たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

山名はない。田沢奥山の南の1215.7m三角点峰を上田沢から周回。咲き乱れのアカヤシオは期待していなかったが、それなりに満足。久しぶりの山仲間との歩きも楽しめた。

2023年04月22日 | 近所の群馬県の山
◎2023年4月16日(日)…みー猫さん、ハイトスさんと。

駐車地(7:38)……標高点843m付近(8:40)……1215.7m三角点(10:52)……1119m標高点付近(12:02)……979m標高点付近(13:00)……駐車地(14:12)
※上記の時間はあくまでも到着時刻で、その間の度々の休憩タイムはかなりとっている。

 前後の経緯はさておき、みー猫さん、ハイトスさんの三人で、アカヤシオ見物を兼ね、自分には久しぶりの登山道なしの歩きをすることになった。ここずっと、頭と地図を使わない歩きばかりをしている。プラン作成はみー猫さんで、自分とハイトスさんはみー猫さんにくっついて歩くだけに過ぎないが、聞けばこのコースのオリジナル版は瀑泉さんとのこと。瀑泉さんのブログは拝見していたが、アカヤシオのメッカらしき田沢奥山からは離れた南側の地味過ぎとも思える尾根歩き記事は、正直のところ印象としてはあまり残っていなかった。これに田沢奥山が加わっていれば違ったかもしれない。それでも、改めて瀑泉さんのブログを拝見した。掲載された写真で、アカヤシオがきれいで、静かに楽しめる尾根のようだなと思った。どうやら、今回は、瀑泉さんルートをそのままに歩くようだ。山名無しの1215.7mの三角点ピークの周回になる。
 コース歩きが主になっている今の自分には、みー猫さんから事前に送られてきたルート図を見て、こりゃきついなと思った。三角点までの単純標高差は700mもあり、小ピークもいくつかありそうだ。いくら、明瞭な尾根歩きだとしても、果たして自分の体力で歩けるものやら疑わしい。後で知ったが、累積の標高は1300mを超えていた。ハイトスさんも含め、みー猫さんには自分らが足手まといの存在になるかもしれないが、みー猫さんに迷惑がかからないように歩ければいいと思っている。ハイトスさんには失礼だが、みー猫さんの歩きが度を越しているのでは仕方がないし、まして、数日前にも歩いているようだ。
 先日の雪と雨。さらに、いつもよりも早い季節の移ろいで、アカヤシオそのものは、おそらくはかなりのダメージを受けて終焉に近いだろうし、期待はほとんどなかった。ただ、日曜日の天気予報がはっきりせず、みー猫さんから、中止やら実行のメールが入っては混乱した。これは致し方あるまい。現に、当日、東京では予測もしない雷雨や雹も降ったようだ。それはともかく、別にこちらは、行く行かないはどちらでもよく、晴れたとしても、前日の雨露に濡れた歩きをしたくはなかった。ただ、コロナ禍も続き、久しぶりの仲間で歩くのは、今回は無理だとしてもいずれはやりたかった。結果として、実行したのは正解で、空は晴れて澄み渡っていた。ただ、風が吹けば強くて冷たかったし、その都度にパーカーを脱いだり着たりだった。
 根利八木原大間々線(県道257号線)の路肩で7時の待ち合わせということだった。こちらは犬の散歩もあったので7時半に延ばしてもらった。みー猫さんは7時過ぎには到着していたとのこと。5時半には家を出られたらしいが、自分には、そんな早出はいささか無理。目は早々に覚めるが、犬散歩がなくとも、コーヒーを飲んだり、バナナを食べてトイレやらで、起き上がりから出発までは一時間はかかる。とにかく、トイレに時間を浪費する。山中での用足しは慣れているとはいっても避けたい。

(集合して出発。お二人、何をしているのかわからないが、GPSを見ているような)


(ここから尾根に取りつく)


(尾根登り。湿っている)


