Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

令和版・海外俳優列伝(120)ジャック・ニコルソン(前)

2024-02-14 02:22:05 | コラム
37年4月22日生まれ・86歳。
アメリカ出身。

キューブリックに、


プライベートでも仲の良かったポランスキー、


満を持してのスコセッシ、


名匠巨匠と満遍なく組んでいる―わけではなく、同じロジャー・コーマン門下生であるにも関わらず、コッポラと組んでないのですよね。

もう俳優業を引退されているから実現出来ないけれど、たとえばコッポラ入魂の新作『メガロポリス』とかに出てほしかったなぁ!なんて^^


ニコルソン、二夜でいきます。

こちら、オスカー初受賞の際のスピーチ。
「最初のエージェントに、君は俳優に向かないといわれた。感謝するよ(笑)」…痛快だなぁ!!



<経歴>

たしかに下積みが長く、最初のエージェントがイヤミをいいたくなるのも分からなくはないかな(^^;)

アクターズスタジオで演技の基礎を学びながら、MGMのアニメーション部門でアルバイト。
技術的に秀でていたところがあり、監督たちから社員になるよう薦められるも俳優の夢を諦め切れず辞退する。

映画俳優デビュー作は、58年の『クライ・ベイビー・キラー』。
ヒットはしなかったものの、この演技が師匠コーマンの目に留まり門下生のひとりとなる。

もう解説する必要もないでしょうが・・・
コーマン門下生には、スコセッシ、ロン・ハワード、コッポラ、ジョナサン・デミ、ジェームズ・キャメロンなどが居ます。

映画には時代や価値観の変化などにより「遡って再評価」されることがありますが・・・
『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』(60)などは、その一例にあたるのかもしれません。

静かに恐ろしいホラーで、これはおすすめですよ。



ほかにも『古城の亡霊』(63)や『爆走!ヘルズ・エンジェルス』(67)など、「コーマンの映画」「ニコルソン、ブレイク前」という認識で観れば、充分に楽しめる佳作がいくつか。

さらに付け加えれば、67年の『白昼の幻想』では脚本を担当。
監督はコーマン自身が手がけ、出演にデニス・ホッパーとピーター・フォンダ。
原題は『The Trip』、つまり「ドラッグのトリップ」を主題とした実験作です。

映画の完成度は置いておいて、その実験精神はいかにも60年代的なのかも。

そして―この作品に出演していたふたりに乞われ参加したのが、69年の『イージー・ライダー』です。

ニコルソンがようやく陽の目を見ることになった、記念碑的作品なのでした!!

※男も女も、どちらも奇異の視線を向けている。意味はちがっていてもね―この映画を象徴する好きな場面です



つづく!

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あ、、、折れてる(^^;)

2024-02-13 00:10:00 | コラム
交通事故で2本、Gメン時代の乱闘やらなにやらで4本、通算で肋骨を6本折ってます。

なんか怪我自慢=武勇伝みたいだけれど、
それで骨的に弱くなっている??のか、なんとなく肋骨上部に痛みを感じ数日前からバンドを巻いている。

咳やくしゃみで激痛が走る。
靴下や靴を履くのがしんどい。
寝る体勢によっては痛みを覚える。

これは、、、と思って病院に。

うん、やっぱり折れていた(^^;)(^^;)(^^;)

しかし折れた原因が分からない。
まぁそれこそ「くしゃみで折れる」ことがあるくらいだからね、仕方ないしばらくはバンドを巻いて気をつける日々をつづけよう。

肋骨骨折の厄介といえば厄介なところは、ギブスなどを装着することが出来ない部位なので、バンドを巻いておくくらいしか対処法がないこと。
逆に幸いといえば幸いなところは、ギブスなどを装着しないために「気をつける必要はある」ものの、仕事などもこなせるってこと。

というわけで、ふつうに出勤してます。

くっつくのは、2週間くらい先か。

あぁ花粉症のピークにかぶらなくてよかった、ぎりぎりセーフですね^^




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令和版・海外俳優列伝(119)ジャッキー・チェン(後)

