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◎2019年10月11日(金)
酸ヶ湯温泉駐車場(8:12)……大岳(10:29~10:46)……井戸岳(11:25)……赤倉岳(11:36)……宮様コース分岐(12:23)……宮様分岐……毛無岱……城ヶ倉分岐(14:01)……駐車場(14:28)
二日目の行き先は八甲田山。この連峰の紅葉はいかがなものかと、わざわざ奥入瀬を経由してやってきた。故郷に帰るにはかなりの遠回り。今回の北東北の一番のお目当て山行は八甲田山だった。南八甲田も気になったが、ネット情報では、周回となるとかなりのヤブ歩きを強いられるようで、ここまで来てヤブとの闘いやらクマとの遭遇では遠慮した。
八甲田山のイメージとしては新田次郎の『死の彷徨』の小説と映画もさることながら、自分には三沢基地というのがインパクトとして強く残っている。もう25年前のことだ。酸ヶ湯に泊まって八甲田に登った。その際、ハイカーに外人ファミリーが多く、何でだろう。どこから来たのか聞いてみると、<Misawa Base> という言葉が返ってきた。なるほど、米軍三沢基地というのがあった。以来、八甲田といえばすぐに三沢基地をイメージしてしまう。余談だが、三沢空港は民間、自衛隊、米軍が共有していて、いろいろとトラブルがあるらしい。大方の元は我が物顔の米軍にあるようだが。日米安保、地位協定を結んでも、個々の部隊や兵隊に日本を守るという意識は希薄だろう。それに気遣って多額の資金を提供し、わがままを聞き入れる日本政府もまたおかしい。沖縄問題もしかりだし、横田空域の存在なんてのも理不尽な話だ。
さて、どうせ行くなら宿を早いとこ出たいが、朝食は7時から。実は、自分は素泊まりで予約していたつもりで、そのための食料、アルコール類も大量に持参してきていたが、なぜか二食付きになっていた。ここまでぼけてしまったのでは朝食タイムを待つしかない。風呂に入れば朝から景気づけに飲みたくもなる。まして熱い湯だ。朝風呂は入らなかった。
(駐車場から。大岳がでかく見えている。左下に登山口)
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(登山口の鳥居)
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(階段状の登山道)
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(先行の団体さん)
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栗駒山ほどではなかったが、酸ヶ湯温泉上の駐車場は結構な賑わいで、昨日の奥入瀬の結果からして紅葉への期待は高まる。25人ほどの団体さんが体操をしている。あの隊列の後は歩きたくないなぁと思っていたが、こちらがグズグズしている間にさっさと先行されてしまった。
駐車場から北東方向に三角形の立派な姿の山が見える。あれが大岳のようだ。ここからでは色彩を感じさせない黒い姿になっている。むしろ駐車場周辺の紅葉が見ごろになっている。中腹ででもきれいな紅葉を楽しむことができれば幸いだ。もしかしてオオシラビソだらけなら、紅葉は期待できないかもと若干の不安な気持ちも出てくる。
登山口がわからず何となく車道を東に向かうと鳥居があった。そして「八甲田神社登山口」の石碑もある。その先に道が続いているので、これが登山道らしい。山頂には神社の奥社でもあるのかと思ったが、後で調べると、奥社があるのは高田大岳の方だった。入り込むと5分もせずに、先行の団体さんの尻尾が見えた。こちらを気づいてくれたので追い越しにかかったが、25人ともなれば長い。挨拶するのも面倒になる。声をかけられれば省略するわけにもいかない。中のオバチャンに「あらっ、いい靴履いているわね」と言われる。地下タビのことだ。「ワークマンで3千円も出せば買えますよ」と返すと笑われた。言葉のイントネーションからして東北や北関東ではない。さすが名山八甲田だ。小岳の方にでも行くのかと聞かれもしたが、そんな山がどこにあるのかも知らず、適当に、いや大岳ですよと答える。
別に足取りが軽やかとか調子が良いというわけでもないが、次々と先行者を追い越す。こんなことは久しぶり。色づいた葉が顔を出す。例外的な駐車場周辺はともかく、下は来週あたりだ。酸ヶ湯の標高は925m。今、歩いているところは1000mほどだろう。
酸ヶ湯が出たついでにここでいつもの得意な横道話。泊まって千人風呂に入った時のこと。仰向けになって打たせ湯を腹にあてていると、いきなり湯があたりに飛び散り、同時に自分の顔の上を茶色のナマコを挟み込んだような擦り減ったタワシ状のものが眼前を通り過ぎた。すぐに湯の流れは戻った。一瞬のことだが、何が起きたのかしばらくわからなかった。目を移すと、巨大な尻と乳を垂らしたオバチャンがタオルを片手にスッポンポンで悠然と歩いていた。何も人の顔をまたぐこともあるまいに。こういう混浴風呂には決まってメガネをかけた青年が入っているもので、みんなダラダラと長湯をする。偏見もあるが、「趣味は温泉巡りです」と年寄りくさいことを言う若い者に限って、裏を返せば「趣味は覗きです」と告白しているようなものだ。乳頭温泉に行った時も、うす暗いうちの朝一なら安心だろうと思ったらしきうら若い小太りの女性が一人で露天に入ってきたが、その前にオレと高木が入っていた。三人で世間話に興じているうちに、メガネ連中がぞろぞろと入ってきて、彼女に変化が現れ、今度は彼女が白濁の湯の中から出るに出られない状態になってしまった。顔はすでに上気の気配で、我慢できずに風呂から上がった彼女の背中は真っ赤になっていた。高木が腰にタオルを巻いて彼女を脱衣場までガードをしたような光景も記憶に残っているが、それとてスケベ心からだっただろう。他人事のように記しているが、自分もまたメガネをかけて何食わぬ顔を装い、青年らに混じって一部始終を食い入るように見ていた。ふだん、風呂に入る時はメガネを外すものだ。こんな光景やら女性の顔と体型はしっかり覚えている。それでいて、それぞれに登った八甲田と秋田駒の歩いたルートはからきし記憶がないから笑ってしまう。そういえば、乳頭温泉では高木と二人で囲炉裏端で二合徳利を12本空けてしまい、翌日、宿の主人にあきれられたものだ。秋田駒に山スキーに行った時だった。懐かしい思い出だ。
(ここは不毛の地になっている)
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(たまに見かけたが少し早いかなぁ)
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(ぬかるんだ道。これが随所にある)
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(木立の間から南八甲田)
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(絞りを調整すればきれいに写ったろうが、自分の技術ではとても。敢えて修正加工はしない)
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(同じくこれも)
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ふと広い荒地の空間に出た。これが何を意味するものなのかはわからない。スズタケのような枝が群れて枯れて倒れている。自然災害であることは確かだろうが、火山性の要因からきているのか。
登山道は次第に荒れてくる。樹の根が暴れているところもあるし、石ゴロ、泥状にもなっている。ロープウェイ以外ではこのコースが一番ポピュラーかと思うが、これはそれによる人災といったところか。だが、周辺の葉の赤味が次第に濃くなってきて、見ているだけでも気持ちがよく、あまり悪路は気にならない。黄色はブツブツになっていてきれいとはいえない。後日、森吉山に行った際、その紅葉にはがっかりしたが、今年は冷え込みがなかったので紅葉がきれいではないと地元に残った同窓生が言っていた。この辺もそうなのかもしれない。ただ、気分的にまだまだ栗駒山の紅葉と比較してしまうところがあるので、自分の表記を真に受けることは避けた方がいいだろう。
方向感覚がおかしくなってきた。正面に見える山は次第に大きくなり、その山肌のオオシラビソも一本一本確認できるようになったのだが、あれは大岳ではなく高田大岳ではないのかという疑問。地図上、登山道は小岳分岐というところで東から北に方向が変わるが、その分岐を過ぎたのかどうか気づかなかった。気づいていれば、あれは北に向かって大岳なのだが。コンパスを出して確認すればいいだけの話ながら、それはしなかった。なぜなら、この道は大岳に続いている標識も置かれているし、余計なことは考えずに紅葉だけを楽しみたかった。
(ササが出てくる)
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(南八甲田。ネット記事では櫛ヶ峰とあった)
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(ガレ場歩き。細い沢が流れている)
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(岩木山。下は黒石と弘前だろうか。以前の職場に黒石出身の女性がいた。年も近く気軽に会話ができた。彼女はすでに亡い)
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(登山道はガレから離れて右手に向かう)
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道はやがて細くなり、周囲の紅葉も濃くなってきた。ということは、この辺が、今日あたりは見ごろを迎えているということだろう。脇に崩壊地が見えるところで振り返ると南八甲田連峰が見える。あの一段と高い山は乗鞍岳だろうか(とその時は思ったが、どうも櫛ヶ峰のようだ)。今回はパスしたが、いつか南八甲田のヤブ道を歩いてみたい。骨折の後遺症である足の突っ張り感がもっと軽くなったらやりたい。今のようにたまに引きずるようではまだまだ先。それはともかく、南八甲田が右手ではなく真後ろに見えるということは、北に向かっているということになる。小岳分岐はやはり通過していたようだ。
南八甲田の解説看板があった。こちらは対して北八甲田というのだそうな。まぁ、どうでもいい当たり前のことか。視界が広くなりガレ場歩きになった。このガレ場、よく見ると沢状になっていて、ところどころに水流が見えている。看板には「地獄湯の沢」とある。こうなると、やがてハイマツ帯も近づき、上の紅葉は期待できまい。せいぜい、山肌にへばりついた低木の紅葉を楽しむしかなくなる。それはそれでいいだろう。景観も良くなるし。
オーッとため息が出た。岩木山だ。何とも神々しい。登れば俗っぽいところもなきにしもあらずだが、こうして遠くから見る分には文句の言いようはない。昭和39年の一月、あの山で大館鳳鳴高校の生徒が遭難して四人が亡くなった。事故そのものも意識として知っていたし、しばらく経ってからNHKがドラマ化したのも見た。転校することがなかったら、おそらくその高校に入っていた。その時、地元生まれの地元育ちの、いわゆる在郷(じゃんご)の母が「せっかく鳳鳴に入ったのにもったいない」と言ったことを思い出す。鷹ノ巣の女学校出の母の時代、旧制の大館中学校は秀才の学校だったんだし。この岩木山は以降、ずっと見え続けていた。普通は飽きるものだが、絶えず気になってはその姿を撮り続けることになる。
(斜面の色づきは乱雑で、きれいとはいえない)
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(そしてハイマツ)
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(オオシラビソも加わりはじめた)
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(あれが大岳と思って歩いている。よく見ると、正面の山は二段になっていて、色違いで手前と奥に分かれている)
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(辰五郎清水。次郎長の関係者かと思ったりした)
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酸ヶ湯温泉が小さく視界に入り、ハイマツ地帯になった。高度計を見ると標高は1200m。やはり低木の黄色がポツリポツリでオオシラビソが増えてきた。
沢沿いのガレから離れて木道が現れる。そして小沢がところどころに流れている。広々としながらも水源になっているらしい池塘は見あたらない。傾斜はかなり緩やか。前を歩いているハイカーは少ない。前に見えているピークが大岳であることはほぼ確実。「八甲田清水(辰五郎清水)」の標識。飲料可のようだがやめておく。下山してこの辰五郎清水は酸ヶ湯温泉にもあったのに気づいたが、ここから流れ出ているのか。辰五郎とはこの辺の案内人だったらしい。続いて仙人岱。広い湿地が続いている。位置関係がどうも怪しくなって頭の中が混乱してきた。事前に見ていた地図では仙人岱も先ほどの地獄湯の沢も、北転以前の場所にあったような気がする。地図を見ればいいのにそれをしない。