 ハイトスさんが到着して早速出発。こちらはお手軽に地下タビだが、お二人ともにスパッツを付けている。蒸れやしないかと思ったが、露で濡れるかもという懸念からだったようで、最後まで外しはしなかった。登山靴だったとしても、自分にはスパッツはうっとうしい装着品だ。ただ、岩場とかで、ズボンの裾を岩角に引っ掛けたりする心配はないものの、後の下山時のことだが、ハイトスさんが、スパッツのゴムを倒れている小木の枝に引っ掛けて転倒し、軽い打撲と擦り傷を負ったことを考えれば、スパッツとて歩き方次第では万全ともいえまい。
 林道を歩いて行くと、釣り準備中のオジさんがいた。ここの常連さんらしい。こんな携帯もつながらないところで一人で釣りというのも恐い気がする。さて、この林道をそのまま行くのかと思ったら、早々にショートカット。引き続きの林道から尾根に取り付いた。やはり草や落葉は濡れている。布の地下タビが水を吸わなきゃいいがと気になった。結局、その懸念はなかった。

(早速、アカヤシオかと思った)


(ヤマツツジも見かけた)


(そしてミツバツツジ。正確にはトウゴクミツバツツジだろうが、違いを知らないので、ミツバで通す)


(歩きやすい尾根)


 早速、ツツジが現れる。アカヤシオかと思ったが、みー猫さんの指摘では色は淡いがミツバツツジ。ヤマツツジもある(ヤマツツジはこれきりだったかも)。あくまでもちらほらと見かけるだけだ。尾根は広く、最初は急に感じたが、すぐに緩くなった。陽も入り込み、歩きやすくて気持ちはよい。昨日の雨がなかったら、もっとカラッとしていたろう。

(これは確実にアカヤシオだろう)


(あとで確認すると、ここが843m標高点らしい)


 視界が開け、斜面にはポツラポツラとアカヤシオが見え始めた。小粒だ。それでもうれしい。そのうちに見える頻度が高くなり、つい期待してしまう。だが、咲いているのは決まって岩場の斜面だ。赤城山が見えた。黒檜の上には雲がかかっている。冷たい風は西から東に流れている。いずれ、上空の薄い雲も流されてくれるだろう。
 と、ここまで書いたはいいが、この調子では、ダラダラと先が長くなりそうで、自分の言語の感性の鈍さからして、同じ字句やら言い回しの繰り返しになりかねない。読み手も書き手もまたかとうんざりする。以降は、写真中心にさらっと流して記す。いずれアップするだろう、みー猫さんとハイトスさんのブログ記事を併せて読んでもらえれば、歩きの概要はもっとわかるはず。

(アカヤシオがポツラポツラと。あのピークが1215.7m三角点峰だろうか)


 久しぶりに仲間と歩くと、まして、先導はみー猫さんというよりも、自然にみー猫さん任せになる。自主性を欠く歩きだが、ずっと会話をしながらの歩きだから、たまに地図を出しては、みー猫さんやハイトスさんに位置を確認する始末で、今ここにいて、こんな景色だとか、アカヤシオがどうだったかは、一人歩きとは違って、まったく頭に焼き付いてはいない。それはそれで、半落ちながらもツツジを見られて、おしゃべりして楽しめたわけではある。黙々と一人歩きだったら、そういうことにはなるまい。ここでああだった、この先のあそこではこうだったと印象も強く残って詳しく語れもする。

(間近に見たいけど岩場の急斜面では行けない)


(栗生山が見えた)


(そして赤城山)


 前方はるか遠くにピークが見えてきた。あれが三角点峰だろうか。歩き出しから一時間半は過ぎ、標高点843mも意識しないままに通過している。やけに遠いなぁと思った。この辺から栗生山が見えてくる。栗生山は台形状で、山座固定が苦手な自分でもわかる。こんなマイナールートを歩いて、釣りのオジさん以外に誰にも会っていないところに比べ、栗生山だったら、数人と出会っていたかもしれない。赤城もくっきりしてくるが、黒檜だけは期待に反して、中腹まで薄い雲がかかったままだ。

(ここの踏み跡を行くとマンガン鉱窟らしい。行ってみましょう)


 岩場を通過すると、先はまた岩場になっているが、左に明瞭な道が現れた。みー猫さんに、どうしますか? と問われる。ここ行くとどうなるの? と聞くと、いずれ尾根に登らないといけないけど、マンガン鉱の掘削跡に出るとのこと。興味があって、ハイトスさんの同意も得ぬままに、そちらに行きましょうとなった。直進の尾根の樹にはテープの導きがあった。決して、左には行くなということではあるまい。

