Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(101)

2014-12-21 00:10:00 | コラム
がーたーべる「と」→「と」らうま(トラウマ)

心的外傷(トラウマ)とは簡単にいえば、過去に受けた「肉体的」「精神的」な衝撃体験を引きずってしまう状態のことをいう。

トラウマと映画の第一人者といえば、やはりヒッチコックだろう。
『サイコ』(60)のノーマン・ベイツ(アンソニー・パーキンス)が「ああなって」しまったのも、家庭環境によるものだった。
エンディングの種明かしは(現代的な視点でいうと)ちょっとしつこ過ぎるようにも感じるけれど、
時代的に新しい解釈であったろうし、
彼の病が先天性なものでなかったことを強調することによって、トラウマの深刻さが浮かび上がる仕組みになっている。

イングリッド・バーグマンの美しさが際立つ『白い恐怖』(45)は、過去のトラウマを探る映画。




主人公は「白地に縞のある模様」を見ると発作を起こす。
様々な仕掛けが用意されていて、さすがヒッチコックだなぁと感心するが、なかでも「牛乳」を登場させるシーンが有名。
モノクロームの映像に「白の恐怖」を浮かび上がらせるため、グラスに「ワット数の弱い電球」を仕込むというアイデアが素晴らしい。
(茶碗にもられた米を掲げ、勘兵衛が「この米、おろそかには食わぬぞ」という『七人の侍』(54)の有名なシーン。あそこにも「見えない小道具」として電球が用いられている。どっちが先か後かという話ではなく、巨匠はやっぱりちがうねぇ!!)

ベトナム帰還兵が地獄の戦場の記憶に悩まされるというトラウマ映画は多い。
『タクシードライバー』(76)だけでなく、『ディア・ハンター』(78)も『ランボー』(82)も、『リーサル・ウェポン』(87)も『ジェイコブズ・ラダー』(90)も、みんなトラウマで「死にたい願望」を抱く主人公たちである。


いわゆる「フェチ」もそうだが、トラウマも多用され過ぎていて、「その程度で!」と思うことが多くなった。
そのことばが知られるようになったのはいいことだろうが、深刻とはいえない体験で「トラウマが…」といわれてもねぇ。

だから自分は20年前は脚フェチを自称していたが、脚だけで射精までいけるヤツ以外までフェチを名乗り始めて以降、脚キチガイと訂正するようになった。
そうなんだ、「より深刻なほう」が、べつのことばを探さなければいけない状況になってしまっている。

まぁ文句をいっていても始まらないか、ことばを専門とするひとによれば「ことばの意味の変遷とは、そういうものである」らしいので。

それらのことを含め、自分にとってのトラウマ的映画を3つ挙げてみたい。


『フライトナイト』(85)

ホラーコメディだが、公開時は小学生だったものでね、同時上映の『グーニーズ』(85)を観るために「頑張って」座席に座っていた。
しかしクライマックスの「こけおどし」演出に耐えられなくなって、とうとう座席を立った。

ロビーでコーヒー牛乳を飲み、上映終了を待つ映画少年。
売店のおばさんが「大丈夫?」と声をかけてくれたっけ。

後にも先にも、上映中に席を立ったのは本作のみである。

『7月4日に生まれて』(89)

負傷中のトム・クルーズがリハビリをしていると転倒、その衝撃で皮膚から骨が突き出すシーンが登場する。

成人以後にいろんな骨を折っているが、まだ骨折未経験であったし、その描写があまりにも衝撃的で、それから1週間くらいは「ゆっくり歩行すること」を心がけるほど影響を受けた。

『稲村ジェーン』(90)

映画そのものを嫌いになるほどの拷問体験だったから。


・・・分かってくれるひと、けっこう居るのではないかな。

あすのしりとりは・・・
とらう「ま」→「ま」ーだーけーすぶっく。

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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』

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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(102)』

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I’m chicken

2014-12-20 00:10:00 | コラム
クリスマスにケンタッキーフライドチキンを予約しているというのに、12月に入ってすでに3度もケンタを馬鹿喰いしてやんの。

ケンタ町田駅前店で消費した金、今月だけで1万円以上!
まことに自分は、自他共に認めるチキン野郎なのである。

サイドメニューのビスケットなんぞには目もくれない。
ひたすらチキン、チキン、チキン!! を喰らう。

飽きないかって?

