Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

masterpiece

2014-02-23 06:18:03 | コラム
映画の祭典、米オスカー賞が来週に迫っている。

というわけでノミニー作品を立て続けに鑑賞しているのだが、実話ベースの映画がひじょうに多い。
ずっと続いてきた傾向ではあるけれど、昔は「偉人伝」「歴史劇」が主流、現在は「これ嘘のような、ほんとうの話」が持てはやされている―というちがいがある。

ベン・アフレックの『アルゴ』(2012)が成功したからね、ここに目をつけるのは「さすが」というか、いや、ハリウッドのプロデューサーなら「当然」ということなのだろう。

実際、今回のノミニー作品のうち、実話ベースのものは・・・

『アメリカン・ハッスル』
『キャプテン・フィリップス』
『ダラス・バイヤーズクラブ』
『あなたを抱きしめる日まで』
『それでも夜は明ける』
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』

・・・9作品中6作品という多さであり、しかも6作品すべてが「これ嘘のような、ほんとうの話」的な創りになっているのだった。


(あらゆるコネを使って)ノミニー9作品すべてを観た自分は、オスカー作品賞を予想し易い。
し易いけれど、それは数日後のコラムでやることにして、きょうはべつのテーマを展開してみる。

ノミニー9作品は、ノミネートされるだけあって、すべて傑作と評していいレベルの高い映画である。


【傑作】
作品が非常にすぐれたできばえであること。また、その作品。
言動などが突飛でひどくこっけいなこと。また、そのさま。
(デジタル大辞泉より)


(a)傑作だと聞いて触れてみて、ほんとうに傑作だと思った

(b)傑作だと聞いて触れてみたけれど、どう傑作なのかよく分からなかった

(a)と(b)、どちらもあり得ることだと思う。

それが「ひとそれぞれ」ということだもの。

作品名を出さないと卑怯なので、自分の場合(b)は・・・

『プリティ・ウーマン』(90)や、いっちゃうけど『カサブランカ』(42)だろうか。

『カサブランカ』なんて、オスカー受賞作なのに!!

いや、ボギーもバーグマンも美しいけれどね。
ただ、あの美学は自分が生きる世界にはないな、、、と。


そして。
(a)と(b)の「どちらにも当てはまらない」ケース(c)というのもあって。


(c)傑作だと聞いて触れてみて、たしかに傑作だとは思った・・・けれども、なぜかひじょうに眠くなった


こういう経験、ないだろうか。

自分は「いちどだけ」、、、いや訂正、一作品だけ、そういう映画がある。

何度試しても眠くなる。
映像は面白いし物語そのものも興味深い。
その監督が嫌いというわけではない、いや、むしろ好きなほうで。
しかしこの映画に関してだけは、どうもダメ、、、という。

これ真面目な話、最初に観ようと思ったのが高校1年生のころで、けれども何度試しても途中で寝てしまって挫折。
それを繰り返し、やっと最後まで観ることが出来たのは21歳のころだった。

5年以上かけて、最後まで観た映画―テリー・ギリアムによる、SF映画の傑作『未来世紀ブラジル』(85)である。

そう、間違いなく傑作なのだ。
でも、自分は5年以上かけないとこの映画について語る資格を得ることが出来なかった。

アイルランドのつぎにブラジルが好きなのに。
地元の隣町がブラジル人街になっているのに。
(関係ないか)


なぜ?

世紀の駄作と評される『稲村ジェーン』(90)だって『死霊の盆踊り』(65)だって「アクビさえせずに」きちんと観ることの出来た自分が、なぜ?

そりゃもう、分からんとしかいいようがない。


ちなみにトップ画像は、そんなギリアム監督による新作SF。

こんどはどうかな、眠くならないかな。
でも、この美女のワンショットだけで大丈夫だろうと思う自分って・・・という話である。


じつをいうと映画小僧にとって、こういう話って下半身事情より恥ずかしかったりする。

だって、ねぇ。。。

映画小僧が好きそうな映画を観て眠くなるオメーって、ほんとうに大丈夫? と思われたりするんじゃないかって。


※アントニオ・カルロス・ジョビンの演奏で!!