(黒い砂が見えて)


(掘削穴。入ってはみたが、奥行きはない)


 左に黒い砂っぽい土が見え、その先には掘削穴。いくつかある。横穴で深くはない。5mもあるかどうか。おそらくは試掘跡かと思う。小学生の頃、父の従弟が秋田に遊びに来たことがあった。異人館以外に案内するところもなく、父の苦し紛れの発想だろうが、働いている鉱山の坑内見物に連れて行き、自分もまた同行した。カンテラを点けて入り込んだ。空気は冷たく淀み、仕事終わりではあったが、多数の坑夫のカンテラ燃料のカーバイトの臭いが立ち込めていた。トロッコのレールが続いていた。この先は立坑だというところまで行った。かなり歩いた記憶だけはある。それに比べたら、銅と違って、マンガンは浅いところで採れる鉱物なのだろうか。かなり気になった。

(迂回からの尾根への登りで。いつものように、みー猫さん、たそがれ、ハイトスさんの順になってしまう。それぞれに意識はしていないが、みー猫さん頼りの歩きではどうしてもこうなる)


(とりあえず休憩。寒い)


 きつい斜面を登って尾根に出る。940mあたり。一服入れる。風がやたらと冷たい。それでもアイコスを吸って、何気なく二人の会話を聞いていたはずだが、気づいたら二人の姿が見えない。探した。風よけで尾根下で休んでいた。みー猫さんは菓子パンを食べていた。こことて、風は直接にはあたらないものの寒い。

(では先に行きましょう。植林上は道型になっている)


(アカヤシオが復活)


(岩場の登りとはいっても、むしろ歩きやすい)


(左に熊棚)


(赤城山もすっきりした)


(登って来た尾根)


 植林が近づいてすぐに離れた。植林尾根には明瞭な踏み跡が続いていた。自然林になると尾根型だけになる。アカヤシオが出てくる度に足は止まる。風が強いためか、花はかなり落ちている。岩尾根を登って行くと、左に熊棚が見えた。自分なら気づかないだろうが、みー猫さんだからわかった。確かに、この前後に、新しいクマのフンを見ている。岩場になると、決まってアカヤシオが多くなる。アカヤシオの植生というか習性なのだろうか。ここでまた赤城が見えた。黒檜の頭から雲はすでに消えている。ここまで登って来た蛇行した尾根も見える。標高はすでに1000mを超えている。地図を見れば、ここから50mほどの等高線が狭くなっている。

(下っている。こうしてみると、結構、急だ)


(次第に賑やかになってきている)


(ヤセたところもある)


(近づいて撮った。よく見ると、これからのツボミもあるが、黒くなったツボミはこれから開花ということはなかろう)


(ようやくここまで見られるようになった)


(うれしいけど、花が小さいのがなぁ)


(まだ先。一時的に花は消えた)


(ここで袈裟丸)


 咲き乱れるといったほどでもないが、アカヤシオを楽しみながらの急な登りはさほどに苦にならない。まして、アカヤシオも斜面から尾根上に上がって来ている。緩やかになったところで、赤城山の右手に連峰が見えた。どこの山だろう。位置的には袈裟丸かなと思ったが確証はない。いつも足尾方面から袈裟丸を眺めているから、その山並みの姿が違う。「あれ、袈裟丸だよ。八反張が見えるじゃない」とハイトスさん。「ということは、あれはウシロケサかー」とつぶやくと、「アトケサ」と訂正された。

(のんびりと歩けるが、花がないのが寂しい)


(三角点峰に到着)


(みー猫さんが取り付けたRKさんの標高板)


 三角点峰が間近になり、アカヤシオも増えてきた。このあたりだったろうか。みー猫さんが、鳥の声が聞こえると言い出し、ハイトスさんとオレには聞こえない。そのうちに、ハイトスさんが、あっ、聞こえるとは言ったものの、相変わらずオレにはまったく聞こえない。ここで聞こえたフリをして、話を合わせようとすると、会話がかみ合わなくなり、ヘタをすれば誤解を招くこともある。日常的にいつものことだ。黙っていた。
 三角点までは間もなくだが、広がった緩い斜面は歩きやすく、みー猫さんによれば、北やら東側から田沢奥山まで登る方は、この辺まで来てアカヤシオを見て戻るのだそうな。なるほどねぇ。いつもなら、この辺はもっと咲き乱れているということか。
 三角点峰に到着。山頂にあるのは三等三角点の標石だけ。RKさんの標高板が落ちていた。どこで見つけたのか、みー猫さんが長い針金で板を樹に巻き付けた。この三角点峰、基準点名は「小中」となっていた。勢多東の小中の地名から来たのだろうか。