(こちらが大岳)
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(そして小岳分岐。さっきの二重の山は小岳と高田大岳だった)
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やはりだった。小岳分岐はその先にあった。真後ろに南八甲田が見えるから北に向かっているなんて論法は、まったくの方向音痴からくるもの。地図がなくとも太陽の位置を確認すれば明らかだったろう。別に大事を起こしたわけでもないので、自分をせせら笑うだけで済むが、ヤブ山だったらとんでもないことになる。実は、阿仁の地元に姫ヶ嶽という一等三角点の山があり、これは小学校の校歌の歌詞にも入っていて、町を象徴する山だが、この山にかねてから登りたいと思いながらも、地元でも麓の山菜採りが目的で、山頂まで登る物好きはまずいないから情報がない。森吉山のガイドをやっているヤツですら登ったことはないようで、クマだらけだとも言われた。ようやくネット情報を見つけ、その気になっていたのだが、今回はGPSを持参するのを忘れていた。そんな深いヤブ山は地形図に線を引いてもコンパスだけでは歩けるわけもない。だから今回は断念した。来年には登りたい。何を記しているのかわけがわからなくなったが、つまりは自分がすさまじいほどの方向音痴だと納得しただけのこと。
さて、この分岐でしばらく考えた。ハイカーの少なそうな高田大岳に行きたくなった。地図で確認する。手前が小岳で奥の三角が高田大岳のようだ。そっちに行っては4時間のピストンにならざるを得ない。となると、大岳方面への周回は時間的に厳しくなる。秋の日は釣瓶落としだ。ましてこちらの日没は早い。やめておこう。
ここで大岳がどのピークか特定でき、これまでそう思っていたのは高田大岳であることがわかった。駐車場から見えた山は確実に大岳だ。池塘が現れ、ササが迫った道は一時的に狭くなり、傾斜が若干きつくなる。ここでストックを出す。ここしばらくはストックなしで歩いていたが、やはりまだ手放せない。
(池塘というよりも池か。こういうところにモリアオガエルが生息する)
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(きれいな斜面の紅葉。これがしばらく続くわけではない。すでにハイマツ帯だ)
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(振り返って)
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(硫黄岳だそうな。南八甲田をバックで)
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(ここで小岳と高田大岳がはっきりと分かれて見えた)
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(このダラダラ登りがまた長い)
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(山懐は深い。右下に酸ヶ湯がかすかに見えている)
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(まだ続いている)
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(岩木山が気になって)
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(鏡沼)
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(旧火口を見て)
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(石祠)
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アオモリトドマツ(オオシラビソ)の解説板があった。そこに記された南側の硫黄岳を眺める。左側に樹がないのは左側の残雪が多いからとのこと。なるほどねぇ。この辺のオオシラビソは積雪期には見事なモンスターになる。
山頂が近づいている。道はクネクネして、針金の枠に石を入れ込んだ土嚢のような物(何というのかよく知らない。石嚢とでも言うのか)が続く。こうして土砂の流出を防いでいるのだろう。鏡沼で休んで、景色を眺めていると、オッサンが下って来た。なだらかゆえに山頂が見えず、いったいいつまで歩かせるのかと、多少飽きてきていたところだ。あとどれくらいですかねと聞くと、10分かからないでしょうとのこと。じゃ頑張るかと歩き続行。
もう少しで山頂かというところで、左側にお宮風の石祠が置かれている。新しいので見には行かなかった。コケでもついていたら行く。
平らな山頂に到着。スタートから2時間15分ほど。コースタイムはどれどれ、2時間5分。何だやけにオセエじゃねぇか。だったら、遅ついでに分岐から仙人岱避難小屋の見物に行けばよかった。こういう山と高原地図のコースタイムはどんな立場の人が計って記しているのか。エリアによって、例えば秩父あたりだとかなり厳しいタイムになっていたりするし、2/3もかからないで歩けるところもある。
(八甲田大岳山頂。ここまでの景色には満喫していた。登山道歩きとて、八甲田はバカにならない)
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(山頂の石祠)
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(陸奥湾。左が津軽半島で右が下北半島。澄んでいれば津軽海峡越しに北海道も見えるのだろうか)
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(これからあちらを経由する予定)
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(南八甲田)
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(改めて小岳、高田大岳。奥は雛岳か)
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(山頂もこちら側は三人だが、反対側からはどんどん上がって来る)
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(岩木山を少し大きくして)
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山頂にはぽつんと三人だけ。風もあって寒い。見るからに火山岩の小石積みの間に石祠があった。まずは、それが八甲田山神社の奥宮と思っていたから手を合わす。その時は奥社は高田大岳にあることは知らない。修験道らしきお札が置かれている。字面を読むと「奉修行八甲田山八峯如意祈文」とある。八甲田山というピークそのものはなく、連峰全体を指すことは知ってはいたが、八つものピークがあるのか。おそらくは北八甲田だけのことだろう。南を含めると、何とか岳という山は10を超える。
360度の展望が待っていた。まさかとは思ったが、青森市街と陸奥湾、恐山のある下北半島と竜飛岬のある津軽半島が一望とは予想もしなかった。そして超然とした岩木山の姿。またため息が出た。太宰治の描く暗い津軽の風景はここからは想像できない。それどころか吉幾三の『THUGARU』の歌詞の世界は下の平野のどこにあるのだろう。
また余計な話。太宰文学に対する評価はいろいろとあるが、太宰は決して戦争を賛美する小説は書かなかった。さりとて反戦にもなれず『津軽』なんかを書いて、戦争からは一線を画していたというか逃げていた。時勢的にはしょうがない。この小説家の戦争に対する真意がどういうものだったのか、自分にはよくわからないが、戦後の小説を読んだり、行動を知る限りは、終戦をあやふやに乗り切った小説家であるようにも思え、反面、そうした行動に徹した自分に対する失望感がずっと続いていたようにも思えなくもない。
紅葉があろうがなかろうが、この絶景は至福の世界だ。これに鳥海山と白神の山々、森吉山、岩手山、八幡平の山々、ついでに和賀山塊、秋田駒が見えれば贅沢というものだが、見えていたとしても、自分には特定はできまい。自分に明瞭なのは岩木山だけなのだから。設置された展望盤には、それら贅沢な山々のほとんどが記されていた。
しばらく眺望を楽しみ、風下に行って、一服つけた。その間に、どんどん山頂に上がって来るハイカー。追い越したらしき団体さんもやって来て、山頂も賑やかになった。もう少し楽しみたいが、騒音は苦手だ。やがては写真係を依頼されもする。追われる感じになったのは確かで、もう一本吸ってゆっくりくつろぎたかったが、下山にかかるとするか。短い至福の時もこれで終わり。
(反対側に下る。正面に擂り鉢状の崩壊地。火口跡かもしれない)
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(左のピークが井戸岳かと思っていた)
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(大岳鞍部避難小屋)
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(ここから見る大岳)
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ここからの下りで、後は消化試合かと思いながらも、この先にハイライトシーンが待機していることは知りもしない。今回だけは下調べもせず、単に八甲田の紅葉はもしかしてきれいだろうなと思って登ったが、事前にネット情報とかで調べると、そうでなかった場合の落胆も大きくなるというもの。それは避けて歩いた。それが結果として良かったということになることもある。
一気に避難小屋のある分岐に下った。避難小屋の後ろというか、正確には入口の正面ということになるが、井戸岳方面の斜面は崩壊し、擂り鉢状になっている。下に池塘があるところからして、崩壊ではなくあるいは火口の名残なのかもしれない。
新しい立派な避難小屋だった。名称は「大岳鞍部避難小屋」とある。数人のハイカーが休んでいる。振り返ると、大岳はオオシラビソの斜面になっていて、これでは紅葉は付きはしまい。
大方のハイカーはここから直接、上毛無岱に向かうようだが、自分の予定は井戸岳、赤倉岳を経由して宮様コースなるルートで上毛無岱に行く。宮様コースという名称からして、皇族の山好きが歩いたところから付けられたのかと思ったが、ネットで調べる限り、由来は不明。とてもじゃないが、高貴なお方がお歩きになるにはひどすぎる狭い泥んこ道だった。山スキーで下ったコースという考え方もできるか。
(また同じような感じの道を登る)
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(池には気づかなかった)
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(擂り鉢を横から見る)
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(ここを左に曲がって行くものと思っているが、井戸岳は正面の小高いところ)
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(ここにも火口跡。相当に火山活動が活発だったらしい。カール地形状になっている)
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(井戸岳山頂)
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件の擂り鉢斜面を横に見ながら、崩壊を避けるためか階段状になっているクネクネ道を登る。よく見ると、擂り鉢の斜面は草紅葉になっている。ハイカーがかなり下って来る。上り使用は今のところいない。地図を見ると、ロープウェイを使って田茂萢岳を経由してこちらに下れるようになっている。宮様コースのひどさを知っている人なら、遠回りしてでもこちらに向かうだろう。右手後方に小岳と高田大岳が明瞭に見える。自分の向かっている方向に、あれが井戸岳、奥が赤倉岳と見当をつける。だが、これも間違っていた。
平らになったところで左下にまた火口跡。グルリと回って左に岩峰があり、それが井戸岳と思っていたが、ロープでさえぎられた登山道はそちらには誘わず、北に向かっている。先に石積みのケルンと二人のハイカーが立っているのが見える。ほとんど傾斜のないところを行くと、そこが井戸岳だった。ちょっとあっけない感じだ。解説板には左下は噴火口とあった。休むほどに疲れてはいず、この山頂エリアは狭い、そのまま赤倉岳に向かう。
