは「ふつうのおじさん」が重宝される。
北野武の映画で哲さんの存在に気づいたというひとも多いようですが、黒澤にも「顔」が気に入られて2度ほど晩年の黒澤映画に参加しています。
そして、今週末公開の『沈黙』にも!!
繰り返しますが「ふつうな感じ」がするため、俳優業だけで喰えるようになるには時間を要しました。
副業としてのアルバイトを脱するのは、なんと40歳を過ぎてからだったそうです。
そういう背景を知ったうえで、『ヒミズ』(2012)の台詞「あの子に未来を託したいんだ!」を聞くと、自分なんかは、もうそれだけで涙してしまいます。
<経歴>
柔道は二段。
双子の息子さんが居て、兄は俳優の本多英一郎、弟はプロレスラーのアントーニオ本多。
75年、劇団シェイクスピア・シアターの旗揚げに参加。
創り手側に回りたかったそうですが、俳優をやったほうがいいと口説かれ、裏方と俳優の両方を担当する。
映画俳優デビュー作は、85年の黒澤作品『乱』。
ここだけを切り取ると、ひじょうに恵まれたキャリアなんですけれどね。
林海象による愛すべき小品『夢みるように眠りたい』(86)、『二十世紀少年読本』(89)。
91年、オーディションを経て豪州映画『アンボンで何が裁かれたか』に出演、これをきっかけにオファーが増えていきます。
北野組として・・・
『あの夏、いちばん静かな海。』(91)、『ソナチネ』(93)、『HANA-BI』(98)、『TAKESHI’S』(2005)、『監督・ばんざい!』(2007)に出演。
『HANA-BI』の、「がんばれよ、銀行強盗!」は笑えますよね。
伊丹十三の『ミンボーの女』(92)、『大病人』(93)、『静かな生活』(95)、『マルタイの女』(97)。
黒澤の遺作、『まあだだよ』(93)。
いちど起用したら、「もういちど…」と思わせる俳優さんなんでしょうね。
こうして「ふつうを演じられる」才能が、90年代に開花することになりました。
『愛について、東京』(93)
『難波金融伝・ミナミの帝王』(93)
『虹の橋』(93)
『怖がる人々』(94)
『大坂極道戦争 しのいだれ』(94)
『夜がまた来る』(94)
『愛の新世界』(94)
『ガメラ 大怪獣空中決戦』(95)
『眠る男』(96)
『スワロウテイル』(96)
『弾丸ランナー』(96)
『誘拐』(97)
『借王』(97)
『現代任侠伝』(97)
『絆―きずな―』(98)
『英二』(99)
『日本黒社会 LEY LINES』(99)
2000年代に入ると、その安定感によりテレビドラマへの出演も増えます。
この数年前までアルバイトしていたなんて、人生はほんとうに分からないなぁ、、、と。
『いちげんさん』(2000)、『親分はイエス様』(2001)、『青の炎』(2003)、『東京原発』(2003)、『草の乱』(2004)、
『タッチ』(2005)、『県庁の星』(2006)、『小さき勇者たち~ガメラ~』(2006)、『嫌われ松子の一生』(2006)、『ララピポ』(2009)、『インスタント沼』(2009)。
『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』(2010)、『冷たい熱帯魚』(2011)、『ヒミズ』、『地獄でなぜ悪い』(2013)、『土竜の唄 潜入捜査官REIJI』(2014)、『偉大なる、しゅららぼん』(2014)、『蜩ノ記』(2014)、『シン・ゴジラ』(2016)、そして最新作が『沈黙』です。
「そういうことも、起こり得る」時代なので、いつか「単独の主演作」が創られることを願っています。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『にっぽん男優列伝(355)渡部篤郎』
愛知出身。
公式プロフィール
1時間くらい街を歩いていたら、似たようなおじさんを複数見かける、、、みたいな。
俳優としては「まあまあ」個性的、でもじつは「よく居るタイプ」のおじさん―これだけ取ってみても、俳優の世界がいかに「ふつうでない」か、ということが分かりますよね。
銀幕には美男美女が必要不可欠かもしれませんが、それだけではドラマは成り立ちません。
だからこそ渡辺哲(わたなべ・てつ)さんのような、じつは「ふつうのおじさん」が重宝される。
北野武の映画で哲さんの存在に気づいたというひとも多いようですが、黒澤にも「顔」が気に入られて2度ほど晩年の黒澤映画に参加しています。
そして、今週末公開の『沈黙』にも!!