2024-02-12 03:11:53 | コラム
さて成龍のあゆみ、三夜目です。

黄金期はもちろん、80年代~90年代前半。
所属していたゴールデンハーベストは成龍印の映画で大繁盛、先輩にあたるサモ・ハン・キンポー(親しみ易い見た目ですが、演出家としてもすごいひと)、後輩にあたるユン・ピョウも人気者になりました。

ただ面白いというか、世の中うまくいかないよね…と思うのが、
ハリウッド進出は何度も失敗、

『バトルクリーク・ブロー』(80)は北米では話題にもならず、

『キャノンボール』(81)ではなぜか日本人という設定、
※向こうのひとにとっては、東洋人という括りなので中国も韓国も日本も同じなのでしょう※

『プロテクター』(85)はハードボイルドタッチの演出だったため、「成龍の軽さ」が微塵も感じられない刑事映画の凡作に。

3度目の正直というか、『レッド・ブロンクス』(95)でやっと当たる。

しかし!
ハリウッドで成功を収めた途端、作品の出来とは無関係に香港での興行収入は激減。

魂を売ったのか?みたいな。。。
(ハリウッド進出が)香港返還と無縁ではなかったことも遠因なのでしょうが。

さらにいえば、日本で大人気だったころの成龍の大活躍って、(香港ではなく)中国ではまったく知られていない状況でした。

つまり。
日本・中国・米国の3エリアで同時に大ヒットしたことがないのです、おかしな話だ…。


さて。
『プロジェクトA』(83)でエンジンがかかった成龍は、ときにサモ・ハンに演出を任せ、ときに本人が監督をしながら快作を連続投下していきます。

3人のかけあいと美女のからみが楽しい『スパルタンX』(84)、


知恵遅れの兄との関係が泣かせる『ファースト・ミッション』(85)、

デパートのポールをつたうアクションは映画史に残るであろう『ポリス・ストーリー/香港国際警察』(85)は・・・

・・・好評を受け、シリーズ化。

『ポリス・ストーリー2/九龍の眼』(88)
『ポリス・ストーリー3』(92)
『ファイナル・プロジェクト』(96)
『香港国際警察/NEW POLICE STORY』(2004)
『ポリス・ストーリー/レジェンド』(2013)

尤も2017年の『ポリス・ストーリー REBORN』はタイトルだけな気もするけれど(^^;)


事故の速報が流れたとき―記憶がたしかならば、『笑っていいとも』放送直後に川端アナが報じた―死んだかとマジで思った『サンダーアーム/龍兄虎弟』(86)、


パート2モノとしては「かなりのレベル」に到達していると評価出来る『プロジェクトA2 史上最大の標的』(87)、
※この予告編、大好き!!※


『サイクロンZ』(88)、
監督作でひとつ挙げろといわれれば、自分は迷わずコレと即答する『奇蹟/ミラクル』(89)、
※ヒロイン、グロリア・イップ(右端)の起用は日本での彼女の人気を聞いて決めたのだとか※


『プロジェクト・イーグル』(91)、

中身はアレだけど、ジョイ・ウォンとゴクミちゃんがひたすら美しかった『シティーハンター』(93)、


『酔拳2』(94)などなど、スライやシュワ氏と同様、肉体派ここにあり!!という最強のフィルモグラフィを展開。


前述したようにハリウッド進出もなんとか成功、CG隆盛の時代へと変わっていく流れにもなんとかあわせていく器用さも併せ持つ。

けっこう誤解されることのひとつとして「あらゆるスタントを自分でこなしている」がありますが、これは自身が否定しています。
「スタントを起用することもあるし、特撮を駆使することもある」って。

あともうひとつ。
強調しておきたいのは、成龍こそ男女同権を「極端に」実行している監督だと思うのです。

出たてのころのマギー・チャンとか、コテンパンですし!!
女優さんにも「ときに」スタント抜きにやらせるところを見ると、けっこうなサディストなのかも^^


それ以降の作品に・・・
『ラッシュアワー』(98…好評を受けパート2が2001、3が2007年に制作)、
『シャンハイ・ナイト』(2003)、『新宿インシデント』(2009)、
ミヤギ的なキャラクターでウィル・スミスの息子、ジェイデン・スミスの相手を務めた『ベスト・キッド』(2010)、
『ライジング・ドラゴン』(2012)、
『プロジェクトV』(2020)、『プロジェクトX』(2023)など。


