たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

鳴神山から座間峠

2006年03月11日 | 桐生市周辺の山
◎2006年3月11日(土)―1人

 座間峠には過去に3回足を向けたことがある。1回目は14年前。座間峠経由で残馬山を目指したが、歩き始めて1時間もしないうちに虫に刺され、みるみる腕がふくれあがり、やむなく下山して皮膚科に直行。2回目は昨年の1月。すごい積雪だった。ゴム長で登ったのだが、腰までのラッセル。あと5分程のところで撤退。そして前回は12月。「座間峠らしい」ところに着いたのだが、ネットで見る光景とどうも様子が違う。きっと、峠そのものではなく、その周辺をグルグル周っていたのであろう。積雪があったので、自分の足跡をずっと追いかけていた。というわけで、いずれも草木ダムから入って縁の無かった座間峠に、今度は鳴神山経由で入ってみることにした。

 このルート、1/25,000地形図は4枚にまたがっている。主要部をコピーし、貼り合わせて持参した。かなり不便。

 樹徳の山荘前に一般車は置けないので、先の林道肩に車を止め、鳥居のあるところまで戻る(8時40分)。木品コースというらしい。薄暗い林の中の道を行く。間もなく大滝があるが(8時45分)、この時期ゆえか水量は細い。この先、道は明瞭で迷うことはないだろう。6人のグループが下りてきた。随分早く登ったのだろう。この時間に下山したら、物足りないような気にならないだろうか。傾斜は次第にきつくなる。どういうわけか、気まぐれでコンクリ道になっていたりして。

 「カッコウ草移植地」という看板があった。植物愛好家には失礼だが、自分には草花への造詣がまったく無い。興味がわかないのだ。覚えようとしたこともあった。図鑑を片手に山に登ったこともある。しかし、ダメなのだ。学習意欲のポーズをとったところで、関心が薄いから草花の名前も覚えられない。詳しい同行者から教わっても、「きれいだね」「ふ~ん」と答えて終わる。だから、カッコウ草がいかほどの貴重な山野草なのかさっぱり分からない。調べたところですぐに忘れてしまうだろう。

 狛犬と鳥居を見ながら最後の上り。鳴神山(9時45分)からの展望は素晴らしい。この山域随一ではなかろうか。山頂にはジイサンが1人。聞けば、鳴神には何百回と登っているそうだ。その割に座間峠方面の情報を尋ねたら、あまり詳しくない。まさに鳴神オタク。これから向かう北方面は、急降下、急登の様相だ。座間峠までは4.8kmとある。

 鳴神山にはちょっとした思い出がある。20年も前の話。どこからのコースか忘れたが、もう少しで山頂というところで、立ち止まって景色を眺めていたら、10mばかり目の前のヤブからいきなり女性が立ち上がった。むき出しのお尻をこちらに向けている。つまり用足しが終わって、立ち上がったところ。彼女は気配を察して振り向き、目が合ってしまった。すぐにまた、ヤブの中に姿を没したが、オレは覗いていたわけではない。気付きもしなかった。こっちだってびっくりしたのだ。バツが悪くなり、そそくさとその場から立ち去り、迂回して時間をかけて登った。山頂には彼女がいなかったのでほっとしたが、下りの途中で弁当を広げているファミリーの脇を通ったら、そこのママさんがオレをにらんでいる。彼女だったわけだ。あの目は犯罪者を糾弾する目付きだった。何も悪いことはしていないのに。

 さて、別ピークの仁田山岳を経由して急降下。鞍部(10時9分)には祠があった。鳴神山は雷電上人なる偉い坊さんが修行した山だそうだが、根本山の山岳信仰とは違うものなのだろうか。桐生には雷電山というのもあるが、上人と関係があるのだろうか。ここら界隈の山には随分と石祠やら石碑を見かけるが、根本山に限らず、すべての山が信仰の対象だったのだろうか。振り向けば、鳴神山が高くそびえている。かなりの下降。

 単調なアップダウンを繰り返す。ヤセ尾根になったり、木枝が邪魔するところもあるが、尾根伝いに行けば特別な問題は無い。一か所、984mピーク表示のしばらく先、右折降下すべきところをそのまま直進してしまい、ヤブが深くなったのでミスに気付き、戻り返したところもあった。そろそろ、表示板はあるが、ほとんどが支柱だけになっていたりしてくる。雨量観測計を過ぎた(10時55分)あたりで左下に舗装された林道が見える。鍋足沢の頭を通過(11時12分)。ここらから草木ダムとその先に袈裟丸が見えだした。

 いきなりラジオの高い音が聞こえた。何かと思って下を見ると、伐採をしているようだ。チェーンソーの音も聞こえる。ラジオの音はクマ除けであろうか。チェーンソーの音だけでも十分なのに。関東の道路交通情報の後、正午の時報が山に響いた。

 だらだらと進む。程なくちょっとしたピークに着いた(12時24分)。見覚えがあるところ。12月に座間峠周辺をさまよった時、ここに来た記憶がある。表示板は朽ちて破片となって散らばり、何と記されているのか判読できない。

 やがて道は二股(12時33分)になるが、どっちに進んでもいいのだろうか。左に入る。そしてピークを過ぎて下降すればようやく座間峠(12時39分)。前回の「座間峠らしいところ」は座間峠ではなかった。一種の感慨深いものがある。4回目にして座間峠に至った。ほっとしたところでカップラーメンとパンを食べた。

 正面には残馬山に向かう上り道がある。南は桐生市の表示がある。ここを下る。割に急な坂を下りると沢筋に合流。枯葉が厚くなっていて、道は分からないが、窪んでいるところを歩いた。水が流れ、日陰になっているところは凍っていて慎重になる。やがて林をぬけて高沢林道に出た(13時22分)。

 あとは一本道だろう。車を止めた所には14時少し前に着いた。

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