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にっぽん男優列伝(219)谷原章介

2014-02-22 00:30:00 | コラム
72年7月8日生まれ・現在41歳。
神奈川出身。

公式プロフィール

主演作に「ハンサム」のつく映画があるくらいですから、実際にハンサムな谷原章介(たにはら・しょうすけ)さん・・・ですが、
ハンサムの呪縛といいますか、その美しさをもてあましている感がありました。
その壁を破ったという意味においても、セルフパロディっぽい『ハンサム★スーツ』(2000)という映画は評価すべきですし、実際のところ谷原さんの代表作になっていると思います。

ところで数日前に「ハンサムとイケメンは似て非なるもの」みたいなネット記事を読みました。
読んでもちがいが分からなかったのですけれど笑、イケメンは「若いひとを指す」みたいなイメージはありますよね。だから谷原さんは、やっぱり「ハンサム」のほうでいいのだと思います。

そんな谷原さんの愛称は「ハラショー」。
映画小僧にとってはクセモノっぽいネーミングだな、、、と。
なぜなら、キューブリックの怪作『時計じかけのオレンジ』(71)の主人公アレックスが連発している造語だからです。

「すばらしい」とか、そういうような意味だとか。

狙って名づけられたわけはないと思いますが、谷原さんの演技を見るたびに「アレックスの狂気の目」を想像しちゃって困る自分なのでした。





<経歴>

スタートは前日の田辺誠一とまったく同じ、『メンズノンノ』の専属モデルです。
つまり、田辺さんは3つ年上の先輩モデルということ。

映画俳優デビュー作は、95年の『花より男子』。
「映画のひと」というイメージは強くないのですが、映画が最初だったんですね。
しかし繰り返しますが、あの見た目とイメージにより「ハンサムくん」「ハンサムさん」の役柄が多く、2000年代なかごろまで「これだ!」というビッグインパクトを残すことが出来ませんでした。

『極道戦国志 不動』(96)、『デボラがライバル』(97)、出演者全員が「忘れたがっている」とまでいわれる『不夜城』(98)、『クロスファイア』(2000)、『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』(2000)。

・・・うん、たしかにインパクトは弱い。
谷原さんがどんな役だったのか、ちゃんと思い出せないですもの。

江戸川乱歩の『白髪鬼』を日本・香港の合作で発表した『THE SNOW』(2003)も、制作前は話題になりましたが、きっちりと一般公開されませんでした。

ツキがないのかな・・・。

しかし、『スカイハイ 劇場版』(2003)を経て『深呼吸の必要』(2004)あたりから役柄にも作品にも恵まれ始め、
『亡国のイージス』(2005)、『嫌われ松子の一生』(2006)、『大奥』(2006)、『ザ・マジックアワー』(2008)と、立て続けに話題作に出演。
そして、鈴木おさむが企画した『ハンサム★スーツ』でドランクドラゴン・塚地武雅とダブル主演を果たし、自身のハンサムっぷりを笑う「もうけ役」をきっちりこなしたのでした。

『天使の恋』(2009)、『のだめカンタービレ 最終楽章 前編』(2009)、『僕と妻の1778の物語』(2011)、『アンダルシア 女神の報復』(2011)、『こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE ~勝どき橋を封鎖せよ!~』(2011)。
最新作は、『ひみつのアッコちゃん』(2012)。

さすがに『ハンサム★スーツ』を超える当たり役には出会っていないですね。

トム・クルーズやミッキー・ロークが挑戦した「顔に傷がつくハンサム」というキャラクターを演じたりすれば、さらに飛躍するのかもしれません。


次回のにっぽん男優列伝は、玉木宏さんから。

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にっぽん男優列伝(218)田辺誠一

2014-02-21 03:59:29 | コラム
69年4月3日生まれ・現在44歳。
東京出身。

公式プロフィール


自分の文章をせっせと、、、訂正、シコシコと書くので精一杯、だからブログウォッチャーとはいえません。
そんな自分が、更新する度に欠かさず目を通す有名人が数人だけ居ます。
日本の俳優さんに限定すると、わずかひとり。それが田辺誠一(たなべ・せいいち)さんです。

