Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

映画監督別10傑(49)特別篇

2019-05-16 00:10:00 | コラム
~3鬼才のキャリア3傑~

50回目を目前にして、いきなり特別篇を展開。

フィルモグラフィが10本に満たない、
あるいは10本以上撮ってはいるものの、「ある期間だけ」傑作を放ち、その後「燃え尽きてしまった」鬼才3人の「3傑」を選出しよう、、、というもの。

「量より質」で勝負した鬼才の映画は、人生賭けたものばかりで一見の価値あり。


【ウィリアム・フリードキン】…83歳(トップ画像)

そうか死んでいなかったのか、、、なんていう失礼な表現も、映画ファンの自分は許されるとか思っていたりして。

なぜなら死んでもおかしくないような、悪魔的な映画を70年代前半に連発しているのだから。

(1)『エクソシスト』(73)

恐怖描写の数々も、リアリティにこだわった細部あってこそ。



(2)『真夜中のパーティ』(70)

ゲイの世界をいち早く取り上げた傑作。

しかもワルノリ一切なし、男同士の恋愛も男女とちがいはないことを教えてくれる。

(3)『フレンチ・コネクション』(71)

シャープな創りの刑事アクションは、「アカデミックな集団」オスカー協会さえ納得せざるを得ない完成度だった。


【マイケル・チミノ】…享年77歳

なんというか、ふつうではない感じが漂うひとではあった。

褒めことばとしていおう、真正のキチガイだと思う。



(1)『ディア・ハンター』(78)

切ないエピソードがいっぱいで、観るのにはちょっと覚悟が要る。

クリストファー・ウォーケンばかり褒められるが、デ・ニーロの「受け」の演技もさすが。

(2)『天国の門』(80)

スタジオひとつ潰した映画として有名だが、描写もどうかしている。

だって砂煙で、なーーーんにも観えないシーンをカットしていないのだもの。

(3)『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』(85)

スタジオ潰したのに、その5年後に大作映画が撮れてしまうスケールの大きさよ。




【ジョン・シュレシンジャー】…享年77歳

アメリカン・ニューシネマの急先鋒。

この3人のなかでは、いちばん映画監督らしいひと、、、ではあるけれど。



(1)『真夜中のカーボーイ』(69)

カウボーイスタイルを男娼の小道具にするというのは、時代的に、たいへん勇気が必要だったんじゃないか。

(2)『マラソンマン』(76)

筋は覚えていなくとも、ダスティン・ホフマンが受ける拷問だけは忘れることが出来ない。



(3)『パシフィック・ハイツ』(90)

なんてことないスリラーといえばそうなのだが、細かいところにシュレシンジャーらしさがあって憎めない佳作。

そして、マイケル・キートンの「大」熱演。

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明日のコラムは・・・

『パルムドール10傑』
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ikiru

2019-05-15 00:10:00 | コラム
イキる(いき・る)

「いきがる」の略語・・・って、一文字しか略されていないが、とくに関西方面で使用されており、ここ数年でネットを中心に多用されるようになった。

小藪さん(トップ画像左)がよく使っているので、その影響もあるかな。。。

解説@まっき~

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ずっと前からいっていることで現在も変わらないのは、自分が嫌いなヒトのタイプ。

(1)イキるあんちゃん

(2)痰を吐くオヤジ


(2)は、体質的に仕方ないこともあるかと思う。
問題は(1)のほうで、基本は誰とでも仲良く出来る自分でも、ほんとうのことをいえばこういう連中とは関わることも御免だな。


若いと、そのうち3割くらいはそうじゃね? なんていう意見も聞く。

それはそうかもしれないね、オメーは20代のころイキることはなかったのか? と問われると、ちょいとだけ自信ないし。

・・・いやいや、イキったことなんかいちどもないよ。


いちばんイヤだなぁと思うのは、店員さんにイキるヤツ。

クレームを「つけるべきこと」が発生し、そこから態度が豹変するのは分からんでもない。

そうではなく、
最初から「オレは客だ」的な感じで、横柄な態度を取る連中がほんとうに嫌いだし、客と店員の関係というだけで「よくそこまでイキれるなぁ」と呆れながら感心してしまう。

お里が知れる、、、とバカにしていればいいだけの話なのだけれども。


厄介なのは、ソイツが女連れだった場合。

「イキり具合」が、ふだんの2倍3倍になる傾向にあるから。
そうなんだ、近しい間柄の人物がそこに存在しなければ、イキることもなかったのではないか、、、っていうね。

ときどき「ウチのカレ、なかなかやるでしょ」みたいに得意げになっている女も見かけるが、たとえ彼女が、よい香りのする美白美脚、パンツが少し見えている子だったとしてもだ、お近づきになんかなりたくないね。

そういう子にかぎって美女だから世の中まちがってる、かわいそうに、コイツと出会って脳味噌腐ってしまったのかな・・・って思う。


※おとといコンビニでそういうの見かけたので、こんな内容のコラムになってしまった


※※こちらの『生きる』は、わが国の宝ですよ



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明日のコラムは・・・

『映画監督別10傑(49)特別篇』
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シネマしりとり「薀蓄篇」(290)

2019-05-14 00:10:00 | コラム
しゃ「わー」→「わー」きんぐがーる

88年発表の『ワーキング・ガール』は、いわゆるキャリアウーマンを描いた映画。

当時としては新味があったであろうM&A(企業の合併と買収)を背景とした物語はいまでも充分楽しめるけれど、「女性が第一線で働く」ことになんの違和感もなくなった21世紀から捉えると、そこに特別感さえ滲むタイトルは「いかにも20世紀的」、、、といえるのかもしれない。