(頭上にアカヤシオ)


(ランチにしましょう)


 山頂から少し下のところで食事タイムにした。見上げれば、アカヤシオがちんまりと咲いている。みー猫さんから漬物の回覧があった。そのみー猫さんから、これから田沢奥山に行きますか? と問われたが、行ける自信もないので、いやぁ…とにやけながら言葉を濁した。せっかくここまで来て、下っては登るを追加させ、またここに戻るのでは二時間はかかるだろう。歩けるわけがない。
 下りルートを地図で追った。往路よりも復路が長い。下りだから楽かと思ったが、市境尾根に小ピークが二つ。それを離れてからも二つ。たかが知れたピークだろうから、登り返しはたいしたものでもないようだが、750mから650mにかけてがきつい下りのようだ。
 では下りましょうかはいいが、アカヤシオの本番はここからだった。天候も加わり、出遅れた感はあったものの、これが何事もない天候続きの陽気だったら、トンネルに近い咲きっぷりだろうとは想像に難くない。それでも足が止まって先になかなか進まない。

 この文章を書きながら思ったこと。田沢奥山には2009年と2010年に続けて行ったことがあり、こんなにアカヤシオがきれいだったけかなぁと当時の写真を見てみた。2009年は5月10日で、残念でしたで終わった後。それがあったので、翌年は5月4日に行ったら、今度は早過ぎ。ツボミと小さな花だらけ。だから、盛りの田沢奥山のアカヤシオは知らない。そんなことよりも驚いたことは、自分は今回の三角点峰に寄っていたことだ。二年続けてだ。それぞれにRKさんの標高板を入れてセルフ撮りもしている。ともに今回のような南側からの歩きではなく、三角点で折り返している。かなり以前のことならまだしも、13年前のことすら忘れ、ここに来たことがあるような気がするといった気持ちすら起きなかった。何とも情けないというよりもやるせない話だ。鳥の声が聞こえなかった聴覚以前の、脳の衰えだ。余計なことだが、みー猫さんが括り付けたRKさんの標高板は、本来付けられていた樹ではなかった。

(下りながら)


(これは、アカヤシオをバックにして、ハイトスさんの動画をみー猫さんが撮っている。ハイトスさんがご家族に送るらしいが、もしかして、アリバイ工作だったりして)


(下りながら)


(下りながら)


(下りながら。ここでも、ハイトスさんのカメラで動画撮影。二重の安心か)


(下りながら)


(登りではアカヤシオが見えず、そろそろ終わりかなと思った)


(まだ続いていた)


(1119m標高点あたりかと思う)


(下りながら)


(下りながら)


(下りながら)


(下りながら)


(袈裟丸をバックにして。全開していたら絵になったのに惜しい)


(下りながら)


(市境尾根からはすでに離れている。尾根沿いの道型になっている)


 そんなことはともかく、過去二回も行った三角点峰から初めての感覚で下っている。ノーテンキでお目出度い。アカヤシオは盛んになる。ただ、花に元気がない。雨上がりでなかったら印象も違うだろう。まばらになって、そろそろ終わりかなと思った頃に、今度はミツバが出てくる。そしてしつこくアカヤシオ。何ともきりがない。この間に、前述のハイトスさんの転倒がある。腕には血がにじんでいた。
 地図よりも登り下りの繰り返しが多く、1119mの標高点も意識せずに通過。その先で、ハイトスさんが尾根筋に行こうとしたところでみー猫さんからストップがかかった。そのまま下ると、南東向けの市境尾根の歩きになってしまう。ここは南西に下らないといけない。このやりとりをオレはぼんやりと聞いて眺めていた。この態度はいけないねぇ。ここで地図を出し、しっかりと会話に加わって発言しないと。みー猫さんからストップがかからなかったら、おそらくは、そのままに南西に下って、とんでもない帰り道になったろう。だが、みー猫さんは冷静だ。もし、ハイトスさんと二人歩きだったら、末端までは下ることはないだろうが、途中でおかしいねと、改めて自分もGPSと地図を出して間違いに気づいて登り返すことになる。その場を想定しても、自分は、ハイトスさん任せに下っていたかもしれない。一人歩きなら慎重になるのが、複数だと、自分では何も考えない。いけない、いけない。