階段状の歩道が引き続く。下斜面間近にカヤのようなものが色づいている。解説板があった。カヤではなく「ガンコウラン」とある。これは草ではなく木の一種だそうな。漢字で記すと岩高蘭。この中にミネズオウ(峰蘇芳)というのも入り込んでいるらしいが、自分にはどれがどちらなのかはわからない。調べると、いずれも実と花を付けるらしいが、見る限りはともに見あたらない。
(本当にしつこいねぇ)
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(ガンコウランの群生)
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(赤倉岳)
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(先のあそこで休む)
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(あそこいい感じだなぁと思っているが、この時点では上から眺めるだけのスポットと思っている)
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(神社でちょい休み。これで今日はおしまいか)
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展望の良すぎる稜線を歩いて行くと、通りすがりのハイマツの中に赤倉岳の山名標識が置かれていた。その一角だけが広くなっているわけでもない。ピークらしからぬピークだ。ここで休むと、他のハイカーの邪魔になるだけだ。ちょっと先に行くと神社のあるスペースに出た。ここが赤倉岳の山頂代わりかと思われる。先着者がいたが、去ると一人。先ずは神社に手を合わせ、菓子パンを食べて一服付けていると、すぐにハイカーがロープウェイの方から上がって来たのでタバコは長いままにもみ消す。陸奥湾が大岳からよりも間近になった。ほとんど真下の感覚だ。
話は前後する。赤倉山の山頂からここに至る左下に、ハイマツ越しに広い草原状の平地が見えた。池塘もいくつかあって、草紅葉がかなり濃くなっている。ここからも一角は見えているが、これからあそこに下るとは思ってもいず、その時はただきれいな景色だなと思ったスポットだが、あの平地というか平原がこれからのハイライトになる。
(間近になった陸奥湾を見ながらの下り)
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(浅間山の蛇骨岳あたりを想起する)
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(下りながら左にどうしても気になる湿地帯。その時はただの平原でしかない)
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(ロープウェイ乗り場が見える。断言はできないが、田茂萢岳は左側の小高いところかと思う。ロープウェイの建屋のレストランでジンギスカンを食べた記憶があるのだが)
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(ここに至ってもどうしても気になる平原)
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(下り一方だ。この先下山まで、登りにかかるところはない)
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(いわゆる「宮様コース分岐」標識。ここを右に行くことになるが、直進はロープウェイになっていた)
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(こんな泥んこ道が続いている)
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登山道は取りあえずといった形で陸奥湾方向に向かう。相変わらずの階段道。進行方向には田茂萢岳と陸奥湾が見えている。田茂萢岳もまた点々としたオオシラビソに覆われていて、かすかに北側に赤味が覗き、標識は「八甲田ロープウェイ」方面に下っている。木道もたまに出る。
「毛無岱 酸ヶ湯」の分岐標識が出て左折。ここが地図上の「宮様コース分岐」となる。いきなりの泥道になった。ここを、この状態で皇族の山好きが歩いたとしたら、県と宮内庁の担当は左遷されるだろう。そして、皇族は「変化に富んだ歩きをさせていただきました」と苦笑いすることになるだろうが、もしかしてこの状態で歩かせたとしたらこの区間はスパイク付きの長靴を履いていただくことになるかもしれないが、決してワークマンの長靴を用意することはあるまい。想像するだけで笑える。庶民の一部は布製の地下タビを泥んこにして下っている。これもまた偏屈な山歩きスタイルといえるだろうが。
(テープが邪魔だが、一応、泥道に沿って見えた色づき)
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(ごちゃごちゃしているが、これが自然な紅葉でしょう。自分には整然したものよりも群れた方が好みだ)
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(視界が広がるところもある。あそこから下って来た)
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たまに木道が出てきたりはするが、段差があるところでは両手を地につく。こけたりもして、下トレパンもかなり泥つきになった。ストックはすでに収納している。視界がいくらか広がり、泥道も乾きだした。少しは落ち着いたところで周囲を見ながら冷静になると、ここはヤブ道にわざわざ造ったコースとしか思えない。左手前方に大岳、振り返れば赤倉岳ということになるが、まだハイマツ、オオシラビソにササが混じってごちゃごちゃしているものの、赤い葉も混じり、決して否定的な雰囲気ではない。これはこれでいい。ただ、前の光景が見えていない。登って来るハイカーはいず、追い越すハイカーは皆、文句たらたらに下っている。
(泥道にうんざりしながら下っていると)
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(下りきるとこんな光景が広がっていた)
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(角度を変えて)
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(木道はあくまでも続く。尾瀬ヶ原と違うところはオオシラビソの添え物だろう。見晴らしのベンチスペースが見えている)
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小さな池に沈んだ木道を渡ると、狭い視界がいきなり広がった。草紅葉の間に木道がずっと続き、その先には岩木山が浮かんでいる。そして、点在するオオシラビソ。これはなかなかの風景。まさに錦秋といった世界。泥道を下った苦痛はこれで半分は解消だろう。あとはこれが続くことを願ったが、願い通りにしばらく続く。思うに、そこを歩くとは意識もしてはいなかったが、赤倉山の手前で見えた草原の中を歩いているらしい。
周囲の風景にうっとりしながら歩いて行く。先に木道から逸れたところにベンチが置かれ、何人かのハイカーが休んでいる。せっかくだし、自分も腰かけて休む。タバコの臭いがした。だれかが吸っている。吸いたい気分になるのは不思議でもないが、その煙の臭いはここでは邪魔だ。自分は吸わなかった。
(休憩のベンチから)
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(これは丸沼)
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(名無しの池)
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(そろそろ終わりかと思っていた)
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目の前に小さな池と大きめの池。「丸沼」の標識が隠れるようにして置かれている。そして「毛無岱湿原」の解説板。これは目立つ。標高1000mか。尾瀬ヶ原とはまた違った雰囲気の広い湿原だ。ここではオオシラビソが印象的な存在だ。休むハイカーは次第に多くなってきた。どうやら、気づかないうちに大岳鞍部避難小屋からの直接コースに合流していたようだ。
この湿原はここで終わりかと思ったが、まだまだ先があった。池塘も多くなる。いくつかあるベンチコーナーで休んでいるハイカーが次第に多くなる。確かに山には登らずとも、ここの光景を見に来るだけでも価値はあるだろう。山頂から眺める陸奥湾もまた格別だが。歩きながら、少しタイミングは遅かったかもしれないが、八甲田に来て正解だったと思った。
(まだ下にさらに素晴らしい広い湿原があった)
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(前を歩く二人連れがしきりにカメラを向けていたので、時間稼ぎでこんなのを撮っていた)
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(ようやく撮れた。前のダンナの帽子が写ってしまった)
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(階段を下って行く)
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(ここもこれからだろうね)
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ただ、これだけの風景が続くだけなら、どこにでもありそうだが、さらに下って行くと、池塘の点在する湿地を見下ろす形になった。これは何とも素晴らしい。前を歩く二人連れがオレに気づいて、先に行ってくれと言い出したが、こちらも写真撮りに夢中になっている。いやいや、私も写真を撮っていますから気にしないでくださいとは言ったが、本音のところでは、この二人連れ、さっさと行ってくれないかなと思っている。景色の中にどうしても頭が入ってしまうのだ。結局、離れていくのをしばらく待機した。
(湿地帯を歩いている)
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(何やかやとカメラのせいにしたくはないが、光の加減で鮮やかにはならない)
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(栗駒山とは違った、こんな紅葉もまた好みだな)
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(池塘がインパクトにもなる)
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(あの斜面の紅葉はどうも気になって。北関東の山ではなかなか巡り会えない)
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(大岳を入れて)
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(やはりこれだねぇ)
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(身近もきれいだ)
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(きれいな黄色を見つけた)
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(しつこいかな)
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(ここが、今が盛りスポットだろう)
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湿原とともに見えている紅い葉がもっと鮮やかならベストだが、光の関係か、どうもくすんでしまう。これだけが心残り。黄色も鮮やかさがない。それでもここは別天地だ。こうして記していると、どうもベタ褒めのような気がしないでもないが、きれいなものは素直にきれいなのだから仕方がない。ここから見る大岳下部の山肌もまたくすみ加減ではあるが紅葉がへばりついた感じになっている。
(湿原は終わり、トンネル状の中を帰る形になり、少々寂しい思いが出る)
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(うるさいくらいの色づき)