飽きないねぇ。
女子の脚を飽きずに愛でられるのと同じなのだろう。

ところでdickと同様、英語でいうchickenには、俗語として「弱虫」という意味がある―というのは、よく知られた話だ。
(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズ(85~90)のおかげかな?)

自分はこのガタイにこの見た目で勝手に「弱虫ではない」という印象を抱かれるが、そうでしょう? と問われても、「うん、そうだね」と即答出来ないところがある。

ある意味では弱虫、ビビリ体質だと思うんだな。

闇は平気。
幽霊の類も(見えないからか)恐怖心はない。
ヤンキーやチンピラ相手にも(最初から馬鹿にしているところがあるから)怯むことはない。
高所も大丈夫。

でも。
閉所は苦手。
それから、でっかい音に異様にびくついてしまうという弱点がある。

車のクラクションとか、すぐビビってしまうんだ。
そのあと、周囲を気にしてキョロキョロしたりしてね、「見られてないよね?」って。

格好つけてチャリ乗り回しているのに、いちいち背中をビクッとさせていたら格好悪いじゃない。
でも直せない、どうしてもビビってしまう・・・のは、要は不意打ちだからであろう。

あとはお洒落過ぎるところに行くと、足がすくむというのがある。
これは自分が場違いであることを自覚しているからで、ちょっとビビリとはちがうのかな。


ここ20年で、最もビビったことを書こうか。
ラブホテルの清掃員をやっていたころの話である。

夏の、ある深夜―。

この時間帯は基本、ひとりで作業している。
今年の流行語候補でいえば、いわゆるワンオペ状態(=すき家事件で浸透)だ。

それはともかく。
お客さんが退室したので、シーツを持って部屋に入った。

その瞬間、「あぁついに自分も!」と衝撃を受けた、、、というか愕然とした。

死体が転がっている。
頭を殴打されたのか、血や肉片があちこちに飛び散っている。

・・・と、思ったんだ。

ラブホテルの世界では、よくあることというか。
自殺や殺人事件がね、起こり易い場所っていうイメージがあるでしょう。
だから自分もとうとう、そういう悲劇の第一発見者になったのだと。

しかし。
飛び散った血や肉片は、よく見ると「スイカ」だった。

えっ。
スイカ!?

あいつら!!

自分の部屋じゃないからって、スイカ割りしやがったなっ!!

・・・・・。

まぁくだらないオチではあるが、この展開だったら、大抵のひとが「途中までは」ビビるでしょう?笑


※I’m chickenといえば、それを自称し、そんなTシャツまで着ていた格闘家の小川直也。

実力は「・・・」だったかもしれないけれど、総合格闘技ブームにおける中心人物のひとりだったことにちがいはなく。

あのころからヒョードル命だった自分も、瞬殺であろうことは分かってはいたものの、こころのどこかで「ひょっとしたら奇跡が起こるかも…」なんて期待していたところがあったっけ。




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『シネマしりとり「薀蓄篇」(101)』

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にっぽん男優列伝(258)中村嘉葎雄

2014-12-19 02:16:26 | コラム
38年4月23日生まれ・現在76歳。
東京出身。

自分がにっかつの学生だったころ、スタジオの休憩室で中村嘉葎雄(なかむら・かつお)さんとお話ししたことがあります。

クラスメイトも沢山居たのに、なぜだか無反応。

「ミーハーみたいに声かけちゃ、まずいのかな」
「え? あのおっさん、有名なひとなの?」
「・・・」

そうか、そもそも嘉葎雄さんを知らなかったのか。

まだ、甥の中村獅童(二代目)もスクリーンデビューを果たしていないころの話です。
無理もない・・・って、いやいや、ふつうに映画やテレビに触れていたら、なんとなくでも顔くらい分かるでしょうよと。