プロ並みのネット技術を持ち、かなり早い段階でブログを展開していた―というのもありますが、このひとがアップする奇怪な? 絵が面白いというのが最大の理由です。

こんな感じ笑
http://files.hangame.co.jp/blog/2011/71/16eb4bf9/09/23/36464432/16eb4bf9_1316739271206.jpg

で、5年くらい前でしょうか。
いちど、お会いしたことがありまして。

ゲスな質問ですが「この絵で、奥さん落としたんですか」と聞いてみました。

たしか「これで落ちるような女じゃないですよ」と、答えてくれたと記憶しています笑

そう、奥さんは女優の大塚寧々。

羨ましいなぁ。
素直に、羨ましいと思います。


※代表作のひとつ、『害虫』予告編…胸が痛くなる映画だが、いや、しかし、いろんな才能がきらきらと輝いている青春映画の秀作




<経歴>

アート志向が強く、高校生のころに映画の自主制作を始める。
興味は映画だけに留まらず、絵を描き、写真を撮り、小説まで書き上げていたそうです。

しかし業界へのデビューは、まずはモデルから。
18歳のころ『メンズノンノ』専属モデルに選出される―その時点で俳優へのオファーがあったそうですが「機は熟していない」と思ったか「ホンが気に入らなかった」のか、俳優デビューはもっと先になります。

23歳になった92年、TBSのテレビドラマ『熱い胸騒ぎ』で俳優デビューを飾る。

映画への参戦は95年から。

『冬の河童』(95)、(個人的には)岩井俊二の現時点における最高傑作『四月物語』(98)、『MIND GAME』(98)、『あつもの』(99)。

2001年、『ハッシュ!』に主演。
寡作の才人・橋口亮輔による「刺激的な」コメディの傑作。

ゲイのカップルと子どもがほしい独身女性の三角関係を軽やかに描いたこの映画は、21世紀の映画表現の方向性までをも示してくれたように思います。

以後―とくに2000年代なかごろまでは自身のアート志向/嗜好に沿った作品選びを展開、テレビドラマとのバランスを図っていました。

背徳的なキャラクターも意外に似合った『害虫』(2002)、『黄泉がえり』(2003)、『解夏』(2004)、『半落ち』(2004)、「映画もいけるよ」を証明した松尾スズキの『恋の門』(2004)、『またの日の知華』(2004)。
『明日の記憶』(2006)、『ハチミツとクローバー』(2006)、『NANA2』(2006)、再び橋口亮輔と組んだ力作『ぐるりのこと。』(2008)、『ハッピーフライト』(2008)、『少年メリケンサック』(2009)、『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』(2009)。

『ジーン・ワルツ』(2011)、『ランウェイ☆ビート』(2011)、最新作は『ロボジー』(2012)。

99年、『DOG―FOOD』で映画監督デビューを飾る。

1度だけ監督にチャレンジする俳優さんは多いですが、2作目の『ライフ イズ ジャーニー』(2003)も発表。
確実に「巧く」なっています。
3作目で、大きく化けてくる可能性―おおいに「あり」だと思います。

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Do You Remember Rock’nRoll Radio?

2014-02-20 00:30:00 | コラム
radiko(らじこ)様様、である。

パソコンやスマホ、タブレットで(radikoを介し)ラジオを聴けるようになってから、モノを書くときにラジオばかり聴いている。
無音状態でモノが書けるほど落ち着きのあるヤツじゃないのでね。


※radiko公式トップページ


それ以前は、映画のサントラ(インストゥメンタル)かマイケル・ナイマンの音楽を流していた。

最近はラジオばかりで、メディアプレーヤーに保存してあるこれらの曲を再生することがほとんどなくなった。
影響は音楽だけに留まらない、地上波テレビもあまり観なくなり、代わりに毎週欠かさず聴くラジオ番組が増えた。

FMラジオは深夜帯が面白い。
午前2時まではJ-WAVEでアーティストが担当する番組(=『ラジペディア』)を聴き、2時過ぎはNACK5に変えてアイドルが担当する番組(=『ストロボナイト』)を聴く。

とくに気に入りなのが女子ガールズバンド、Silent Siren(トップ画像)が担当する『ストロボナイト』の水曜日。
リスナーとして投稿しちゃうくらい好きなのだった。
(そして読まれた! ステッカーもらった!!)