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だが、こんな世界もまたエンドレスではない。やがて木道の先の視界が次第に狭まり、ハイマツとオオシラビソ混じりの色づきのヤブが濃くなり、階段を下るようになると木道は消え、むき出しの道もすぐに泥濘の道になった。酸ヶ湯1.4kmの標識が現れる。それでも乱雑に配置された紅葉の中を下っている。そして城ヶ倉分岐。地図を見ると、西に車道沿いに城ヶ倉温泉がある。ロープウェイ利用で周回するとなれば、酸ヶ湯に下るよりもそちらに下った方が、ロープウェイ駐車場には若干近いようだ。この城ヶ倉分岐はたまたま気づいたが、地図上のスポットである宮様分岐と毛無岱には気づかなかった。「岱」は元々、中国にある山の名前らしいが、転じて高原を意味する漢字らしい。日本の地名にもこの「岱」の字が付くところがある。知人にも、岱の字が付く町名に住んでいるのが二人いる。秋田と山梨。「毛」とは木々のことを意味するとすれば、あの湿地一帯が毛無岱ということになる。
(今日の山旅もこれでもう終わりかとがっかり)
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(下山口に着いてしまった)
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(酸ヶ湯温泉旅館。ここで25年前、高木は散々に酔っぱらって、だれもいない深夜のフロントカウンター台に上がって寝込んだりしていた。あり得ないことだ)
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(出がけと違って陽のあたりが違うと色具合も違ってくる)
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(栗駒山以来の満足)
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ようやく道が乾き、間近に酸ヶ湯温泉の宿が見下ろせるようになった。前を下るオバチャンが二人、どうぞお先にといってくれたが、別に追い越したい気分でもなかったので、一旦は断ったが、考えてみれば、真後ろでヒタヒタとタビ音が聞こえたらうっとうしいのかもしれない。じゃ失礼しますと追い越した。
酸ヶ湯温泉旅館は混んでいる。ここでも中国語が聞こえる。駐車場はこの先だ。少しの距離だが、車道歩きは毛嫌いだ。駐車場の車はかなり少なくなっている。車は暑苦しい陽を浴びていたので、日陰に車を移動し、縁石に腰かけて寛いだ。残った水を飲んで捨て、菓子パンをゆっくり食べて一服。
今日の八甲田の紅葉、例年の紅葉を知らないから比較もできないが、山頂からの景色、そして毛無岱の紅葉にも満足できた。栗駒山に比べると、といった話になるが、こちらはこちらで別種類の紅葉だ。比較する対象にはならない。
さて、明日の天気はどうかとスマホで調べる。やはりこちらにも台風が近づきそうだが、予報では雨は午後から。午前中は曇りで、何とか歩けそうだ。その分、早く出ればいい。どうせビジネスホテル泊まりだ。食事もなし。何時出発でもOKだ。早起きは得意だ。
だが、そうは問屋もあっさり卸さない。天気予報はやはりあてにならない。曇り空はどこの空? といった具合で、やはり台風19号は秋田にも影響を及ぼすことになった。
(大橋から見る渓谷。紅葉はまだ早い。ここを沢沿いに歩けば、クマと鉢合せになっても不思議ではないだろう)
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(山が深すぎる)
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(橋の反対側から大岳が見えた)
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(こちらもあと一週間くらいで紅葉真っ盛りになるようだ)
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(とりあえず盛りのところだけでも)
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どこにも寄らず、宿泊先の大館に向かうつもりだったが、途中で城ヶ倉大橋という橋を渡ると、渓谷になっていて、観光スポットになっている。気づいたのは遅かったが、橋の先にも駐車場があって、橋を戻る。上から見下ろす形になって、あまり本意でもないが、渓谷は、これからの紅葉になればさぞきれいだろう。
※今回の記事の写真は異様に多かった。ブログなんていうのは、所詮は自己満足の世界でやっていること。文章のまずさは写真でカバーしたいところだが、写真とてカメラ任せの素人撮り。どれほどカバーできたものやら。その点は加味して欲しいが、さほどに見事でもない八甲田の紅葉写真が栗駒山よりも多くなったのは、自分としては、なだらかさ一辺倒よりも清濁併せ呑んだような山容(「清濁」というよりも「硬軟」と記したいところだが)での地味な紅葉が好きなところからきたんだろうなと思ったりもしている。
酸ヶ湯温泉駐車場(8:12)……大岳(10:29~10:46)……井戸岳(11:25)……赤倉岳(11:36)……宮様コース分岐(12:23)……宮様分岐……毛無岱……城ヶ倉分岐(14:01)……駐車場(14:28)
二日目の行き先は八甲田山。この連峰の紅葉はいかがなものかと、わざわざ奥入瀬を経由してやってきた。故郷に帰るにはかなりの遠回り。今回の北東北の一番のお目当て山行は八甲田山だった。南八甲田も気になったが、ネット情報では、周回となるとかなりのヤブ歩きを強いられるようで、ここまで来てヤブとの闘いやらクマとの遭遇では遠慮した。
八甲田山のイメージとしては新田次郎の『死の彷徨』の小説と映画もさることながら、自分には三沢基地というのがインパクトとして強く残っている。もう25年前のことだ。酸ヶ湯に泊まって八甲田に登った。その際、ハイカーに外人ファミリーが多く、何でだろう。どこから来たのか聞いてみると、<Misawa Base> という言葉が返ってきた。なるほど、米軍三沢基地というのがあった。以来、八甲田といえばすぐに三沢基地をイメージしてしまう。余談だが、三沢空港は民間、自衛隊、米軍が共有していて、いろいろとトラブルがあるらしい。大方の元は我が物顔の米軍にあるようだが。日米安保、地位協定を結んでも、個々の部隊や兵隊に日本を守るという意識は希薄だろう。それに気遣って多額の資金を提供し、わがままを聞き入れる日本政府もまたおかしい。沖縄問題もしかりだし、横田空域の存在なんてのも理不尽な話だ。
さて、どうせ行くなら宿を早いとこ出たいが、朝食は7時から。実は、自分は素泊まりで予約していたつもりで、そのための食料、アルコール類も大量に持参してきていたが、なぜか二食付きになっていた。ここまでぼけてしまったのでは朝食タイムを待つしかない。風呂に入れば朝から景気づけに飲みたくもなる。まして熱い湯だ。朝風呂は入らなかった。
(駐車場から。大岳がでかく見えている。左下に登山口)
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(登山口の鳥居)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/4e/ce18555fb2057543e3cb6d7346844d46.jpg)
(階段状の登山道)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/55/2294f49aeba914afd9f9f657f9b2936c.jpg)
(先行の団体さん)
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栗駒山ほどではなかったが、酸ヶ湯温泉上の駐車場は結構な賑わいで、昨日の奥入瀬の結果からして紅葉への期待は高まる。25人ほどの団体さんが体操をしている。あの隊列の後は歩きたくないなぁと思っていたが、こちらがグズグズしている間にさっさと先行されてしまった。
駐車場から北東方向に三角形の立派な姿の山が見える。あれが大岳のようだ。ここからでは色彩を感じさせない黒い姿になっている。むしろ駐車場周辺の紅葉が見ごろになっている。中腹ででもきれいな紅葉を楽しむことができれば幸いだ。もしかしてオオシラビソだらけなら、紅葉は期待できないかもと若干の不安な気持ちも出てくる。
登山口がわからず何となく車道を東に向かうと鳥居があった。そして「八甲田神社登山口」の石碑もある。その先に道が続いているので、これが登山道らしい。山頂には神社の奥社でもあるのかと思ったが、後で調べると、奥社があるのは高田大岳の方だった。入り込むと5分もせずに、先行の団体さんの尻尾が見えた。こちらを気づいてくれたので追い越しにかかったが、25人ともなれば長い。挨拶するのも面倒になる。声をかけられれば省略するわけにもいかない。中のオバチャンに「あらっ、いい靴履いているわね」と言われる。地下タビのことだ。「ワークマンで3千円も出せば買えますよ」と返すと笑われた。言葉のイントネーションからして東北や北関東ではない。さすが名山八甲田だ。小岳の方にでも行くのかと聞かれもしたが、そんな山がどこにあるのかも知らず、適当に、いや大岳ですよと答える。
別に足取りが軽やかとか調子が良いというわけでもないが、次々と先行者を追い越す。こんなことは久しぶり。色づいた葉が顔を出す。例外的な駐車場周辺はともかく、下は来週あたりだ。酸ヶ湯の標高は925m。今、歩いているところは1000mほどだろう。
酸ヶ湯が出たついでにここでいつもの得意な横道話。泊まって千人風呂に入った時のこと。仰向けになって打たせ湯を腹にあてていると、いきなり湯があたりに飛び散り、同時に自分の顔の上を茶色のナマコを挟み込んだような擦り減ったタワシ状のものが眼前を通り過ぎた。すぐに湯の流れは戻った。一瞬のことだが、何が起きたのかしばらくわからなかった。目を移すと、巨大な尻と乳を垂らしたオバチャンがタオルを片手にスッポンポンで悠然と歩いていた。何も人の顔をまたぐこともあるまいに。こういう混浴風呂には決まってメガネをかけた青年が入っているもので、みんなダラダラと長湯をする。偏見もあるが、「趣味は温泉巡りです」と年寄りくさいことを言う若い者に限って、裏を返せば「趣味は覗きです」と告白しているようなものだ。乳頭温泉に行った時も、うす暗いうちの朝一なら安心だろうと思ったらしきうら若い小太りの女性が一人で露天に入ってきたが、その前にオレと高木が入っていた。三人で世間話に興じているうちに、メガネ連中がぞろぞろと入ってきて、彼女に変化が現れ、今度は彼女が白濁の湯の中から出るに出られない状態になってしまった。顔はすでに上気の気配で、我慢できずに風呂から上がった彼女の背中は真っ赤になっていた。高木が腰にタオルを巻いて彼女を脱衣場までガードをしたような光景も記憶に残っているが、それとてスケベ心からだっただろう。他人事のように記しているが、自分もまたメガネをかけて何食わぬ顔を装い、青年らに混じって一部始終を食い入るように見ていた。ふだん、風呂に入る時はメガネを外すものだ。こんな光景やら女性の顔と体型はしっかり覚えている。それでいて、それぞれに登った八甲田と秋田駒の歩いたルートはからきし記憶がないから笑ってしまう。そういえば、乳頭温泉では高木と二人で囲炉裏端で二合徳利を12本空けてしまい、翌日、宿の主人にあきれられたものだ。秋田駒に山スキーに行った時だった。懐かしい思い出だ。
(ここは不毛の地になっている)
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(たまに見かけたが少し早いかなぁ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/a1/bc4b43fa433d7804828bdb09053251b7.jpg)
(ぬかるんだ道。これが随所にある)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/a1/f3ea0b438c4013583fd8b378cd196837.jpg)
(木立の間から南八甲田)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/b0/972bd53a5870ef53f08d7bbfe5f9a2a0.jpg)
(絞りを調整すればきれいに写ったろうが、自分の技術ではとても。敢えて修正加工はしない)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/42/d37a1d6bad7f1d6f1d9d83add1949bd5.jpg)
(同じくこれも)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/24/494a0f5c535c34274bf783671bd336e5.jpg)