(下りながら)


(下りながら)


(左手に山桜)


(まだかいなと思ったが、アカヤシオはこれで終わり)


 アカヤシオは途切れない。そしてまばらになっても飽きない。毎回、毎回、独り言を言う。「これが最後だろうな」と。その「最後」がだらだらと続く。終わりなら終わりで、いさぎよく終わっていただきたいものだ。先に進めない。

(樹があくびをしている。歩く側にはあくびは出ない)


(もう花は終わりだろう)


(振り返る。1119m標高点ピークだろうか)


(あそこで休憩しましょう)


 大きなウロの開いた樹を見てから、アカヤシオはようやく消えてくれた。そして登り返して979m標高点。左手は植林だ。少し休んだが、風は相変わらずに冷たい。自分はさっきからパーカーを脱いだり着たりを繰り返している。手袋もずっとつけていない。風が冷たくとも汗はかく。二人ともにずっと手袋をはめ、同じ格好を続けているように見えるが汗をかかないのだろうか。
 ここで本日、三本目のアイコスを吸う。普段、人前では遠慮して吸わないが、二人ともに以前は喫煙者。そう神経は尖らせまいと勝手に思い込み、離れて吸っている。さすがに、煙が漂う紙巻タバコではまずいだろう。どこでだったか忘れたが、タバコの話が出た。ここでだったかもしれない。ハイトスさんは何度か禁煙をしていることは知っているが、今回は6か月経過だそうだ。もう大丈夫とは言っていたが…。みー猫さんの職場では喫煙所も撤去され、自分の車で吸うのも禁止されたそうだ。今や職場の常識だろう。喫煙の悪しさは、喫煙者自身がよく知っている。それでいて、アイコスだけを吸っていると、紙巻も吸いたくなり、結局、トータルすると以前よりも数量は増えたような気がする。これは、ハイトスさんに言わせると、紙巻でタールを補充したくなるからだそうな。なるほど。できれば、いずれやめたいものだとは思っている。現に二年間、禁煙したこともあった。そして、二年続けて、健康診断では多種の検査数値に※印が付いた。体重が5キロ増えたこともあろう。ストレスでまた吸い始めたら、※印はすべて消えたという実績がある。禁煙には踏み切れない。
 みー猫さんが持参のポカリを別の水筒に移し替えていた。いや、水に混ぜて薄めていたのだったか。自分にはよくわからない。素人の思いでは、汗出しの後にポカリで塩分をとれば、併せて水を欲しくなるような気がする。だから、ポカリの粉末を持参することはあるが、本体を持っていくことはない。

(もう何もないと思っていた)


(ところが今度はミツバツツジ)


(下りながら)


(下りながら。賑やかだねぇ)


(下りながら)


(下りながら。下手な写真はもういいか)


 下る。今度はミツバツツジだ。こちらはこれからといった感じだから、わざわざ足止めはされないが、急な下りから少し登り返して、本日ルート最後の小ピークを過ぎたあたりからうるさくなってきて足止め。みー猫さんの趣味はアカヤシオよりもミツバツツジとのことは以前聞いたことがある。どうしても連れられてしまう。
 ここでみー猫さんから提案。このまま下ると、等高線が狭いうえに、林道に合流する末端に崖マークがある尾根に入り込みそうだから、尾根を変えましょうと。別に異論はない。そうしましょう。そこで、なるほどと、自分の持参した地図で確認して納得するべきもので、そんなことも怠っている。地図読みができないわけではない。そんなことすらしないでみー猫さんに任せっきりでいる。この不甲斐なさ。実は、事前に地図に鉛筆で引いたルートは、しっかりと崖マークを避けた歩きになっていた。

(植林帯の下り)


(作業道に出る)


(ネットが現れる)


(意外と気を遣った下りになった)


