映画内映画、というものをいくつか挙げてみようか。
映画のなかで登場人物が、映画館で映画を観ているシーンがある映画、、、ということ。
『ケープ・フィアー』(91)
デ・ニーロが葉巻を吸って観ている。
質の悪いB級映画で、台詞を聞いていると「サヨナラ!」なんていうのも出てくる。
『トゥルー・ロマンス』(93)
クラレンスとアラバマが出会うのは、映画館だった。
クラレンスが観ているのは、サニー千葉のアクション映画。
『ツイスター』(96)
吹き飛ばされるドライブ・イン・シアターのスクリーンには、『シャイニング』(80)が映っていた。
『桐島、部活やめるってよ』(2012)
前田くんが観に行ったミニシアターで、『鉄男』(89)が上映されていた。
偶然居合わせた、かすみちゃん曰く「マニアックな映画」だそうで笑
自分が映画監督だとしたら、自作でなにを流すか?
『タクシードライバー』(76)?
いやいや、そんなベタなマネはしないよ。
一般的に知られていない作品や、忘れられた名作を流したいよね。
さて、初めての映画デート。
というか、生まれて初めてのデートが映画だった。
高校2年の冬。
40kgの減量に成功し、一瞬だけモテた・・・いや本当だって、一瞬だけ。
といっても、向こうからどうこうしてくるわけではなく、こっちからアプローチしてのことだけど。
不器用なりに告白し、スマートとはいえない感じで交際が始まる。
身体中から放出される「やりたい光線」をなんとか食い止め、映画に誘う。
(きのうのコラムで「自分から映画デートには誘わない」と記したが、これが最初で最後だったと記憶する)
相手は、同じ学校のSちゃん。
同級生だがクラスはちがい、ほとんど話したこともなかった。
なかったが、通学中によく見かけていて、いいな、、、と思っていた子だった。
Sちゃんはコンビニのアルバイトをしていて、バイト帰りに待ち伏せし、恋文を渡したのである。
映画は『フィールド・オブ・ドリームス』(89)、ケビン・コスナーが絶頂期のころに主演した大人のファンタジー。
モノスゴ大雑把にいえば・・・
「天の声」を聞いた主人公が、トウモロコシ畑を潰して野球場を作ったら、いろんな亡霊が出現して、最終的にパパに会えた・・・という物語。
原作もいいが、この物語に説得性を与えるのは「むしろ」映像の力のほうで、だから、映画ならではの創造性に富んだ傑作なんじゃないかと。
当時、自分は映画館でバイトをしていて、この作品も上映されていた。
されていたし、自分は2度も観ていた。
2度観たうえで、「これがいい!」と思ったのである。
自分がバイトしている映画館で映画デート?
まさか。
館林から前橋まで遠征? し、自分なりに特別感を作った。
上映開始。
なんとなく、そう出来そうな気がしたので、手を握ってみる。
・・・・・。
うん、彼女は拒否しなかった。
ふぅえがった。
いまほど乾燥肌じゃなかったからね、そこいらへんは積極的にいけた。
上映終了。
いいものは、3度観てもいいなぁ! と感慨に浸る。
しかしSちゃんは、ピンとこない顔をしていた。
「面白くなかった?」
「・・・なんか、よく、分からなかった」
ダメな男子だと思うが、この感想だけで冷めてしまった。
冷めたとしても、その日くらいは、頑張って楽しいデートをつづけようとするものじゃない?
けれども、それが出来なかった。
そのあと、ご飯を食べたのだが、なんーーーんも面白くなかった。
たぶん、Sちゃんもそうだったはずで。
だから、そのまま自然消滅してしまったのである。
悪いのは、自分のほうだったなぁと。
こういうのを10回以上繰り返し、楽しいデートを展開出来るテクニックを身につけました・・・と、自己弁護しておこう。
おわり。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『無視しているわけでは、ありませんの。』
映画のなかで登場人物が、映画館で映画を観ているシーンがある映画、、、ということ。
『ケープ・フィアー』(91)
デ・ニーロが葉巻を吸って観ている。
質の悪いB級映画で、台詞を聞いていると「サヨナラ!」なんていうのも出てくる。
『トゥルー・ロマンス』(93)
クラレンスとアラバマが出会うのは、映画館だった。
クラレンスが観ているのは、サニー千葉のアクション映画。
『ツイスター』(96)
吹き飛ばされるドライブ・イン・シアターのスクリーンには、『シャイニング』(80)が映っていた。
『桐島、部活やめるってよ』(2012)
前田くんが観に行ったミニシアターで、『鉄男』(89)が上映されていた。
偶然居合わせた、かすみちゃん曰く「マニアックな映画」だそうで笑
自分が映画監督だとしたら、自作でなにを流すか?
『タクシードライバー』(76)?
いやいや、そんなベタなマネはしないよ。
一般的に知られていない作品や、忘れられた名作を流したいよね。
さて、初めての映画デート。
というか、生まれて初めてのデートが映画だった。
高校2年の冬。
40kgの減量に成功し、一瞬だけモテた・・・いや本当だって、一瞬だけ。
といっても、向こうからどうこうしてくるわけではなく、こっちからアプローチしてのことだけど。
不器用なりに告白し、スマートとはいえない感じで交際が始まる。
身体中から放出される「やりたい光線」をなんとか食い止め、映画に誘う。
(きのうのコラムで「自分から映画デートには誘わない」と記したが、これが最初で最後だったと記憶する)
相手は、同じ学校のSちゃん。
同級生だがクラスはちがい、ほとんど話したこともなかった。
なかったが、通学中によく見かけていて、いいな、、、と思っていた子だった。
Sちゃんはコンビニのアルバイトをしていて、バイト帰りに待ち伏せし、恋文を渡したのである。
映画は『フィールド・オブ・ドリームス』(89)、ケビン・コスナーが絶頂期のころに主演した大人のファンタジー。
モノスゴ大雑把にいえば・・・
「天の声」を聞いた主人公が、トウモロコシ畑を潰して野球場を作ったら、いろんな亡霊が出現して、最終的にパパに会えた・・・という物語。
原作もいいが、この物語に説得性を与えるのは「むしろ」映像の力のほうで、だから、映画ならではの創造性に富んだ傑作なんじゃないかと。
当時、自分は映画館でバイトをしていて、この作品も上映されていた。
されていたし、自分は2度も観ていた。
2度観たうえで、「これがいい!」と思ったのである。
自分がバイトしている映画館で映画デート?
まさか。
館林から前橋まで遠征? し、自分なりに特別感を作った。
上映開始。
なんとなく、そう出来そうな気がしたので、手を握ってみる。
・・・・・。
うん、彼女は拒否しなかった。
ふぅえがった。
いまほど乾燥肌じゃなかったからね、そこいらへんは積極的にいけた。
上映終了。
いいものは、3度観てもいいなぁ! と感慨に浸る。
しかしSちゃんは、ピンとこない顔をしていた。
「面白くなかった?」
「・・・なんか、よく、分からなかった」
ダメな男子だと思うが、この感想だけで冷めてしまった。
冷めたとしても、その日くらいは、頑張って楽しいデートをつづけようとするものじゃない?
けれども、それが出来なかった。
そのあと、ご飯を食べたのだが、なんーーーんも面白くなかった。
たぶん、Sちゃんもそうだったはずで。
だから、そのまま自然消滅してしまったのである。
悪いのは、自分のほうだったなぁと。
こういうのを10回以上繰り返し、楽しいデートを展開出来るテクニックを身につけました・・・と、自己弁護しておこう。
おわり。
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明日のコラムは・・・
『無視しているわけでは、ありませんの。』