ふと広い荒地の空間に出た。これが何を意味するものなのかはわからない。スズタケのような枝が群れて枯れて倒れている。自然災害であることは確かだろうが、火山性の要因からきているのか。
登山道は次第に荒れてくる。樹の根が暴れているところもあるし、石ゴロ、泥状にもなっている。ロープウェイ以外ではこのコースが一番ポピュラーかと思うが、これはそれによる人災といったところか。だが、周辺の葉の赤味が次第に濃くなってきて、見ているだけでも気持ちがよく、あまり悪路は気にならない。黄色はブツブツになっていてきれいとはいえない。後日、森吉山に行った際、その紅葉にはがっかりしたが、今年は冷え込みがなかったので紅葉がきれいではないと地元に残った同窓生が言っていた。この辺もそうなのかもしれない。ただ、気分的にまだまだ栗駒山の紅葉と比較してしまうところがあるので、自分の表記を真に受けることは避けた方がいいだろう。
方向感覚がおかしくなってきた。正面に見える山は次第に大きくなり、その山肌のオオシラビソも一本一本確認できるようになったのだが、あれは大岳ではなく高田大岳ではないのかという疑問。地図上、登山道は小岳分岐というところで東から北に方向が変わるが、その分岐を過ぎたのかどうか気づかなかった。気づいていれば、あれは北に向かって大岳なのだが。コンパスを出して確認すればいいだけの話ながら、それはしなかった。なぜなら、この道は大岳に続いている標識も置かれているし、余計なことは考えずに紅葉だけを楽しみたかった。
(ササが出てくる)
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(南八甲田。ネット記事では櫛ヶ峰とあった)
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(ガレ場歩き。細い沢が流れている)
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(岩木山。下は黒石と弘前だろうか。以前の職場に黒石出身の女性がいた。年も近く気軽に会話ができた。彼女はすでに亡い)
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(登山道はガレから離れて右手に向かう)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/aa/8b5b4c17eca0ddfa8e9e061c0a0845df.jpg)
道はやがて細くなり、周囲の紅葉も濃くなってきた。ということは、この辺が、今日あたりは見ごろを迎えているということだろう。脇に崩壊地が見えるところで振り返ると南八甲田連峰が見える。あの一段と高い山は乗鞍岳だろうか(とその時は思ったが、どうも櫛ヶ峰のようだ)。今回はパスしたが、いつか南八甲田のヤブ道を歩いてみたい。骨折の後遺症である足の突っ張り感がもっと軽くなったらやりたい。今のようにたまに引きずるようではまだまだ先。それはともかく、南八甲田が右手ではなく真後ろに見えるということは、北に向かっているということになる。小岳分岐はやはり通過していたようだ。
南八甲田の解説看板があった。こちらは対して北八甲田というのだそうな。まぁ、どうでもいい当たり前のことか。視界が広くなりガレ場歩きになった。このガレ場、よく見ると沢状になっていて、ところどころに水流が見えている。看板には「地獄湯の沢」とある。こうなると、やがてハイマツ帯も近づき、上の紅葉は期待できまい。せいぜい、山肌にへばりついた低木の紅葉を楽しむしかなくなる。それはそれでいいだろう。景観も良くなるし。
オーッとため息が出た。岩木山だ。何とも神々しい。登れば俗っぽいところもなきにしもあらずだが、こうして遠くから見る分には文句の言いようはない。昭和39年の一月、あの山で大館鳳鳴高校の生徒が遭難して四人が亡くなった。事故そのものも意識として知っていたし、しばらく経ってからNHKがドラマ化したのも見た。転校することがなかったら、おそらくその高校に入っていた。その時、地元生まれの地元育ちの、いわゆる在郷(じゃんご)の母が「せっかく鳳鳴に入ったのにもったいない」と言ったことを思い出す。鷹ノ巣の女学校出の母の時代、旧制の大館中学校は秀才の学校だったんだし。この岩木山は以降、ずっと見え続けていた。普通は飽きるものだが、絶えず気になってはその姿を撮り続けることになる。
(斜面の色づきは乱雑で、きれいとはいえない)
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(そしてハイマツ)
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(オオシラビソも加わりはじめた)
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(あれが大岳と思って歩いている。よく見ると、正面の山は二段になっていて、色違いで手前と奥に分かれている)
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(辰五郎清水。次郎長の関係者かと思ったりした)
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酸ヶ湯温泉が小さく視界に入り、ハイマツ地帯になった。高度計を見ると標高は1200m。やはり低木の黄色がポツリポツリでオオシラビソが増えてきた。
沢沿いのガレから離れて木道が現れる。そして小沢がところどころに流れている。広々としながらも水源になっているらしい池塘は見あたらない。傾斜はかなり緩やか。前を歩いているハイカーは少ない。前に見えているピークが大岳であることはほぼ確実。「八甲田清水(辰五郎清水)」の標識。飲料可のようだがやめておく。下山してこの辰五郎清水は酸ヶ湯温泉にもあったのに気づいたが、ここから流れ出ているのか。辰五郎とはこの辺の案内人だったらしい。続いて仙人岱。広い湿地が続いている。位置関係がどうも怪しくなって頭の中が混乱してきた。事前に見ていた地図では仙人岱も先ほどの地獄湯の沢も、北転以前の場所にあったような気がする。地図を見ればいいのにそれをしない。
(こちらが大岳)
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(そして小岳分岐。さっきの二重の山は小岳と高田大岳だった)
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やはりだった。小岳分岐はその先にあった。真後ろに南八甲田が見えるから北に向かっているなんて論法は、まったくの方向音痴からくるもの。地図がなくとも太陽の位置を確認すれば明らかだったろう。別に大事を起こしたわけでもないので、自分をせせら笑うだけで済むが、ヤブ山だったらとんでもないことになる。実は、阿仁の地元に姫ヶ嶽という一等三角点の山があり、これは小学校の校歌の歌詞にも入っていて、町を象徴する山だが、この山にかねてから登りたいと思いながらも、地元でも麓の山菜採りが目的で、山頂まで登る物好きはまずいないから情報がない。森吉山のガイドをやっているヤツですら登ったことはないようで、クマだらけだとも言われた。ようやくネット情報を見つけ、その気になっていたのだが、今回はGPSを持参するのを忘れていた。そんな深いヤブ山は地形図に線を引いてもコンパスだけでは歩けるわけもない。だから今回は断念した。来年には登りたい。何を記しているのかわけがわからなくなったが、つまりは自分がすさまじいほどの方向音痴だと納得しただけのこと。
さて、この分岐でしばらく考えた。ハイカーの少なそうな高田大岳に行きたくなった。地図で確認する。手前が小岳で奥の三角が高田大岳のようだ。そっちに行っては4時間のピストンにならざるを得ない。となると、大岳方面への周回は時間的に厳しくなる。秋の日は釣瓶落としだ。ましてこちらの日没は早い。やめておこう。
ここで大岳がどのピークか特定でき、これまでそう思っていたのは高田大岳であることがわかった。駐車場から見えた山は確実に大岳だ。池塘が現れ、ササが迫った道は一時的に狭くなり、傾斜が若干きつくなる。ここでストックを出す。ここしばらくはストックなしで歩いていたが、やはりまだ手放せない。
(池塘というよりも池か。こういうところにモリアオガエルが生息する)
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(きれいな斜面の紅葉。これがしばらく続くわけではない。すでにハイマツ帯だ)
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(振り返って)
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(硫黄岳だそうな。南八甲田をバックで)
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(ここで小岳と高田大岳がはっきりと分かれて見えた)
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(このダラダラ登りがまた長い)
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(山懐は深い。右下に酸ヶ湯がかすかに見えている)
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(まだ続いている)
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(岩木山が気になって)
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(鏡沼)
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(旧火口を見て)
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(石祠)
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アオモリトドマツ(オオシラビソ)の解説板があった。そこに記された南側の硫黄岳を眺める。左側に樹がないのは左側の残雪が多いからとのこと。なるほどねぇ。この辺のオオシラビソは積雪期には見事なモンスターになる。
山頂が近づいている。道はクネクネして、針金の枠に石を入れ込んだ土嚢のような物(何というのかよく知らない。石嚢とでも言うのか)が続く。こうして土砂の流出を防いでいるのだろう。鏡沼で休んで、景色を眺めていると、オッサンが下って来た。なだらかゆえに山頂が見えず、いったいいつまで歩かせるのかと、多少飽きてきていたところだ。あとどれくらいですかねと聞くと、10分かからないでしょうとのこと。じゃ頑張るかと歩き続行。
もう少しで山頂かというところで、左側にお宮風の石祠が置かれている。新しいので見には行かなかった。コケでもついていたら行く。
平らな山頂に到着。スタートから2時間15分ほど。コースタイムはどれどれ、2時間5分。何だやけにオセエじゃねぇか。だったら、遅ついでに分岐から仙人岱避難小屋の見物に行けばよかった。こういう山と高原地図のコースタイムはどんな立場の人が計って記しているのか。エリアによって、例えば秩父あたりだとかなり厳しいタイムになっていたりするし、2/3もかからないで歩けるところもある。
(八甲田大岳山頂。ここまでの景色には満喫していた。登山道歩きとて、八甲田はバカにならない)
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(山頂の石祠)
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(陸奥湾。左が津軽半島で右が下北半島。澄んでいれば津軽海峡越しに北海道も見えるのだろうか)
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(これからあちらを経由する予定)
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(南八甲田)
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(改めて小岳、高田大岳。奥は雛岳か)
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(山頂もこちら側は三人だが、反対側からはどんどん上がって来る)
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(岩木山を少し大きくして)
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山頂にはぽつんと三人だけ。風もあって寒い。見るからに火山岩の小石積みの間に石祠があった。まずは、それが八甲田山神社の奥宮と思っていたから手を合わす。その時は奥社は高田大岳にあることは知らない。修験道らしきお札が置かれている。字面を読むと「奉修行八甲田山八峯如意祈文」とある。八甲田山というピークそのものはなく、連峰全体を指すことは知ってはいたが、八つものピークがあるのか。おそらくは北八甲田だけのことだろう。南を含めると、何とか岳という山は10を超える。