いやちょっと待て、そんな風に皮肉をいってみたものの、最初に記した「キャリアウーマン」ということばだって前時代的になるわな。

それはともかく。
20世紀的なのは、物語だけじゃあない。

対社会のための、戦闘服としての服装や髪形。

すっげ好きだったメラニー・グリフィスなのだが、当時からこの衣装にはピンとこなかったなぁ・・・。





彼女の友人役、ジョーン・キューザック(ジョンのおねいさんね)のメイクなんかもっとすごい。




それでも。
名手ミヒャエル・バルハウスが捉えるニューヨークの風景は目に楽しいし、メラニーの甘ったるい声、そしてこの主題歌・・・

※カーリー・サイモン、これでオスカー主題歌賞受賞!! 日本語カバーも発売されたので、どこかで聴いたことのあるメロディでしょう?
(彼女の肩パットも、またすごい!)



・・・は耳に楽しいから飽きずに観ることが出来るし、映画としての完成度も高いほうなのではないか。

監督は『卒業』(67)のマイク・ニコルズだし。


ただ上司でありライバルにもなるシガニー・ウィーバーが、メラニーと同年という設定は「ん?」と思った。

実際に8つほど離れているからねぇ、好演しているだけにそのへんのリアリティはきちんとしてほしかった。


なかなかに腹黒い上司が怪我で休養中に、彼女に成りすまし、ついでに愛人(ハリソン・フォード)まで自分のものにしつつ、彼の力も借りて出世しようとするヒロイン。
ギスギスしそうな物語をコミカル描写で緩和、
若い映画ファンは『プラダを着た悪魔』(2006)のほうが入り易いのだろうけれど、80年代を少しでもかじっている映画ファン歴の長いチューネンのなかには、『ワーキング・ガール』のほうが愛嬌があって好き、、、というひとも多いのではないかな。


次回のしりとりは・・・
わーきんぐがー「る」→「る」ーくすかいうぉーかー。

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明日のコラムは・・・

『ikiru』
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シネマしりとり「薀蓄篇」(289)

2019-05-13 00:10:00 | コラム
じどう「しゃ」→「しゃ」わー(シャワー)

きのうの内容を引き継ぐ感じになるけれど。。。

映画におけるシャワーシーンって、けっこう重要。

もちろんお色気サービス的な要素もあるが、
時間経過であったり、登場人物ふたりの関係性を示すものであったり、ときには、主人公の焦燥などを表現することも。

いわゆるボディダブル(=代役)を起用するのかどうかも大きなポイントで、人気女優本人がハダカを見せるとなると、たとえ「カラミ」がなかったとしても、ただそれだけのことで動員数が「伸びに伸びる」といわれている。

まぁ、そうだわよね笑

とはいえ。
いちばん最初に挙げるこの映画のインパクトが強烈に過ぎて、「映画のシャワーシーンといえば、これしか浮かばない!」というひとも多いのであった。

ちなみにジャネット・リーは実際に脱いでシャワーを浴びているわけではなく、このシーンのほとんどはボディダブルなんだって!!


『サイコ』(60)



こちら、レゴバージョン笑





『天国と地獄』(63)

身代金を出すか出さないかで悶々とし、とりあえずシャワーを浴びる権藤さん。

しかし浴びているタイミングで、犯人からの電話が入る。

『キャリー』(76)

シャワー中に初潮をむかえるヒロイン。

そして不運なことに、そこは学校だった・・・ことから、生理を知らぬ彼女はクラスメイトからバカにされてしまう。



つくづく可哀想なキャリー!!

『真夜中のカーボーイ』(69)

自分の身体を武器にして旅立つわけだから、そりゃあ自信たっぷり? に歌を歌いながらシャワーだって浴びるわな。

『アメリカン・ビューティー』(99)

そう考えるとこの映画のケビン・スペイシーは、ジョン「カーボーイ」ヴォイドに対する現代からの回答になっているのかもしれない。

だって彼は、ナニをしごきながら「きょう、ボクは死ぬんだ」と自嘲気味に呟くのだから。

『GONIN2』(96)

話の内容は忘れても、喜多嶋舞のド迫力ボディだけは忘れようにも忘れられない。

石井監督、わざわざ逆光を用いてカラダを強調するように撮っているし!!


あすのしりとりは・・・
しゃ「わー」→「わー」きんぐがーる。

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『シネマしりとり「薀蓄篇」(289)』
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NO NEW YORK

2019-05-12 00:10:00 | コラム
ぽかぽか陽気と冬に戻ったかのような寒い日が交互にきている感じがする、ここ数日の関東。

夏日の晩は一瞬だけシャワーで済ませていいかな・・・と思ったりするものの、結局は湯船に浸かりたくなり浴槽にお湯をためる。

10年前であれば「キンキンに冷えたビールを、より美味しく呑むため」なんていっていたが、最近はそうではないのかも、、、と思うようになってきた。

そうではなく、もうトシだから、疲れた身体をちょっとでもあたためたい、癒したい気持ちのほうが上回っている気がする。


そのクセして、2分くらいしか浸からなかったりして。

だから、湯に浸かる効果はあまり期待出来ないのかもしれない。

120秒の入浴であればもう、シャワーのみでいいんじゃね? と。

それでも、たった120秒でも湯に浸かりたい・・・これはもうトシっていうことでしょう。


と、ひとり納得しながらきょうも湯をためるのであった―。




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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(289)』
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