Cape Fear、in JAPAN

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映画監督別10傑(32)岩井俊二

2018-10-27 00:10:00 | コラム
~岩井俊二のキャリア10傑~

「巧いとは思うんだ、好きじゃないけど」

岩井俊二について、こう話す同世代や先輩方を沢山知っている。

半分は負け惜しみかもしれないけれど、ただいっぽうで、岩井俊二を評する際にこれほど適切な表現はないかもしれない、、、とも思っちゃう。

「当時、若者だった」ひとの支持は強く受けても、「そうでないもの」からは酷評されることはないものの歓迎もされていない。

ヒットはするしソフトも売れるしで、もう少し正当な評価を得てもいいはずなのに。
そうならないのはやはり、世代によって受け止めかたがおおきくちがってきてしまうから、、、なのではないか。


(1)『undo』(94)

豊川悦司×山口智子を起用し、「わたしをしばって!」な物語が展開される。



しかし(簡単にいえば)SMの世界なのに、岩井さんが撮れば変態的にならず、ちょいとオシャレになってしまう不思議。

ともあれ個人的には、このひとは長編よりも(本作のように)短編で実力を発揮するひとだと思っている。

(2)『リリイ・シュシュのすべて』(2001)

「これを遺作にしてもいい」―監督本人がそう発した映画は、スマホ文化「到来直前」を生きる若者を捉え、暗い感動を覚える傑作に仕上がっている。



(3)『リップヴァンウィンクルの花嫁』(2018)

黒木華をイメージして創作したという、SNSを絡めた寓話的な物語。

タイトルを含めすべてが岩井調だが、AVファンとしては、久し振りに夏目ナナの姿を見ることが出来てうれしかった。

(4)『四月物語』(98)

やはり、岩井俊二は短編のひと。

これを観ると、そう確信する。

なんてことない話のはずなのに、なぜかグッとくる。



(5)『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』(95)

テレビドラマ用に制作された『ifもしも…』的ファンタジーが映画業界の目に留まり、ここから岩井俊二の躍進が始まる。

「あたし、17歳に見える?」

そう見えない奥菜恵が、ひたすら可愛かった。

(6)『PiCNic』(96)

塀の上のロードムービー。

物語はさっぱり忘れたが、charaの脚線美に見惚れた。



(7)『スワロウテイル』(96)

未だファンの多い大作。

岩井的美意識で、寺山修司をやりたかった、、、のかもしれない。

自分は、ところどころ感心し、ところどころ感心しなかった。



(8)『Love Letter』(95)

中山ミポリンひとり二役、彼女の「お元気ですかー?」、そしてトヨエツの関西弁が話題になったスマッシュヒット作。

同姓同名がナンタラカンタラとツクリモノ感がハンパなかったことはたしかだが、映像美で押し切ったところはえらい(のかもしれない)。

(9)『花とアリス』(2004)

いろいろとメディアミックスを展開していたが、そんなことよりも蒼井優のバレエ―それだけで観る価値があると思う。

(10)『部屋とYシャツと私』(92)

映画ではなく、平松愛理の代表曲のPV。

何遍もいうが、短編が得意なひとですからね、やっぱり器用にまとめています。



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明日のコラムは・・・

『分刻みメアリージュン』
コメント
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