Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

初体験 リッジモント・ハイ(208)

2017-01-10 11:01:59 | コラム
映画内映画、というものをいくつか挙げてみようか。

映画のなかで登場人物が、映画館で映画を観ているシーンがある映画、、、ということ。


『ケープ・フィアー』(91)

デ・ニーロが葉巻を吸って観ている。



質の悪いB級映画で、台詞を聞いていると「サヨナラ!」なんていうのも出てくる。

『トゥルー・ロマンス』(93)

クラレンスとアラバマが出会うのは、映画館だった。

クラレンスが観ているのは、サニー千葉のアクション映画。

『ツイスター』(96)

吹き飛ばされるドライブ・イン・シアターのスクリーンには、『シャイニング』(80)が映っていた。

『桐島、部活やめるってよ』(2012)

前田くんが観に行ったミニシアターで、『鉄男』(89)が上映されていた。

偶然居合わせた、かすみちゃん曰く「マニアックな映画」だそうで笑


自分が映画監督だとしたら、自作でなにを流すか?

『タクシードライバー』(76)?

いやいや、そんなベタなマネはしないよ。

一般的に知られていない作品や、忘れられた名作を流したいよね。


さて、初めての映画デート。
というか、生まれて初めてのデートが映画だった。

高校2年の冬。
40kgの減量に成功し、一瞬だけモテた・・・いや本当だって、一瞬だけ。

といっても、向こうからどうこうしてくるわけではなく、こっちからアプローチしてのことだけど。

不器用なりに告白し、スマートとはいえない感じで交際が始まる。

身体中から放出される「やりたい光線」をなんとか食い止め、映画に誘う。
(きのうのコラムで「自分から映画デートには誘わない」と記したが、これが最初で最後だったと記憶する)

相手は、同じ学校のSちゃん。
同級生だがクラスはちがい、ほとんど話したこともなかった。
なかったが、通学中によく見かけていて、いいな、、、と思っていた子だった。

Sちゃんはコンビニのアルバイトをしていて、バイト帰りに待ち伏せし、恋文を渡したのである。

映画は『フィールド・オブ・ドリームス』(89)、ケビン・コスナーが絶頂期のころに主演した大人のファンタジー。

モノスゴ大雑把にいえば・・・
「天の声」を聞いた主人公が、トウモロコシ畑を潰して野球場を作ったら、いろんな亡霊が出現して、最終的にパパに会えた・・・という物語。

原作もいいが、この物語に説得性を与えるのは「むしろ」映像の力のほうで、だから、映画ならではの創造性に富んだ傑作なんじゃないかと。


当時、自分は映画館でバイトをしていて、この作品も上映されていた。
されていたし、自分は2度も観ていた。
2度観たうえで、「これがいい!」と思ったのである。

自分がバイトしている映画館で映画デート?

まさか。

館林から前橋まで遠征? し、自分なりに特別感を作った。


上映開始。

なんとなく、そう出来そうな気がしたので、手を握ってみる。

・・・・・。

うん、彼女は拒否しなかった。

ふぅえがった。

いまほど乾燥肌じゃなかったからね、そこいらへんは積極的にいけた。


上映終了。

いいものは、3度観てもいいなぁ! と感慨に浸る。

しかしSちゃんは、ピンとこない顔をしていた。

「面白くなかった?」
「・・・なんか、よく、分からなかった」

ダメな男子だと思うが、この感想だけで冷めてしまった。

冷めたとしても、その日くらいは、頑張って楽しいデートをつづけようとするものじゃない?

けれども、それが出来なかった。


そのあと、ご飯を食べたのだが、なんーーーんも面白くなかった。

たぶん、Sちゃんもそうだったはずで。


だから、そのまま自然消滅してしまったのである。

悪いのは、自分のほうだったなぁと。


こういうのを10回以上繰り返し、楽しいデートを展開出来るテクニックを身につけました・・・と、自己弁護しておこう。


おわり。





…………………………………………

明日のコラムは・・・

『無視しているわけでは、ありませんの。』
コメント (1)
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