正直にいいますと作品のクオリティ的に問題があるものも増えてきたため、自分も昔ほどは熱心に追っていません。
どうしても、黄金期を観直すことが多くなりました。

ともあれ。
偉大なアクションスターであることは(政治的発言がどうであれ)誰もが認めるはず、、、ですけれどね。。。


※1日べつのコラムを挟んで、列伝もうひとり行きます。
明後日は、ジャック・ニコルソンさんの登場。
二夜で展開します^^

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令和版・海外俳優列伝(119)ジャッキー・チェン(中)

2024-02-11 00:10:00 | コラム
さて政治的発言や立場などは前日に「丸投げ」して、映画俳優としての成龍の歩みを辿っていきましょう。

<経歴>

妻は台湾で活躍した元女優、ジョアン・リン。


父親は中国国民党の元スパイで、成龍自身も21世紀に入ってから知らされたいへんなショックを受けたという。

7歳で中国戯劇学院に入学、ここで10年かけて京劇や中国武術を学ぶ。
(そのころを描いた映画が、88年の『七小福』)

じつは読字障害を患い、10代のころはほとんど字が読めなかったそうで・・・
付き合っていた女の子から恋文をもらうも、まったく読むことが出来なかったという哀しいエピソードも。


やがて学院は閉鎖され、エキストラやスタントマンなどでキャリアをスタート。
先輩にあたるブルース・リーの『ドラゴン怒りの鉄拳』(72)『燃えよドラゴン』(73)にもエキストラ出演しています。

※ほら面影が! というより「まんま。」じゃんか!!



72年―抗日アクション映画『ファイティング・マスター』に準主役として出演、、、するも当たらず。
このころは「陳元龍」名義で、まだコミカルな「成龍」スタイルが確立していなかったのでした。

傷心した成龍は豪州に住む両親を頼り、芸能の世界から離れ飲食業に就く。

76年―世話になったプロデューサーの誘いに応え、再び香港に。芸名を成龍とし、再デビューする運びとなります。

その初期の佳作が、『少林寺木人拳』(76)。

じつは本国ではすぐに打ち切りになった失敗作ですが、日本で初めて成龍の映画が劇場公開された記念すべき作品なのであります。

口が聞けなくなった主人公の復讐譚…昔はよく地上波の洋画劇場で放送されたものです、これが泣けるんだ。



本国における興行面での成功は、77年の『蛇鶴八拳』あたりから。
『木人拳』のように暗い復讐モノが多い香港製のアクションにあって、成龍ならではの笑いの要素を初めて取り入れた作品で、これがウケたことから「カンフーコメディ」路線が定着していく。

主題歌も楽しい『カンニング・モンキー 天中拳』(78)は自分が初めて劇場鑑賞した成龍映画、


酒とカンフーを融合させた、いかにも成龍らしい『ドランクモンキー 酔拳』(78)、






『クレージーモンキー 笑拳』(79)、米国と合作した『バトルクリーク・ブロー』(80)などがスマッシュヒットを記録、
本国でもそこそこ評判にはなっていましたが、それよか日本で好評を得た―このことから、成龍の日本びいきが始まったとされます。

そういえば、河合奈保子さんとも噂になりましたしね^^


そして83年の『プロジェクトA』の大ヒットにより、ゴールデンハーベストと成龍、さらにはユン・ピョウ&サモハンの黄金期が到来するのでありました。


あすへつづく!!

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『令和版・海外俳優列伝(119)ジャッキー・チェン(後)』
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令和版・海外俳優列伝(119)ジャッキー・チェン(前)