360度の展望が待っていた。まさかとは思ったが、青森市街と陸奥湾、恐山のある下北半島と竜飛岬のある津軽半島が一望とは予想もしなかった。そして超然とした岩木山の姿。またため息が出た。太宰治の描く暗い津軽の風景はここからは想像できない。それどころか吉幾三の『THUGARU』の歌詞の世界は下の平野のどこにあるのだろう。
また余計な話。太宰文学に対する評価はいろいろとあるが、太宰は決して戦争を賛美する小説は書かなかった。さりとて反戦にもなれず『津軽』なんかを書いて、戦争からは一線を画していたというか逃げていた。時勢的にはしょうがない。この小説家の戦争に対する真意がどういうものだったのか、自分にはよくわからないが、戦後の小説を読んだり、行動を知る限りは、終戦をあやふやに乗り切った小説家であるようにも思え、反面、そうした行動に徹した自分に対する失望感がずっと続いていたようにも思えなくもない。
紅葉があろうがなかろうが、この絶景は至福の世界だ。これに鳥海山と白神の山々、森吉山、岩手山、八幡平の山々、ついでに和賀山塊、秋田駒が見えれば贅沢というものだが、見えていたとしても、自分には特定はできまい。自分に明瞭なのは岩木山だけなのだから。設置された展望盤には、それら贅沢な山々のほとんどが記されていた。
しばらく眺望を楽しみ、風下に行って、一服つけた。その間に、どんどん山頂に上がって来るハイカー。追い越したらしき団体さんもやって来て、山頂も賑やかになった。もう少し楽しみたいが、騒音は苦手だ。やがては写真係を依頼されもする。追われる感じになったのは確かで、もう一本吸ってゆっくりくつろぎたかったが、下山にかかるとするか。短い至福の時もこれで終わり。
(反対側に下る。正面に擂り鉢状の崩壊地。火口跡かもしれない)
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(左のピークが井戸岳かと思っていた)
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(大岳鞍部避難小屋)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/ca/fa4412fc752d839f902d38473dbd40c3.jpg)
(ここから見る大岳)
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ここからの下りで、後は消化試合かと思いながらも、この先にハイライトシーンが待機していることは知りもしない。今回だけは下調べもせず、単に八甲田の紅葉はもしかしてきれいだろうなと思って登ったが、事前にネット情報とかで調べると、そうでなかった場合の落胆も大きくなるというもの。それは避けて歩いた。それが結果として良かったということになることもある。
一気に避難小屋のある分岐に下った。避難小屋の後ろというか、正確には入口の正面ということになるが、井戸岳方面の斜面は崩壊し、擂り鉢状になっている。下に池塘があるところからして、崩壊ではなくあるいは火口の名残なのかもしれない。
新しい立派な避難小屋だった。名称は「大岳鞍部避難小屋」とある。数人のハイカーが休んでいる。振り返ると、大岳はオオシラビソの斜面になっていて、これでは紅葉は付きはしまい。
大方のハイカーはここから直接、上毛無岱に向かうようだが、自分の予定は井戸岳、赤倉岳を経由して宮様コースなるルートで上毛無岱に行く。宮様コースという名称からして、皇族の山好きが歩いたところから付けられたのかと思ったが、ネットで調べる限り、由来は不明。とてもじゃないが、高貴なお方がお歩きになるにはひどすぎる狭い泥んこ道だった。山スキーで下ったコースという考え方もできるか。
(また同じような感じの道を登る)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/67/869770505906a89b32e3411556488fd0.jpg)
(池には気づかなかった)
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(擂り鉢を横から見る)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/6c/fd11a86585f0ea34046453ae17adce1a.jpg)
(ここを左に曲がって行くものと思っているが、井戸岳は正面の小高いところ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/f6/02fabe44a53d6ceb44aa55b0f53076de.jpg)
(ここにも火口跡。相当に火山活動が活発だったらしい。カール地形状になっている)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/a9/973fabaf574a35707cd1226dbb7d5cc3.jpg)
(井戸岳山頂)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/80/58ba06c0ad345e043401a572d4e6899f.jpg)
件の擂り鉢斜面を横に見ながら、崩壊を避けるためか階段状になっているクネクネ道を登る。よく見ると、擂り鉢の斜面は草紅葉になっている。ハイカーがかなり下って来る。上り使用は今のところいない。地図を見ると、ロープウェイを使って田茂萢岳を経由してこちらに下れるようになっている。宮様コースのひどさを知っている人なら、遠回りしてでもこちらに向かうだろう。右手後方に小岳と高田大岳が明瞭に見える。自分の向かっている方向に、あれが井戸岳、奥が赤倉岳と見当をつける。だが、これも間違っていた。
平らになったところで左下にまた火口跡。グルリと回って左に岩峰があり、それが井戸岳と思っていたが、ロープでさえぎられた登山道はそちらには誘わず、北に向かっている。先に石積みのケルンと二人のハイカーが立っているのが見える。ほとんど傾斜のないところを行くと、そこが井戸岳だった。ちょっとあっけない感じだ。解説板には左下は噴火口とあった。休むほどに疲れてはいず、この山頂エリアは狭い、そのまま赤倉岳に向かう。
階段状の歩道が引き続く。下斜面間近にカヤのようなものが色づいている。解説板があった。カヤではなく「ガンコウラン」とある。これは草ではなく木の一種だそうな。漢字で記すと岩高蘭。この中にミネズオウ(峰蘇芳)というのも入り込んでいるらしいが、自分にはどれがどちらなのかはわからない。調べると、いずれも実と花を付けるらしいが、見る限りはともに見あたらない。
(本当にしつこいねぇ)
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(ガンコウランの群生)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/df/8518c4aa5546d5d1bad4d4eea853eceb.jpg)
(赤倉岳)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/f4/6e610bcbf2f32c6ee4e0affde4fb2fd2.jpg)
(先のあそこで休む)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/0e/f4402deb676f55bc5a40f97dc63e7729.jpg)
(あそこいい感じだなぁと思っているが、この時点では上から眺めるだけのスポットと思っている)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/ed/ca223f70e3293575967477d443ea1182.jpg)
(神社でちょい休み。これで今日はおしまいか)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/e3/03e7c1192b1a477c906bdd5db7d656c2.jpg)
展望の良すぎる稜線を歩いて行くと、通りすがりのハイマツの中に赤倉岳の山名標識が置かれていた。その一角だけが広くなっているわけでもない。ピークらしからぬピークだ。ここで休むと、他のハイカーの邪魔になるだけだ。ちょっと先に行くと神社のあるスペースに出た。ここが赤倉岳の山頂代わりかと思われる。先着者がいたが、去ると一人。先ずは神社に手を合わせ、菓子パンを食べて一服付けていると、すぐにハイカーがロープウェイの方から上がって来たのでタバコは長いままにもみ消す。陸奥湾が大岳からよりも間近になった。ほとんど真下の感覚だ。
話は前後する。赤倉山の山頂からここに至る左下に、ハイマツ越しに広い草原状の平地が見えた。池塘もいくつかあって、草紅葉がかなり濃くなっている。ここからも一角は見えているが、これからあそこに下るとは思ってもいず、その時はただきれいな景色だなと思ったスポットだが、あの平地というか平原がこれからのハイライトになる。
(間近になった陸奥湾を見ながらの下り)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/be/f2c28497efa5e5136cd51bbbe4a04a6e.jpg)
(浅間山の蛇骨岳あたりを想起する)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/62/5b5871ab33134c8ffe5e08199f3d5a0c.jpg)
(下りながら左にどうしても気になる湿地帯。その時はただの平原でしかない)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/a4/5868a7de276c1ab69ab93c04f4be2b04.jpg)
(ロープウェイ乗り場が見える。断言はできないが、田茂萢岳は左側の小高いところかと思う。ロープウェイの建屋のレストランでジンギスカンを食べた記憶があるのだが)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/1c/83d11a15f34ecf48aeab7c31f44c2a4b.jpg)
(ここに至ってもどうしても気になる平原)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/93/4d570066fb975572ed8ab9186f6aef54.jpg)
(下り一方だ。この先下山まで、登りにかかるところはない)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/af/5de79603a3d655f32bb8748edb36fde3.jpg)
(いわゆる「宮様コース分岐」標識。ここを右に行くことになるが、直進はロープウェイになっていた)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/3f/46e1626f291850d3b6e396c78b160938.jpg)
(こんな泥んこ道が続いている)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/b9/842e9468063900fe092ddb6b7ee3d591.jpg)
登山道は取りあえずといった形で陸奥湾方向に向かう。相変わらずの階段道。進行方向には田茂萢岳と陸奥湾が見えている。田茂萢岳もまた点々としたオオシラビソに覆われていて、かすかに北側に赤味が覗き、標識は「八甲田ロープウェイ」方面に下っている。木道もたまに出る。
「毛無岱 酸ヶ湯」の分岐標識が出て左折。ここが地図上の「宮様コース分岐」となる。いきなりの泥道になった。ここを、この状態で皇族の山好きが歩いたとしたら、県と宮内庁の担当は左遷されるだろう。そして、皇族は「変化に富んだ歩きをさせていただきました」と苦笑いすることになるだろうが、もしかしてこの状態で歩かせたとしたらこの区間はスパイク付きの長靴を履いていただくことになるかもしれないが、決してワークマンの長靴を用意することはあるまい。想像するだけで笑える。庶民の一部は布製の地下タビを泥んこにして下っている。これもまた偏屈な山歩きスタイルといえるだろうが。
(テープが邪魔だが、一応、泥道に沿って見えた色づき)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/2e/3594611f0a950c54da7867312c90e1d4.jpg)
(ごちゃごちゃしているが、これが自然な紅葉でしょう。自分には整然したものよりも群れた方が好みだ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/96/67e56a30420d0323e094f9d1992cc176.jpg)
