『おれからもうひとりのぼくへ』相川郁恵作・佐藤真紀子絵(岩崎書店) 2018年08月23日 | 日記 中学年向け 岩崎書店では、隔年で「福島正実記念SF童話賞」と「ジュニア冒険文学賞」の公募を行っています。 福島賞のほうは、小学校中学年向け。 ジュニア~は、高学年以上。 大賞受賞作は、書籍化。ここからたくさんの本が生まれ、作家がデビューしています。 『おれからもうひとりのぼくへ』は、今年の福島賞受賞作! 作者の相川さんは、「季節風」同人。つまり仲間です。先日初出版のお祝い会があり、そこで初めてお会いしました。 私と同年代の方! 嬉しいデビューです。 さて、作品は、「おれ」がある日、自転車とぶつかりそうになる。その自転車に乗っていたのは、「おれ」にそっくりなやつだった。そしてその後、身の回りの人の性格や関係がこれまでと違ってくる。ここは、おれの世界じゃない! と気づく、《パラレルワールド》の物語です。 こういう作品は、「こんなことないだろ」と思わせては、そこで終わり。この作品はそうではなく「ああ、もう一つの世界、あるのかも」と思わせてくれます。 小学生男子の人間関係の描き方にも、共感がもてます。 ぜひ、小学生に読んでもらいSFに目覚めてほしいな。