おそるおそる声をかけると、こっちが恐縮するほどに優しく丁寧に接してくれました。

「漱石の『それから』が愛読書なんです。映画版、どの俳優さんも素晴らしかったですけど、代助の兄を演じた中村さんが、最も原作のイメージに近かったと思います」

そう伝えました。
嘘偽りない感想とはいえ、大俳優にエラソーな意見を・・・と「いまとなっては」反省していますが、当時は若かったもので汗

嘉葎雄さん、すごく喜んでくれました。

そうかそうか、君みたいな若い映画好きにも、あの作品を気に入ってもらえるのかって。


そんな思い出があるものですから、きのうの「あに・おとうと、どっちが好きか」のつづきでいうと、兄の萬屋錦之介より、自分は嘉葎雄さんが好きです。


※主役を喰い過ぎず、それでいて、インパクトを残す。さすが。




<経歴>

歌舞伎役者・三代目中村時蔵を父に持つ芸能一家。
(米国文化で育ったせいか、正直いいますと、この二代目三代目のシステム? って、ややこしくて混乱します)

きのうの長門裕之と同様、家柄が家柄ですから、デビューは異様に早いです。
5歳のころに初舞台を踏み、高校在学中に映画の世界へ。

このエスカレーター式を羨むひとも居ますが、いやぁ、相当なプレッシャーがあると思います。
実際、スター性が充分にあった兄・錦之助に比べると地味な印象は否めません。
にっかつのスタジオに座っていたのが錦之助のほうだったとしたら、さすがにクラスメイトも「お!」となるでしょうし。
けれども派手さはない代わりに芸の幅は広く、硬派軟派どちらも演じられるという強みを備えていました。

映画俳優デビュー作は、55年の『振袖剣法』。

『元禄美少年録』(55)、『太陽とバラ』(56)、『喜びも悲しみも幾歳月』(57)、
『殿さま弥次喜多』3部作(58~60)、
『忠臣蔵』の『桜花の巻』『菊花の巻』(59)、
『風雲児 織田信長』(59)、『大いなる驀進』(60)、
『次郎長社長と石松社員』2部作(61~63)などなど、順調にキャリアを築いていきますが、自分が「いい俳優さんだなぁ!」と好きになるのは、もっとおじさんになってからですね~。

小林正樹の傑作『怪談』(65)、オオシマの怪作『悦楽』(65)、
『風林火山』(69)、『幕末』(70)、『修羅』(71)、『日蓮』(79)、
鈴木清順の美学が冴える『陽炎座』(81)、『ブリキの勲章』(81)、『空海』(84)。

85年、『それから』で主人公・代助(松田優作)の兄・長井誠吾を好演する。
しつこいですが、このあたりから嘉葎雄さんを贔屓俳優のひとりとしました。

『傷だらけの勲章』(86)、『竹取物語』(87)、
現代の技術で撮ったら傑作になったかもしれない『帝都物語』(88)、『橋のない川』(92)。

『それから』の次に挙げたい映画は、98年の『絆』。
役所広司の側近を演じ、こんなひとがそばに居てくれたらな・・・と思わせるほどに頼りがいがあるキャラクターでした。

つまらな過ぎてアクビ連発だった『ホワイトアウト』(2000)、
『赤い橋の下のぬるい水』(2001)、『ゴジラ×メカゴジラ』(2002)、『白い船』(2002)、
『魔界転生』(2003)、『花よりもなほ』(2003)。