で、もうひとつ好きなのが地方FMで放送中、有吉弘行の『サンデーナイトドリーマー』。

これは地方ゆえ、東京では聴けない。
(パソコンに詳しいひとであれば、裏技使って生放送を聴くことが出来るのだろうが)

ただありがたいことに、熱心なファンだろう、放送翌日の月曜日にはYoutubeにアップされており、東京に居ても過激トーク炸裂のこの番組をノーカットで触れることが出来るのだった。


ためしに聴いてみて。腹抱えて笑えるから。


そんなわけで今宵は、ラジオ局やディスクジョッキーが鍵となる映画をセレクトしてみた。
テレビ局を舞台とした映画より多かったりして、じつはラジオと映画って相性がいいんだよね。


※発表順に10本をセレクト

『アメリカン・グラフティ』(73)

『太陽を盗んだ男』(79)

『ザ・フォッグ』(80)

『グッドモーニング、ベトナム』(87)

『ラジオ・デイズ』(87)

『トーク・レディオ』(88)

『ドゥ・ザ・ライト・シング』(89)

『フィッシャー・キング』(91)

『ラヂオの時間』(97)

『パイレーツ・ロック』(2009)





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なかなか次男で走れない

2014-02-19 00:30:06 | コラム
新しい自転車を購入した。
交通事故の示談金で。

もう17台(代)目である。

愛車を買い換えるのは、だいたい3~4年にいちど。
古いほうのチャリは友人知人に譲るのが常だが、前代は「そこそこ」高額であったので売ったり譲ったりしないことにした。
そんなわけで古いほうを長男、新しいほうを次男と呼んでいる。

しかし、である。
2週連続の大雪のため、次男を自慢したいのにそれが出来ない。
怪我したばっかりのヤツがいうのも懲りていなさそうでイヤなのだが・・・正直な話、自分の身体よりもチャリのほうが大事なのである。

再び骨が折れることと、生まれたばかりの長男に傷がつくこと―それを比較すると、後者のほうが「より」苦痛なのだ。

だからタイトルのとおり、なかなか次男で走れない。
走れないから汚れない。
汚れていないのに、毎日ゴシゴシと車体を磨く日々。

阿呆か?

まぁそうなのだけれども。。。


さて。
骨も完全につながり、交通事故の加害者とのやりとりも終わった。
ので、プライバシーの配慮をしつつ、「可能なかぎり」事故の顛末について記しておきたい。


昨年の12月15日、午前10時20分―。

横浜から自宅の町田に帰還するため、自分は16号(八王子街道)を走っていた。
煙草を買いたかったので、途中でコンビニに寄る。
だから通常は車道を走っているが、このときは歩道に居たわけだ。

進行方向(もちろん左車線)の信号は、赤。
すぐに大通りに出るからと、50mほど右側の歩道をゆっくり運転しようと思い、青信号の横断歩道を、ゆっくり、それはそれは、ほんとうに「ゆーーーーーーーーーーーーーーーーーーっくり」渡った。

そして。
渡り切る直前に、左折してきた自動車に衝突した、、、と。

チャリの前輪が自動車に当たった感じだから、チャリ大破の悲劇だけは免れた。

自身はというと、ほとんど癖になっている柔道の受け身で身体を守ったつもり―であったが、アスファルトだし、そこそこの衝撃を与え、結果、骨を3本やってしまったというわけ。


青信号。
横断歩道。
誰かさん? みたいに、チョコマカ車線変更するチャリダーでもないから、完全に10-0であり、こっちに非はない。


交通事故は2度目。
前回は10年くらい前で、相手はアルソックの警備員だった。
そのときは怪我なし、チャリも無傷、ただ買ったばかりの携帯電話だけがお釈迦になった。
さすがは大企業である、「最新の携帯電話、それから無傷とはいいますが、新しい自転車を買ってください」と、多めの示談金と菓子折りを持ってきた。