(左て正面に栗生山)


 勾配が増してきて植林帯に入り込む。そして作業道が横切る。ここは尾根通しに突っ切る。やがて、尾根伝いにネットが張られている。このネット、上部ではところどころで倒れているから用を成してはいない。正面には栗生山。山肌は点々と白い。

(足場が悪くなる)


(ハイトスさんは慎重に下っている。こういうところは苦手なのかも)


(ここはみー猫さんのアドバイスで左から回り込む。オレなら迂回はしないだろう)


 ネットがあるからと安心はできない。ネットの裾は地面から垂れ流れているから、さっきのハイトスさんの転倒の例ではないが、地下タビのスパイクを引っ掛けたら転げ落ちる。ネットは伐採地跡だが、右手は植林で、例外なく急だ。幼木を包んだ袋を見るようになると足場が悪くなった。振り返ると、ハイトスさんが慎重に下っている。転倒がたたったのだろう。

(作業道に出た。終点は近い。この先でしばらく休憩となる)


 ようやくおさまって作業道に出た。駐車地まではあとわずかだ。ここで、オレがようやく自発的な意見を言った。「ここで休みましょう」。二人はきょとんとしていたが、「駐車地は薄暗いし、寒いかもしれないから」とその意図を申し述べると、納得してくれた。風はやんでいる。20分以上はだらだらとおしゃべりしたろうか。大方は以前、いっしょに歩いた思い出話だったりしたが、「こんど沢に行きません?」と言うと、ハイトスさんがおK3さんから「沢だけはやめてくれと言われている」そうだ。オレの場合、沢とはいっても、ただの沢歩きだけなのだが、うらやむほどのご夫婦の関係にオレがひびを入れるわけにはいくまい。ここは、ハイトスさんに、ロープも使わない沢歩きの楽しさをおK3さんにご指導願うしかない。

(林道が見えて)


(お疲れさまでしたで、本日のメニューは終了。6時間半歩きはオレには久しい歩きタイム)


 駐車地に到着。軽トラだったか軽ワゴンに乗ったジイさん二人が、車をとめ、うさんくさそうな顔でじろりと車内から帰り支度をする我々を見ていた。対応したのはみー猫さんだが、いつものように会話は聞き取れなかったが、どうやら、自分らの山菜だか釣り場でも、よそ者が荒らしにやって来たと思ったらしい。誤解はとけたようだったようで、険しい顔は安心した顔になって下って行った。
 選挙カーが間近に迫ってくる。そういえば今日が公示日だ。こんな山奥まで来ても、桐生市住民はいないだろうにご苦労なこった。まして、ここはみどり市をはさんだ桐生の飛び地だ。中心部からは遠い。高校の同級生が今回の市議選に立候補するという話を聞いたことはある。選挙カーが連呼する候補者の名前は彼ではなかった。街頭に立ち、通り過ぎる車に向かって笑顔で手を振る彼の姿を3日後に見かけることにはなるが。彼の選挙地盤は黒保根で、高校三年間を通じて同じクラスだった。

 今日は楽しかった。風は冷たく強かったが、期待していなかったアカヤシオも、想定以上に良かった。オツカレサン、ではマタ。と別れてそれぞれに帰途に就く。
 みー猫さんの車がしばらく前を走っていたが、上桐原交差点で突然左折して小平方面に向かって行った。小平の方から栃木に向かう道があるとは思えない。まさか、またどこか他の山にでも行くつもりなのだろうか。それとも下見か? みー猫さんならやりかねないな。かなりタフだし。みー猫さんには、我々との歩きに多少のストレスもあっただろう。

 途中の出だしから「以下、さらっと流す」としたのに、読み直すと、自身としては流したつもりでいても、読み手には回りくどい、いつものダラダラの長い文章になってしまったようだ。お付き合いいただきありがとうさんと言うしかない。