2004年、『いま、会いにゆきます』で甥と共演を果たす。

『どろろ』(2007)、『サッド ヴァケイション』(2007)
『20世紀少年』の3部作(2008)、『渾身 KON-SHIN』(2013)、『二流小説家 シリアリスト』(2013)、
そして最新作は、『利休にたずねよ』(2013)。

超一流の、いぶし銀俳優ですよね。
もっともっと活躍をつづけてください。


次回のにっぽん男優列伝は、中村獅童さんから。

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『I’m chicken』
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にっぽん男優列伝(257)長門裕之

2014-12-18 00:31:33 | コラム
34年1月10日生まれ、2011年5月21日死去。享年77歳。
京都出身。

弟の津川雅彦より、兄の長門裕之(ながと・ひろゆき)さんのほうが好きです。
ついでにいえば、津川雅彦夫人(朝丘雪路)より、長門裕之夫人(南田洋子)のほうが好きです。

長門さんは、イマヘイ今村昌平の映画に数多く出演しているから。
南田洋子は、『幕末太陽伝』(57)で最高に美しかったから。かなぁ。

それでも若手のころは弟のほうが「はるかに」人気がありましたし、それはキャリアにおける主演作の数にも表れています。
長門さんって、もちろん主演も務めるけれど、意外と助演級の配役が多いのですよね。

兄弟の確執。そして和解。
いわゆる暴露本の出版。
夫人の認知症を明かした経緯。

などなど、その生涯がひじょうに映画的ですから、いつか伝記映画でも創られるのではないでしょうか。
私生活のイメージで「嫌いだ」というひとが居ますが、まぁそういうこともあるでしょう。
どれだけろくでなしでも、主演したいくつかの作品は映画史に燦然と輝いています。やっぱりそこで評価していきたいですよね。


※キャリアの頂点は、なんといってもこれ。
『太陽の季節』も捨て難いけれど、「横須賀が豚で埋め尽くされる」というイマヘイの発想力に一票を入れたい。




<経歴>

父は俳優・沢村国太郎、母は牧野省三の四女・マキノ智子、つまり祖父は牧野省三という芸能一家に育つ。

立命館大学中退。

芸能一家の宿命でしょうか、幼少期より子役として活躍、映画の初出演は40年の『続清水港』でした。
このころはまだ芸名を沢村アキヲとして活躍していました。

戦前の作品は、ほかに『無法松の一生』(43)など。

戦後、日活に入社。

54年
『濡れ髪権八』『お役者変化』

55年
『恋天狗』『未成年』

転機は56年に訪れます。

『銀心中』『愛情』『暁の逃亡』を経て、
石原慎太郎の原作を映画化した『太陽の季節』で主演に抜擢、太陽族のアンちゃんを格好よく演じました。

「石原裕次郎のデビュー作」としてのほうが有名だったりしますが、長門さんの演技はフレッシュで悪くないですし、それに、この映画で共演したことにより南田洋子と結婚することになるのですから、かなり大きな転機だったといえるでしょう。

同年、弟が『狂った果実』に出演。
太陽族ブームが到来し、兄弟そろって波に乗ったかと思いきや、スターになったのは弟のほうでした。

それでも長門さんは地道にキャリアを築き続けていきます。
その理由のひとつに、「南田洋子と結婚する」というのがありました。
彼女の年収を超えなければ、結婚はない―そんな風に決めていたようです。