(視界が広がるところもある。あそこから下って来た)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6e/f4/fa3a3dd3c41402a4e2cafea0ea904b41.jpg)
たまに木道が出てきたりはするが、段差があるところでは両手を地につく。こけたりもして、下トレパンもかなり泥つきになった。ストックはすでに収納している。視界がいくらか広がり、泥道も乾きだした。少しは落ち着いたところで周囲を見ながら冷静になると、ここはヤブ道にわざわざ造ったコースとしか思えない。左手前方に大岳、振り返れば赤倉岳ということになるが、まだハイマツ、オオシラビソにササが混じってごちゃごちゃしているものの、赤い葉も混じり、決して否定的な雰囲気ではない。これはこれでいい。ただ、前の光景が見えていない。登って来るハイカーはいず、追い越すハイカーは皆、文句たらたらに下っている。
(泥道にうんざりしながら下っていると)
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(下りきるとこんな光景が広がっていた)
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(角度を変えて)
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(木道はあくまでも続く。尾瀬ヶ原と違うところはオオシラビソの添え物だろう。見晴らしのベンチスペースが見えている)
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小さな池に沈んだ木道を渡ると、狭い視界がいきなり広がった。草紅葉の間に木道がずっと続き、その先には岩木山が浮かんでいる。そして、点在するオオシラビソ。これはなかなかの風景。まさに錦秋といった世界。泥道を下った苦痛はこれで半分は解消だろう。あとはこれが続くことを願ったが、願い通りにしばらく続く。思うに、そこを歩くとは意識もしてはいなかったが、赤倉山の手前で見えた草原の中を歩いているらしい。
周囲の風景にうっとりしながら歩いて行く。先に木道から逸れたところにベンチが置かれ、何人かのハイカーが休んでいる。せっかくだし、自分も腰かけて休む。タバコの臭いがした。だれかが吸っている。吸いたい気分になるのは不思議でもないが、その煙の臭いはここでは邪魔だ。自分は吸わなかった。
(休憩のベンチから)
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(これは丸沼)
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(名無しの池)
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(そろそろ終わりかと思っていた)
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目の前に小さな池と大きめの池。「丸沼」の標識が隠れるようにして置かれている。そして「毛無岱湿原」の解説板。これは目立つ。標高1000mか。尾瀬ヶ原とはまた違った雰囲気の広い湿原だ。ここではオオシラビソが印象的な存在だ。休むハイカーは次第に多くなってきた。どうやら、気づかないうちに大岳鞍部避難小屋からの直接コースに合流していたようだ。
この湿原はここで終わりかと思ったが、まだまだ先があった。池塘も多くなる。いくつかあるベンチコーナーで休んでいるハイカーが次第に多くなる。確かに山には登らずとも、ここの光景を見に来るだけでも価値はあるだろう。山頂から眺める陸奥湾もまた格別だが。歩きながら、少しタイミングは遅かったかもしれないが、八甲田に来て正解だったと思った。
(まだ下にさらに素晴らしい広い湿原があった)
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(前を歩く二人連れがしきりにカメラを向けていたので、時間稼ぎでこんなのを撮っていた)
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(ようやく撮れた。前のダンナの帽子が写ってしまった)
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(階段を下って行く)
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(ここもこれからだろうね)
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ただ、これだけの風景が続くだけなら、どこにでもありそうだが、さらに下って行くと、池塘の点在する湿地を見下ろす形になった。これは何とも素晴らしい。前を歩く二人連れがオレに気づいて、先に行ってくれと言い出したが、こちらも写真撮りに夢中になっている。いやいや、私も写真を撮っていますから気にしないでくださいとは言ったが、本音のところでは、この二人連れ、さっさと行ってくれないかなと思っている。景色の中にどうしても頭が入ってしまうのだ。結局、離れていくのをしばらく待機した。
(湿地帯を歩いている)
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(何やかやとカメラのせいにしたくはないが、光の加減で鮮やかにはならない)
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(栗駒山とは違った、こんな紅葉もまた好みだな)
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(池塘がインパクトにもなる)
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(あの斜面の紅葉はどうも気になって。北関東の山ではなかなか巡り会えない)
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(大岳を入れて)
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(やはりこれだねぇ)
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(身近もきれいだ)
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(きれいな黄色を見つけた)
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(しつこいかな)
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(ここが、今が盛りスポットだろう)
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湿原とともに見えている紅い葉がもっと鮮やかならベストだが、光の関係か、どうもくすんでしまう。これだけが心残り。黄色も鮮やかさがない。それでもここは別天地だ。こうして記していると、どうもベタ褒めのような気がしないでもないが、きれいなものは素直にきれいなのだから仕方がない。ここから見る大岳下部の山肌もまたくすみ加減ではあるが紅葉がへばりついた感じになっている。
(湿原は終わり、トンネル状の中を帰る形になり、少々寂しい思いが出る)
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(うるさいくらいの色づき)
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だが、こんな世界もまたエンドレスではない。やがて木道の先の視界が次第に狭まり、ハイマツとオオシラビソ混じりの色づきのヤブが濃くなり、階段を下るようになると木道は消え、むき出しの道もすぐに泥濘の道になった。酸ヶ湯1.4kmの標識が現れる。それでも乱雑に配置された紅葉の中を下っている。そして城ヶ倉分岐。地図を見ると、西に車道沿いに城ヶ倉温泉がある。ロープウェイ利用で周回するとなれば、酸ヶ湯に下るよりもそちらに下った方が、ロープウェイ駐車場には若干近いようだ。この城ヶ倉分岐はたまたま気づいたが、地図上のスポットである宮様分岐と毛無岱には気づかなかった。「岱」は元々、中国にある山の名前らしいが、転じて高原を意味する漢字らしい。日本の地名にもこの「岱」の字が付くところがある。知人にも、岱の字が付く町名に住んでいるのが二人いる。秋田と山梨。「毛」とは木々のことを意味するとすれば、あの湿地一帯が毛無岱ということになる。
(今日の山旅もこれでもう終わりかとがっかり)
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(下山口に着いてしまった)
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(酸ヶ湯温泉旅館。ここで25年前、高木は散々に酔っぱらって、だれもいない深夜のフロントカウンター台に上がって寝込んだりしていた。あり得ないことだ)
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(出がけと違って陽のあたりが違うと色具合も違ってくる)
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(栗駒山以来の満足)
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ようやく道が乾き、間近に酸ヶ湯温泉の宿が見下ろせるようになった。前を下るオバチャンが二人、どうぞお先にといってくれたが、別に追い越したい気分でもなかったので、一旦は断ったが、考えてみれば、真後ろでヒタヒタとタビ音が聞こえたらうっとうしいのかもしれない。じゃ失礼しますと追い越した。
酸ヶ湯温泉旅館は混んでいる。ここでも中国語が聞こえる。駐車場はこの先だ。少しの距離だが、車道歩きは毛嫌いだ。駐車場の車はかなり少なくなっている。車は暑苦しい陽を浴びていたので、日陰に車を移動し、縁石に腰かけて寛いだ。残った水を飲んで捨て、菓子パンをゆっくり食べて一服。
今日の八甲田の紅葉、例年の紅葉を知らないから比較もできないが、山頂からの景色、そして毛無岱の紅葉にも満足できた。栗駒山に比べると、といった話になるが、こちらはこちらで別種類の紅葉だ。比較する対象にはならない。
さて、明日の天気はどうかとスマホで調べる。やはりこちらにも台風が近づきそうだが、予報では雨は午後から。午前中は曇りで、何とか歩けそうだ。その分、早く出ればいい。どうせビジネスホテル泊まりだ。食事もなし。何時出発でもOKだ。早起きは得意だ。
だが、そうは問屋もあっさり卸さない。天気予報はやはりあてにならない。曇り空はどこの空? といった具合で、やはり台風19号は秋田にも影響を及ぼすことになった。
(大橋から見る渓谷。紅葉はまだ早い。ここを沢沿いに歩けば、クマと鉢合せになっても不思議ではないだろう)
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(山が深すぎる)
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(橋の反対側から大岳が見えた)
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(こちらもあと一週間くらいで紅葉真っ盛りになるようだ)
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(とりあえず盛りのところだけでも)
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どこにも寄らず、宿泊先の大館に向かうつもりだったが、途中で城ヶ倉大橋という橋を渡ると、渓谷になっていて、観光スポットになっている。気づいたのは遅かったが、橋の先にも駐車場があって、橋を戻る。上から見下ろす形になって、あまり本意でもないが、渓谷は、これからの紅葉になればさぞきれいだろう。
※今回の記事の写真は異様に多かった。ブログなんていうのは、所詮は自己満足の世界でやっていること。文章のまずさは写真でカバーしたいところだが、写真とてカメラ任せの素人撮り。どれほどカバーできたものやら。その点は加味して欲しいが、さほどに見事でもない八甲田の紅葉写真が栗駒山よりも多くなったのは、自分としては、なだらかさ一辺倒よりも清濁併せ呑んだような山容(「清濁」というよりも「硬軟」と記したいところだが)での地味な紅葉が好きなところからきたんだろうなと思ったりもしている。
紅葉も、曇天にもかかわらず綺麗に撮れていますね.その後の青空の展望も抜群だし、歩いていて気分も最高だった事でしょう.
