47年3月24日生まれ・71歳。
東京出身。
公式プロフィール
最初に梶芽衣子(かじ・めいこ)さんの演技に触れたのは、フジテレビのドラマ『教師びんびん物語』(89)だった気がします。
不思議なキャラクターに、ぶっきらぼうで表情に乏しい演技。
このひとはなんだ、下手なんじゃないかと。
そう感じたのは自分だけではないようで・・・
若いころの梶さんは、スタッフから大根を渡されることがあったそうです。
センスのないイジメだなぁ!
数年後―。
映画小僧になりかけの自分は、梶さんの演技スタイルも「あり。」と考え始めます。
オーバーアクトだけが演技じゃない、日常生活ではむしろ梶さんのような振る舞いこそがリアルだろうと。
それからさらに数年後―。
『恨み節』の、暗くも美しさを湛えた世界観に衝撃を受け、
それに惚れ込み、自作で梶さんの名曲を2度も流してしまうQTのたしかな見識に感動するのでした。
<経歴>
18歳で日活に入社、
65年、『悲しき別れの歌』に本名の「太田雅子」名義で出演し映画女優デビューする。
『さすらいは俺の運命』(65)、『青春前期 青い果実』(65)、『男の紋章 流転の掟』(65)、『あいつとの冒険』(65)、
『青春ア・ゴーゴー』(66)、『太陽が大好き』(66)、『夜霧の慕情』(66)、『涙くんさよなら』(66)、『殺るかやられるか』(66)、『絶唱』(66)、『嵐を呼ぶ男』(66)、『夜霧よ今夜も有難う』(67)、『禁断の果実』(68)、『あゝひめゆりの塔』(68)、『忘れるものか』(68)。
69年―マキノ雅弘が梶芽衣子と命名、『日本残侠伝』よりその名で売り出すようになる・・・と、デビュー初期のパッとしない感じが嘘であったかのように作品は当たり、また梶さん自身の注目度も高まったそうです。
やっぱりスゲーな、マキノさんって!!
『さくら盃 仁義』(69)、『侠花列伝 襲名賭博』(69)、『嵐の勇者たち』(69)、『鉄火場慕情』(70)、『非行少年 若者の砦』(70)、『日本最大の顔役』(70)。
70年、『野良猫ロックシリーズ』がスタート。
『女番長 野良猫ロック』(70)
『野良猫ロック ワイルド・ジャンボ』(70)
『野良猫ロック セックス・ハンター』(70)
『野良猫ロック マシンアニマル』(70)
『野良猫ロック 暴走集団'71』(71)
ぎりぎりの線? を狙ったプログラムピクチャーはスマッシュヒットを記録し、日活の顔的存在に。
『反逆のメロディー』(70)、『新宿アウトロー ぶっ飛ばせ』(70)、『三人の女 夜の蝶』(71)、『暴力団 乗り込み』(71)、『流血の抗争』(71)、『朝霧』(71)。
しかし。
日活は徐々にロマンポルノ路線へとシフトチェンジ、居場所をなくす前にと思ったか梶さんは東映に移籍しました。
『銀蝶渡り鳥』(72)、その続編『銀蝶流れ者 牝猫博奕』(72)、
そして、「女囚さそりシリーズ」で主人公の松島ナミを好演する。
『女囚701号/さそり』(72)
『女囚さそり 第41雑居房』(72)
『女囚さそり けもの部屋』(73)
『女囚さそり 701号怨み節』(73)
『仁義なき戦い 広島死闘篇』(73)や『現代任侠史』(73)などの良質な作品との出会いがつづきますが、「質より量」的なスタジオの考えに納得のいかなかった梶さんは東映を退社、以降はフリーの立場で女優活動をつづけるようになりました。
こうした反骨なところも、なんかいいですよね。
『修羅雪姫』(73)、その続編の『修羅雪姫 怨み恋歌』(74)、
『ジーンズブルース 明日なき無頼派』(74)、『無宿』(74)、『竹久夢二物語 恋する』(75)、『妻と女の間』(76)、『大地の子守歌』(76)、『やくざの墓場 くちなしの花』(76)、
78年には宇崎竜童を口説いて共演した自らの企画『曽根崎心中』で新境地を開拓、
ただ80年代に入ると、テレビドラマ中心のキャリアへと移行し映画出演は激減しました。
『わるいやつら』(80)、『子どものころ戦争があった』(81)、『落葉樹』(86)、『青い山脈'88』(88)、
『鬼平犯科帳 劇場版』(95)、『カポネ 六本木錬金の帝王』(2004)、そして最新作は『大奥』(2006)。
梶さんのキャリアを振り返ることによって、近代の日本映画史も見えてくる。
じつは、すんごい女優さんのような気がしてくるのでした。
いや実際、すんごいひとなのですけれど。。。
次回のにっぽん女優列伝は、香椎由宇さんから。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『お釣りがこない』
東京出身。
公式プロフィール
最初に梶芽衣子(かじ・めいこ)さんの演技に触れたのは、フジテレビのドラマ『教師びんびん物語』(89)だった気がします。
不思議なキャラクターに、ぶっきらぼうで表情に乏しい演技。
このひとはなんだ、下手なんじゃないかと。
そう感じたのは自分だけではないようで・・・
若いころの梶さんは、スタッフから大根を渡されることがあったそうです。
センスのないイジメだなぁ!