そんなギラギラした青年を見初めたのが、イマヘイだったのです―。

57年
『月下の若武者』『唄祭り喧嘩旅』『十七才の抵抗』『危険な関係』

58年
『銀座の沙漠』『悪魔の爪痕』『俺は情婦を殺す』『地獄の罠』

『盗まれた欲情』でイマヘイ映画に初参加、この年は『果しなき欲望』にも起用されイマヘイ組の常連に。

どっちを観てほしいかといえば、『果しなき欲望』でしょうか。
画面を分割し、地上と地下を同時進行で描く演出にハッとするでしょうから。

59年
『絞首台の下』『逃亡者』『不道徳教育講座』『才女気質』『にあんちゃん』

60年
『けものの眠り』『十六歳』『傷だらけの掟』

61年
『天に代わりて不義を討つ』『助っ人稼業』『ろくでなし野郎』『夜の挑戦者』

そして、トップ画像&リンク動画の『豚と軍艦』に主演。
イマヘイがいう重喜劇が完成した歴史的傑作ですよ、ほんとうに。

62年
『秋津温泉』『憎いあンちくしょう』『裸体』『破戒』

63年
『秘剣』『危い橋は渡りたい』『古都』『無宿人別帳』

イマヘイもうひとつの傑作『にっぽん昆虫記』にも出演し、女優陣のサポートをこなす。


【日本侠客伝シリーズ 64~67】

『日本侠客伝』『日本侠客伝 関東篇』『日本侠客伝 浪花篇』『日本侠客伝 血斗神田祭』『日本侠客伝 雷門の決斗』『日本侠客伝 斬り込み』『日本侠客伝 白刃の盃』


64年
『無頼無法の徒 さぶ』『図々しい奴』『にっぽんぱらだいす』『駈け出し刑事』

65年
『暖春』『関東果し状』『無頼漢仁義』『大根と人参』

66年
『とべない沈黙』『男の勝負』『日本一のマジメ人間』

68年
『侠客列伝』『新網走番外地』

69年
『博徒無情』『残酷おんな私刑』『日本残侠伝』

70年
『女の警察 国際線待合室』『昭和残侠伝 死んで貰います』

71年
『任侠列伝 男』『緋牡丹博徒 仁義通します』

・・・ね、主演作も多いですが、それを上回る数なんですよね助演級が。


70年以降は完全に主演級を退き、脇をしめるといったポジションに。
作品解説をしたいところですが、ひじょうに多いのでタイトルだけを列挙します。


『日本暴力団 殺しの盃』(72)、『バージンブルース』(74)、『赤ちょうちん』(74)、『どんぐりッ子』(76)、
『人間の証明』(77)、『仁義と抗争』(77)、『九月の空』(78)、『茗荷村見聞記』(79)。
『五番町夕霧楼』(80)、『典子は、今』(81)、『連合艦隊』(81)、『泪橋』(83)、『テイク・イット・イージー』(86)、『南へ走れ、海の道を!』(86)、『ハチ公物語』(87)、『スケバン刑事』(87)、『TOMORROW 明日』(88)、『リボルバー』(88)、『砂の上のロビンソン』(89)、『将軍家光の乱心 激突』(89)、『226』(89)。

『リメインズ 美しき勇者たち』(90)、『浪人街』(90)、『遠き落日』(92)、『女殺油地獄』(92)、『夢の女』(93)、『眠れる美女』(95)。
『シベリア超特急2』(2000)、『弱虫(チンピラ)』(2000)、『手紙』(2002)、『おにぎり』(2004)。

2006年、弟がマキノ雅彦名義で撮った『寝ずの番』に出演。
死の間際にある噺家をユーモアたっぷりに演じ、おおいに笑わせてくれました。

『夢のまにまに』(2008)、『次郎長三国志』(2008)、『プライド』(2009)、『新宿インシデント』(2009)、『旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ』(2009)。


2011年5月21日―。
肺炎による合併症で死去、享年77歳。

夫人が亡くなって、1年と7ヶ月が過ぎていました。

遺作は、『青い青い空』(2010)。

あぁ、また『豚と軍艦』が観たくなってきたなぁ。。。

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無冠の帝王

2014-12-17 00:30:00 | コラム
本ブログは「ほぼ」年中無休状態で更新をつづけている。

1年で365本、そのうちの200本くらいで「10傑」シリーズを展開、まぁランキング好きということで。

あまり知られていないひとや作品を紹介し易いんだよね、だから多用していると。

自分が楽しいからやっているわけだが、概ね好評でうれしい。

けれども、なかには妙な絡みかたをしてくるひとが居るんだ。


「優劣ばかりつけて、なにが楽しいのか」
「そういうお前はライターのなかで、どの程度のものなのか」


怒っているなぁ!