 掲載した写真だが、お気づきのように、ツツジの写真が多過ぎるわりには、さしてすごいと感心するほどのものはない。現に、アカヤシオは遠くから見ている分にはきれいだが、近づくと、Now元気中の花はあまり見かけなかった。遅すぎたのか、天候不順の影響かは、自分にはわからない。これからはミツバツツジがきれいに上までいくだろう。
 この三日後に行った足尾の向山では悲惨だった。まだツボミといったレベルならいいが、ツボミのままで死んでしまったのが多く、花嫁衣装も着ぬままにかわいそうにと思ったほどだった。それに比べれば、今回のアカヤシオはまだ良い方かもしれない。だから、ついさほどでもない写真を並べてしまった。みー猫さんとハイトスさんブログでは、きれいなアカヤシオを拝見できるかもしれない。

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4 コメント

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瀑泉さん (たそがれオヤジ)
2023-04-25 17:56:42
瀑泉さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
初めてのところ歩きでしたが、そうですか。ルート作成はでんさんでしたか。
往路は、みー猫さんが、雪でやられて云々と言っていましたから、こんなものかなとは思っていましたが、それがあったためか、むしろ、復路がタイミング良く感じました。その降雪がなかったら、もっとすごかったでしょう。まぁ、その気になったら、改めて来年も行ってみることにしますよ。今回の歩きに少しは変化をつけたいと思っていますが。
瀑泉さん、土曜日に利平茶屋から行かれましたか。実は私も土曜日に行く気になっていたのですが、朝起きたら、身体がだるいし、風も強かったのでやめて、日曜日に行ってきました。おそらく、同じコースの周回だったかと思います。私も満足して帰ってきました。
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Unknown (瀑泉)
2023-04-24 22:04:28
田沢奥山周辺へ行って来られましたか。
ちなみに此処のオリジナル版はでんさんで、自分やふみふみぃさんは、でんさんの後追いをしたダケですヨ。
ただ、でんさんも以前は何度も足を運んでおられましたが、復路の伐採地が植林されてからは、しばらく足を運んでいないみたいですが。
それはさておきアカヤシオの状況、復路の尾根はちょうど良かったようですが、やはり往路側は少し早かったみたいですネ。
まぁ、昨年もそうでしたが、此処は南(復路)側の方が、北(往路)側の尾根に比べて幾分早く開花するんですヨね。なので、この前の週末が狙い目だったと思うのですが、どうも北側上部の一番良い時季は、赤城山の利平茶屋周辺と被るようで、悩ましいところなんですワ。
で、土曜はこの田沢奥山周辺と利平茶屋周辺とを秤にかけて、結局、利平茶屋から鳥居峠へ行って、満開のアカヤシオに満足して来ました。
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みー猫さん (たそがれオヤジ)
2023-04-22 23:49:56
みー猫さん、こんばんは。
相変わらずにお元気で。今、飯森山で夕陽見物ですか。今日は寒いんじゃないですか。今朝、起きたら、風が強いので赤城に行くつもりもやめにしたくらいです。
みー猫さんからいただいたクラッチステップは交換しましたよ。参考記事で、あんなに無理せずとも、仮固定して、あとはクラッチのステップで押し込めば、簡単にいきました。
あのジイさんたちは釣りでしたか。先入観で地元の山菜採りとばかりに思っていましたが。ペットボトルのポイ捨ては見もしませんでしたが、あの顔つきからして、質はよくないなとは思っていました。
みー猫さんには、ストレス歩きだったかもしれませんが、少なくとも私には久しぶりに楽しい山行でしたよ。あのルートを一人で歩いていたら、おそらくは何度も立ち休みだったかと思います。それがなかったのは、自分には快挙です。苦痛に登るのも達成感はありますが、たまには、こんな、自分には楽しく、苦痛を感じない山行を楽しみたいものです。
気まぐれでけっこうですよ。また誘ってくださいな。
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Unknown (みー猫)
2023-04-22 18:07:32
たそがれさん、こんばんは。
止めるとか、やるとかなってしまいすいませんでした。咲き具合は予想よりも良かったです。楽しい時間をありがとうございました。釣屋にからまれたのはハイトスさんですね。トレードのフィッシングベストが、勘違いされたんじゃないかなと思います。ペットボトルをポイ捨てしていった位だから、質が知れますね。こんな人と同じと思われるなら釣りはしたくないと思いましたです(スキル無く出来ないですが)福島県境の飯森山に泊まりに来て、電波が通じるので拝見しました!飯豊に雲が湧いたので夕陽は残念になりそうです。お疲れ様でした。またの機会によろしくお願いします。
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