ちょっと当たり屋になった気分でこころが痛んだが、格好いいチャリを買ってゴキゲンに乗り回したのだった。


今回の相手は・・・。

若造で、事故が初めてという。
つまり、対処していく知識がない。

自分は、というと。
寒いし、ここは横浜だし、この時点で骨折しているとは思っていないので、早く帰りたい。

「早いとこ、済まそう」―ふたりの意見が一致し、その場で金銭交渉を始めたのである。

「膝から流血してるけど、怪我はしょっちゅうなので気にしません。自転車をメンテナンスに出したいので、その費用くらいでいいですよ」

我ながらオヒトヨシだとは思うが、ほんとうにそれでよかったのだ。

しかし、そのやりとりを見ていた歩行者が警察に通報、ここから話がややこしくなっていく。

「交通」は、すぐ来たが、加害者を隅のほうにつれていきゴニョゴニョと内緒話を始めている。
実況見分と思い込んでいたが、そうではなかったことが、その数分後に明らかとなる。

「交通」の、たぶんいちばんえらいひとが自分に近づいてきて、こう発したのである。

「あのー、ぶっちゃけていいますね。彼、我々の仲間なんです」

へ?

おまわりさんってこと?

「警察官が交通事故を起こした際、厳罰に処せられることはご存知ですか」
「はい、知ってます」
「そこで、ですね。私どもは、あなたさまの膝から血が出ているところを見ています。ですから人身事故として処理していくのが常識ではありますが、あなたさまは、それはいい、自転車さえ直してくれれば・・・と仰っている。間違いありませんか」
「えぇ、そうです」
「我々は物損としてこれを処理する、あとは、あなたさまと彼が話し合っていただく、、、そういう流れで問題ありませんか」
「えぇ、いいですよ。しかし・・・マジでおまわりさんなんですか?」
「えぇ、成り立てです。ボーっとしていたと告白しています」
「ボーっと、、、ねぇ(苦笑)」


というわけで、この日は無傷であった彼(加害者)の車に強引にチャリを積み、緊張が解け切らない彼の運転によって自宅まで送ってもらった―これはこれで、恐怖―のである。
とりあえず、連絡先だけ交換して。

正直、胸が痛かった。
いやハートの話ではないよ、ボディの話。
そりゃそうだ、肋骨3本やっているのだもの。

しかしいろんな部位を怪我しているものの、肋骨の痛みは未経験だった。
だから「転倒したあとの痛みなんて、こんなものだろう。風呂に浸かって数日休めば、元通りになるさ」なんて思っていた。

けれども翌日、痛みはひどくなっていた。
ここでようやく、病院に行く気になったのである。

受付17時までの総合病院に、16時55分に駆け込む自分。
しかも初診、さらには交通事故だから保険使えないのに。

「心拍数、異常に高いですね。走ってこられました?」
「いえ、すいません、ちょっと呑んでまして」
「ですよね? だから余計に痛むんですよ」

怒られてやんの。

「あー、肋骨3本いってます」
「3本、ですか」
「3本やると、ふつう、もっと痛がるものですがね。なにかスポーツでもされているんですか」

褒められてやんの。
(ちがうか)

受診結果を加害者に知らせると、1時間後に電話があり、あす朝いちばんでお見舞いに伺いたいという。

骨折の事実を知らされた時点で気持ちが萎えて、ゆっくり休みたがる自分は「ほんとうは寝ていたいんですけれどね」と返すが、相手はどうしてもと譲らない。
なんのことはない、早いとこ示談に持ち込みたかったのである。

それは分かっていたのだが。

肋骨3本の骨折にしては、やや多い示談金。
通常の金額に「おまわりさんだから」という理由で上乗せしたのだと思われる。

その大金を目にすると、やはり目がくらんでしまうわけで。。。

そうして、示談が成立したのである。


馬鹿っちゃあ馬鹿だが、ジョディ・フォスターの名言を借りて自分の思いを述べておきたい。

後遺症などの不安も残るが、いまのところ「大丈夫そう」だし、
もし後悔が生じたとしても、それは自分で決めたことだから。

そう、ジョディは「自分のやりかたで失敗、後悔したい。他人のやりかたはイヤ」といっている。


自賠責を介さないやりかたは危険だが、後悔するのは自分。

これでいいのだ。

新しいチャリも買えたし。(そこかい!!)


※みんな若いぜ!!




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