繰り返しますが「ふつうな感じ」がするため、俳優業だけで喰えるようになるには時間を要しました。
副業としてのアルバイトを脱するのは、なんと40歳を過ぎてからだったそうです。
そういう背景を知ったうえで、『ヒミズ』(2012)の台詞「あの子に未来を託したいんだ!」を聞くと、自分なんかは、もうそれだけで涙してしまいます。
<経歴>
柔道は二段。
双子の息子さんが居て、兄は俳優の本多英一郎、弟はプロレスラーのアントーニオ本多。
75年、劇団シェイクスピア・シアターの旗揚げに参加。
創り手側に回りたかったそうですが、俳優をやったほうがいいと口説かれ、裏方と俳優の両方を担当する。
映画俳優デビュー作は、85年の黒澤作品『乱』。
ここだけを切り取ると、ひじょうに恵まれたキャリアなんですけれどね。
林海象による愛すべき小品『夢みるように眠りたい』(86)、『二十世紀少年読本』(89)。
91年、オーディションを経て豪州映画『アンボンで何が裁かれたか』に出演、これをきっかけにオファーが増えていきます。
北野組として・・・
『あの夏、いちばん静かな海。』(91)、『ソナチネ』(93)、『HANA-BI』(98)、『TAKESHI’S』(2005)、『監督・ばんざい!』(2007)に出演。
『HANA-BI』の、「がんばれよ、銀行強盗!」は笑えますよね。
伊丹十三の『ミンボーの女』(92)、『大病人』(93)、『静かな生活』(95)、『マルタイの女』(97)。
黒澤の遺作、『まあだだよ』(93)。
いちど起用したら、「もういちど…」と思わせる俳優さんなんでしょうね。
こうして「ふつうを演じられる」才能が、90年代に開花することになりました。
『愛について、東京』(93)
『難波金融伝・ミナミの帝王』(93)
『虹の橋』(93)
『怖がる人々』(94)
『大坂極道戦争 しのいだれ』(94)
『夜がまた来る』(94)
『愛の新世界』(94)
『ガメラ 大怪獣空中決戦』(95)
『眠る男』(96)
『スワロウテイル』(96)
『弾丸ランナー』(96)
『誘拐』(97)
『借王』(97)
『現代任侠伝』(97)
『絆―きずな―』(98)
『英二』(99)
『日本黒社会 LEY LINES』(99)
2000年代に入ると、その安定感によりテレビドラマへの出演も増えます。
この数年前までアルバイトしていたなんて、人生はほんとうに分からないなぁ、、、と。
『いちげんさん』(2000)、『親分はイエス様』(2001)、『青の炎』(2003)、『東京原発』(2003)、『草の乱』(2004)、
『タッチ』(2005)、『県庁の星』(2006)、『小さき勇者たち~ガメラ~』(2006)、『嫌われ松子の一生』(2006)、『ララピポ』(2009)、『インスタント沼』(2009)。
『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』(2010)、『冷たい熱帯魚』(2011)、『ヒミズ』、『地獄でなぜ悪い』(2013)、『土竜の唄 潜入捜査官REIJI』(2014)、『偉大なる、しゅららぼん』(2014)、『蜩ノ記』(2014)、『シン・ゴジラ』(2016)、そして最新作が『沈黙』です。
「そういうことも、起こり得る」時代なので、いつか「単独の主演作」が創られることを願っています。
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明日のコラムは・・・
『にっぽん男優列伝(355)渡部篤郎』