因みに、ホワイトバランスは多分オートだと思いますが、これを曇天に変えるだけでもより鮮やかに撮れるかも知れませんよ.
鳳鳴高校生遭難事故はかなり有名で、当時流行り始めたTVで見ていた記憶があります.ただ、事件としては阿仁だかどっか(年月失念)の〝小豆買い行商人殺人事件〟の方が大騒ぎになり やはりTVでドラマ化してたのを当時8人家族みんなで見た事を思い出しました.
八甲田山の紅葉いいですね。
2年前に歩いたばかりですが、懐かしく拝見しました。大岳からは居ながらにして太平洋と日本海が望めるとか、そんな景色を期待していたのですが、山頂ではちょうど雨に降られ全く展望が楽しめませんでした。360度の眺望羨ましいです。山頂から下北半島や海が眺められるって最高ですね!うっすらと浮かび上がる岩木山が何と言えません!
それに毛無岱の草紅葉いい感じですね。私は中途半端な時期に行ったのが悔やまれます(^_^;)
酸ヶ湯温泉では初めて聴いた津軽三味線にすっかり魅了され、なぜか翌月からお稽古に通い始め未だにハマってる始末です(笑)
八甲田山や東北の山々の紅葉は機会があれば行きたいですが、まず近場の紅葉、今シーズン一度くらいは堪能したいです!
私が奥入瀬でチャリに乗っている時に和賀岳、そして、八甲田山の時は秋田駒に行かれていたようですね。台風のことを考えれば、翌日は雨だったし、まずは日程としては無難な紅葉見物でしょう。ただ、私は秋田から離れたのは14日でしたから、通行止めやらにひっかかることはありませんでしたね。
おっしゃるとおり、ホワイトバランスはオートです。なるほど曇天合わせですか。今度、晴れた日の撮影にはどんなものか、比較してみますね。
その、雪田爺さんのおっしゃる小豆買い行商人殺人事件ですが、そんな事件が阿仁の奥であったということは母から聞いて知っていましたが、私が生まれる以前の事件のようで、母もまた詳しくなく、後になってネットで調べても検索しようがなく、結局はそのままになっています。ドラマ化して放映されたのですか。今でも、どんな事件だったのか興味がかなりあるのですけど。
ご家族8人とは随分な大所帯のようですね。うちは5人でしたが、考えてみれば、子供の頃は5人家族というのは、田舎では少ないようでしたね。
話は前後しますが、確かに八甲田山は十和田湖の先で遠い感覚になります。確かに北秋田あたりからだと2時間半はみておいた方がいいでしょう。山には登らずとも、毛無岱の風情は抜群ですよ。
HIDEJIさんが三味線の稽古通いですか…。意外ですねぇ。想像できませんよ。まぁ、そこらの三味線と違って、津軽三味線は激しくも切なくもあって、私も好きです。私の場合は、出張で青森市に行った際に寄った三味線酒場でしたけどね。高橋竹山を描いた『竹山一人旅』の映画なんか何度も見ましたが、HIDEJIさんも、見たことがなかったら蔦屋にでも行って探してみてくださいな。一応、高橋竹山と吉田兄弟のCDは持っていて、車の中で聴くことが多いですが、自分には、やはり竹山の三味線の方が津軽の景色にフィットして、哀愁が漂って好みです。
八甲田の紅葉の話になりますが、HIDEJIさんが行かれた九月では、その気配は感じてもちょっと早過ぎですよね。私が行った数日前が盛りだったといったところですが、やはり毛無岱あたりの風景は、晩秋に行ってもいいだろうなといった印象は持ちました。
山の紅葉も、盛りのタイミングもさることながら、やはり天気ですよ。煤けたような赤や黄色でも青空がバックなら映えるというものです。
ぶなじろうさんの那須の紅葉記事を拝見しましたが、もう落葉していたようで、どうも今年の紅葉情報は北関東に限ってはつかめません。むしろ、寺社仏閣、公園の紅葉情報が確実でしょうが、それではねぇ、ですね。
「小豆買い・・・」はいつなのか私も覚えてませんが、こそ泥かっぱらい位しか事件がない大田舎での出来事はかなり離れた下小阿仁村(旧合川)でも大騒ぎになったものです(と、姉から聞いてます).
八甲田山、一度だけ近くに行った事を思い出しましたよ.何処か展望台の様な所から広い裾野を見下ろした様な記憶が、、、40年位前かな?
〝毛無岱の風情〟ノートしておきます.
何となく理解できました。というのも、いくら経っても素人であり続けているものですから。いろいろとマニュアル本を買って読んだりはしているのですが、いつも、こんなややこしい撮り方しなきゃいい写真が撮れないのかと途中で放り出している始末です。ですから、つい、一眼を持っていてもコンデジでP撮影ばかりになってしまいます。これでは上達は無理でしょう。
小豆買い殺人は「小豆殺し」ということで覚えています。確かに、あんな山間を舞台に、クマとナタでバトルをした話題は聞いても、殺人事件しはおだやかなものではないですね。まして、余所者が来て起こした事件でしょ。地元には迷惑な話です。私の子供の頃、警察署は「米内沢警察署阿仁派出所」でしたが、さぞ大騒ぎだったでしょう。
八甲田の毛無岱は酸ヶ湯からからなら一時間もあれば登れますが、そこから見える大岳を見てしまうと、足を延ばしたくなるでしょう。ぜひ周回してみてください。陸奥湾と津軽、下北半島もなかなか圧巻の景色ですよ。
八甲田は自分の山スキーの原点という存在なので、なつかしく拝見しました。酸ケ湯上の駐車場は東ケト会的に積雪季にテントを張って通算20泊位した所です。
そんな折、やっぱりメガネをかけて毎夜千人檜風呂に入りましたヨ。結構キレイドコロもいたりして。
秋の八甲田は未踏なのですが、やはり毛無岱あたりが見所なんですね。
八甲田に長期にわたって、雪中テントで山スキー三昧ですか。すごいですね。それじゃ、ぶなじろうさんの山スキーの腕前も、雪山歩きも半端じゃないですね。ブログをこれまで拝見しながら、自分のような俄か仕上げとは違うなと思ってはいましたけど。
さて、ぶなじろうさんも酸ヶ湯ではメガネ組でしたか。きれいどころねぇ。私が入った時も確かにきれいどころは結構いましたよ。遠くの女エリアにね。混浴エリアまで来るのはカップルで来ている女。それを超えて来るのはオバチャン、バアチャンだけでしたけどね。メガネをかけて入る意味もなかったですよ。
八甲田は連峰ですね。火山性のニョキニョキの山が集まっています。その中のひっそりとした湿原、それが毛無岱ということになるのですが、色鮮やかな紅葉ではなく、あくまでも黄金色の世界です。好みはそれぞれですが、私には好印象のスポットでした。