2024-02-10 03:48:09 | コラム
54年4月7日生まれ・まもなく古希をむかえる69歳。
中国出身。

※本稿では、成龍表記で統一※

二夜で済むかとも思いましたが、自分にとって、とってもとってもとっても大事なひとだから三夜で展開したいと思います^^


まずは、どうしても述べておかなければならない事案について。

「パレスチナ・イスラエル戦争(=ガザ地区の有事)」に端を発し、映画・音楽業界が揺れています。

ノーコメントを貫けば「社会的に影響力を持つものなのに…」と失望され、
どちらかを支持すれば「そんなヤツとは思わなかった…」と(やはり)失望される。

先日開催された米グラミー賞でも、アン・レノックスがガザ停戦を呼びかけるスピーチを敢行するも途中で強制終了。

俳優ジェームズ・ウッズは「かなり」過激で、イスラエルを全面支持することを宣言し「停戦するな。妥協するな。許すな。皆殺しにしろ」とSNSで煽りを連投。


QTタランティーノもイスラエル軍の基地を訪問したことから「そっち側なのか、がっかり…」ということばも聞かれる。

もう少し微妙というか、複雑な立場なのはユダヤ系米国人のスピルバーグ。
パレスチナのテロ行為を描いた『ミュンヘン』(2005)を撮っている立場から、その発言が注目されるも「どうも歯切れが悪く」、「もう彼の映画を評価することなど出来ない」と極端な発信をする映画ファンも現れている。

こう並べるとアン・レノックス「こそ正しく」見えますが、米国の立場から放送に乗せられることが出来ずNGになってしまう。

では、どうすればいいのか。
この問題は自分が毎週視聴している配信番組『BLACK HOLE』でも取り上げられ、映画界に失望する若いリスナー投稿に対し、柳下毅一郎は「若さゆえ、ともいえる考えかた」と前置きをしつつ・・・

「その一面だけで評価・断罪していいものか、いや出来るわけがない」というようなことを発言していた。

もう、これに尽きるのではないか。

少し話が逸れるかもしれないけれど。

極悪人がヒューマンドラマの傑作を創ることもある。
クスリやレイプで捕まったものの演技や創作は、罪を理由に評価してはいけないのか。

みたいな、そんな話とも解釈出来るわけで広義の意味では。


自分のなかでは未だ、
『愛のむきだし』(2009)も『捨てがたき人々』(2014)も傑作。

もっといえば。
戦中に撮られた戦意高揚映画を「いまの視点で」批判することは出来ないし、そのいっぽうで「戦意高揚の振りをして、じつはそうでもない」黒澤の野心作『一番美しく』(44)に拍手喝采を送りたい。


『ゆきゆきて、神軍』(87)は映画としては大傑作だが、主人公・奥崎謙三の考えかたには「1ミクロンも」賛同出来ない…あぁこの映画も黒澤の話も、本稿のテーマとはぜんぜんちがいましたね、ごめんなさい!!


ものすごく簡単にいえば、
テロリズムや暗殺などを告発する社会派映画を撮っておいて、・・・書くのに勇気要りますが、いきましょう、そう、安倍晋三を殺した彼を英雄視する。たとえばそんな監督が居たとして、それはどうなんだべか??という話です。

さてここで、成龍の登場となる。

とくに近年、成龍は中国共産党と蜜月関係にあるとされ、

「共産党員がうらやましい。私も党員になりたい」

と述べたことから、香港から「裏切り者」呼ばわりされています。

「自由すぎると、香港のように混乱する。台湾も混乱している。中国人は管理される必要がある」

まぁたしかにこんなこといわれたら、一部では批判されるかもしれません。


トチ狂ったのか、成龍!?

いやそうではなく、いままで「その考えを、はっきり、公的に発してこなかった」に過ぎないのではないか。

あんなに楽しい映画を撮っていたひとが、共産党寄りのはずがない!台湾独立の考えを有しているに決まっている!!

そう思い込んでいただけでは??

天安門事件のころにまで遡れば、そりゃ共産党を批判していたかもしれないけれど。。。

・・・・・。

そう考えると、日本の芸能界はまだ活動し易いんじゃないかな。


ともあれ。
そのことにより、成龍の映画活動全般まで否定されるのは、どうにも納得がいかないファンなのでした。


※あすは、ちゃんと軌道修正して経歴を語ります。。。


※今野雄二が作詞で、高中正義が作曲なんてムチャクチャ豪華じゃないか…そして日本語巧い、さらにいえば、いつも三菱の自動車^^


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明日のコラムは・・・

『令和版・海外俳優列伝(119)ジャッキー・チェン(中)』
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