Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

パルムドール10傑

2019-05-17 04:09:03 | コラム
~カンヌ映画祭、開幕記念~

カンヌ映画祭が開幕したので、きょうは特別企画として歴代パルムドール(最高賞)のなかから個人的な10傑を展開してみよう。
(トップ画像は、最年少審査員となったエル・ファニング。素敵!)


オスカー作品賞の10傑を展開するよりも難儀だった。

だってカンヌの方向性と自分の嗜好、相性がばっちりなものでね~。


(1)『タクシードライバー』(76)

当然、わが神映画がベストワンでしょう。

多くの信者がそう思い込んでいるように、自分もまた、自分こそがこの映画を最も深く理解していると思っている。

(2)『エレファント』(2003)

21世紀のパルムドールでは最高のものだろう。

コロンバイン高校の銃乱射事件を、多層構造で、しかも静謐に描いてみせた。





(3)『ブリキの太鼓』(79)

滑稽で醜悪なおとなの世界を目撃し、成長することをやめたオスカル少年の物語。

児童ポルノか否かの議論を呼んだ場面もあるが、ちゃんと観ればいたずらに煽っているわけではないことは明白。

(4)『ピアノ・レッスン』(93)

このところ元気のないカンピオン監督だが、
一見、なんの共通項もないように思われるQTタランティーノと彼女は、新しい時代の幕開けを予感させる大きな存在だった。

(5)『アンダーグラウンド』(95)

ユーゴ激動の歴史に翻弄されるひとびとを、圧倒的なイマジネーションで描くクストリッツァの大傑作。



(6)『恐怖の報酬』(53)

ニトログリセリンを積んだトラックが、障害物だらけの山道を走る。
ただそれだけで極上のエンタメを創り上げた、巨匠クルーゾーの代表作。

(7)『さらば、わが愛/覇王別姫』(93)

辛辣にいえばチェン・カイコーは「これ1本」の「一発屋」。

しかしこの世界は一発も当てられない表現者のほうが多いはずで、しかも「大当たり」だったのだから、これからいくら失敗作を撮ろうがカイコーへの尊敬は揺るがない。

(8)『バートン・フィンク』(91)

コーエン兄弟、前期の最高作。

作家の脳内を映像化し、五感を楽しませくれる。



(9)『ワイルド・アット・ハート』(90)

デヴィッド・リンチが『ツイン・ピークス』の制作の合間に「さささっ」と撮りあげてしまった、奇跡のような珍作。

蛇皮のジャケットを着ているんだぜ、どうかしてるよ。

(10)『地獄の黙示録』(79)

ある識者は「偉大なる失敗作」と評した。

なるほど、分からんでもない。

映画を追究し、ある意味では映画を超えてしまった点で、これは映画ではないなにか、、、なのかも?

ともあれ完全版の公開に感謝、この映画をスクリーンで拝めるとは思いもしなかった。



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明日のコラムは・・・

『映画監督別10傑(50)特別篇2』
コメント (1)
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