数年後―。
映画小僧になりかけの自分は、梶さんの演技スタイルも「あり。」と考え始めます。
オーバーアクトだけが演技じゃない、日常生活ではむしろ梶さんのような振る舞いこそがリアルだろうと。
それからさらに数年後―。
『恨み節』の、暗くも美しさを湛えた世界観に衝撃を受け、
それに惚れ込み、自作で梶さんの名曲を2度も流してしまうQTのたしかな見識に感動するのでした。
<経歴>
18歳で日活に入社、
65年、『悲しき別れの歌』に本名の「太田雅子」名義で出演し映画女優デビューする。
『さすらいは俺の運命』(65)、『青春前期 青い果実』(65)、『男の紋章 流転の掟』(65)、『あいつとの冒険』(65)、
『青春ア・ゴーゴー』(66)、『太陽が大好き』(66)、『夜霧の慕情』(66)、『涙くんさよなら』(66)、『殺るかやられるか』(66)、『絶唱』(66)、『嵐を呼ぶ男』(66)、『夜霧よ今夜も有難う』(67)、『禁断の果実』(68)、『あゝひめゆりの塔』(68)、『忘れるものか』(68)。
69年―マキノ雅弘が梶芽衣子と命名、『日本残侠伝』よりその名で売り出すようになる・・・と、デビュー初期のパッとしない感じが嘘であったかのように作品は当たり、また梶さん自身の注目度も高まったそうです。
やっぱりスゲーな、マキノさんって!!
『さくら盃 仁義』(69)、『侠花列伝 襲名賭博』(69)、『嵐の勇者たち』(69)、『鉄火場慕情』(70)、『非行少年 若者の砦』(70)、『日本最大の顔役』(70)。
70年、『野良猫ロックシリーズ』がスタート。
『女番長 野良猫ロック』(70)
『野良猫ロック ワイルド・ジャンボ』(70)
『野良猫ロック セックス・ハンター』(70)
『野良猫ロック マシンアニマル』(70)
『野良猫ロック 暴走集団'71』(71)
ぎりぎりの線? を狙ったプログラムピクチャーはスマッシュヒットを記録し、日活の顔的存在に。
『反逆のメロディー』(70)、『新宿アウトロー ぶっ飛ばせ』(70)、『三人の女 夜の蝶』(71)、『暴力団 乗り込み』(71)、『流血の抗争』(71)、『朝霧』(71)。
しかし。
日活は徐々にロマンポルノ路線へとシフトチェンジ、居場所をなくす前にと思ったか梶さんは東映に移籍しました。
『銀蝶渡り鳥』(72)、その続編『銀蝶流れ者 牝猫博奕』(72)、
そして、「女囚さそりシリーズ」で主人公の松島ナミを好演する。
『女囚701号/さそり』(72)
『女囚さそり 第41雑居房』(72)
『女囚さそり けもの部屋』(73)
『女囚さそり 701号怨み節』(73)
『仁義なき戦い 広島死闘篇』(73)や『現代任侠史』(73)などの良質な作品との出会いがつづきますが、「質より量」的なスタジオの考えに納得のいかなかった梶さんは東映を退社、以降はフリーの立場で女優活動をつづけるようになりました。
こうした反骨なところも、なんかいいですよね。
『修羅雪姫』(73)、その続編の『修羅雪姫 怨み恋歌』(74)、
『ジーンズブルース 明日なき無頼派』(74)、『無宿』(74)、『竹久夢二物語 恋する』(75)、『妻と女の間』(76)、『大地の子守歌』(76)、『やくざの墓場 くちなしの花』(76)、
78年には宇崎竜童を口説いて共演した自らの企画『曽根崎心中』で新境地を開拓、
ただ80年代に入ると、テレビドラマ中心のキャリアへと移行し映画出演は激減しました。
『わるいやつら』(80)、『子どものころ戦争があった』(81)、『落葉樹』(86)、『青い山脈'88』(88)、
『鬼平犯科帳 劇場版』(95)、『カポネ 六本木錬金の帝王』(2004)、そして最新作は『大奥』(2006)。
梶さんのキャリアを振り返ることによって、近代の日本映画史も見えてくる。
じつは、すんごい女優さんのような気がしてくるのでした。
いや実際、すんごいひとなのですけれど。。。
次回のにっぽん女優列伝は、香椎由宇さんから。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『お釣りがこない』