いや、自分はこういう意見に対しては怒らないよ。
あらら真剣に怒ってる、なんか面白いな~って笑っちゃう。(こういう態度が、さらに相手を怒らせるのだろう)

その項目に入るべきひとや作品が抜けていたりすることに対して怒っているか、あるいは、ランキングそのものを嫌っているのかもしれない。

楽しいのにね、ランキング。
日常でも散々やってますよ、あの子がいいとか、この子は2番とか、あそこの飯は最強、ここの飯はギネス級に不味くて最下位決定だとか。

20年くらい前か、「みんなでゴールする」みたいな運動会が主流になったとかいう記事を読んで吐き気がしたが、
いつの間にか元に戻ったわけでしょう、それでいいんだと思うよ。
だって、運動会でしか輝けないスポーツ馬鹿だって居るわけじゃない、可哀想だよそういう子たちが。
ほんとうにそれ(=間違った平等思想)を徹底させるためには、学力テストとかも廃止にしなけりゃいけないはずなんだ。
秀才くんがほくそ笑む瞬間を奪わなければ、スポーツ馬鹿は浮かばれないもの。

いやいや、きょうはそういう話ではないのだ。

「そういうお前はライターのなかで、どの程度のものなのか」という挑発的なメールが届いたので、「自分とランキング」について少しだけ語ってみようかなと。


ライターとしては三流。

これ絶対。
だからいっつも、三流ライターって名乗っているでしょう?

顔も三流。

だと思うよ、じゃなきゃ、もっとモテているし。

性的能力は・・・二流、かなぁ。
何遍もいっているとおり早漏だが、でも(1日で出来る)回数は多いと思うから。


過去はどうだったか?

小・中学校の成績は普通以下。
高校の成績は普通より「ちょっとだけ」上。

専門学校時のみ、「優」だったんじゃないかな。
映画小僧だらけだと思って入学したのに、じつはそうではなく、だから自分の知識が突出していたところは自他共に認めるところ。

書道は銀、
写生大会は「ふつう」の評価、
でも運動会ではビリッケツ、
部活動もサボリ魔だったから、朝礼で表彰などされたことがない。

突如として「書くこと」に目覚めて以降―高校生のころだが、作文コンクールだけは学校代表に選出された。
でも県大会止まり。

成人後―シナリオコンクールで最終予選に残ったことが、いちどだけある。


・・・このくらいかな。

結局は、無冠なわけだ。


総合すると、加点より失点のほうが多いので、やっぱり三流でしょう。

それでいいし、そう自覚したうえで、ひとや作品を評していると。


見巧者ってことばがあるでしょう。

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見巧者(みごうしゃ)

芝居などになれ通じていて、見方のじょうずなこと。また、その人や、そのさま。

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つまり、こういうひとが批評家になるわけだが―そうじゃないひとも居るけどね!―、自分、文章以上にこっちのほうが自信あったりするわけですよ、たぶんそれでこんなにランキングが好きなのかなぁ、、、って。


―というわけなんで、これからも「10傑」シリーズつづけます。

あしからず!!


※格闘技の世界で無冠の帝王といえばジェロム・レバンナ、映画の世界では「少し前まで」わが神・スコセッシだった。

いやスコセッシは若いころから沢山の賞をもらっているが、映画界最高の名誉とされるオスカー受賞は「そーとー」遅かった。
しかも、ファンだからいうが、キャリアのなかで成功したとはいい難い作品で「もらっちゃった」ものだから、純粋な作品の評価ではなく「労い票」だったような気がして、納得がいかなかったのである。





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