fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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『ごいっしょさん』松本聡美作・佐藤真紀子絵(国土社)

2020年12月04日 | 本の紹介
         

 もしかしたら、座敷わらしの話かな?
 そう思いながら読み始めました。
 違いました。

 「ごいっしょさん」は、4年1組の宮本修也が、同じクラスの関くんに「ごいっしょさんって、知ってる?」ときく場面から始まります。関くんは、妖怪好き。だから知ってるんじゃないかと思ったのです。でも、関くんは、そんな妖怪は知りません。
 宮本くんは、小さいときにおばあちゃんに聞いたことがある、「ごいっしょさん」のことを話しました。おばあちゃんがおなかの手術をするときに、「ごいっしょさんがそばにいてくれるから、だいじょうぶ」と言ったとのこと。そして、実は宮本くんも手術を控えていたことを、知ります。
 手術がこわいので、ごいっしょさんにいてもらいたい、でも、ごいっしょさんのことを知らない。だからきいてきたのです。
 関くんは、妖怪ごいっしょさんを想像して、その情報を書きます

 ごいっしょさん
 日本各地、どこにでも出没する。男の子のすがたをしている。だれもいないと思うのに、ポンと、からだになにかがあたったと感じたとき、すばやく「ごいっしょさん、ごいっしょさん、ごいっしょに」と、となえると、そばにいてくれるようになる。いっしょにいて、パワーをくれる。

 と。書いた紙は、宮本くんちのポストに入れました。
 
 さあ、そのごいっしょさん、本当に宮本くんのそばに現れて、呪文を唱えたら、そばにいてくれたんです。
 そして・・。
 
 ああ、こういう話、私も書きたかったなと思いました。
 クラスの子達がそれぞれ悩みを抱えながら、友達を思い合ってる。心があたたかくなる。そんな話です。

 松本さんは、『なみきビブリオバトル・ストーリー』シリーズでご一緒でしたが、こうして、それぞれが活躍してるのが、嬉しいです。

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