うちの母さんは、
猫が嫌いだ。
おはようございます。
子供の頃、私はあらゆる動物を拾って帰った。
ハトの雛やコウモリ、亀や何かの幼虫と、
実に子供らしい拾い物をしては、もれなく叱られた。
当時は、不思議と猫は拾った記憶が無いのだが、
猛々しい鶏を拾って帰った時は、さすがの母さんも、
叱る事を忘れて、悲鳴をあげた。
動物が得意ではない母さんから見れば、
私は手に余る子供だったろう。
母さんは、私の事を、腫れ物かイボか魚の目のように扱っていた。
今思えば、私は脅威だったのかもしれない。
口数も少なく、何の主張もせず、甘えもねだりもしなければ、
時には数日、何も食べ物を口にしなくなるような、
そんな訳のわからない子供だった。
「鶏て!そんなもん、どこで拾ったんや?」
それしか、言葉が見つからないのも仕方ない。
養鶏場が近くにある訳でもなければ、
ご近所さんに鶏を飼っている家がある訳でもないのに、
見つけてきてしまうのだから、仕方がない。
それでも、どうにか健康に育て上げ、
嫁に出したと安堵したのに、出戻って来た。
「親孝行しない代わりに、暇つぶしの相手になってやる!」
と、豪語して出戻って来た。
母さんからすれば、その訳の分からない発言も脅威だったろう。
そして、まだ治ってはいなかった訳だ。
動物を拾う癖。
実家に預けた猫の数は、ほくろで7匹目だ。
だから、私は7回叱られたことになる。
「わしは、知らんぞ。猫なんて預からん。」
母さんは、子供の頃から猫が一番嫌いな動物だというのに、
娘は、そんな事お構いなしで、
凄い剣幕で叱る母さんに、「ほいっ」と手渡す。
そんな母さんは、猫アレルギーだ。
猫を預かると、必ず鼻水が止まらなくなる。
母さんは、猫アレルギーの自覚はない。
ずっと風邪気味だと思い込んでいるから、
だから、私は、黙っている。
「母さんは、猫のアレルギーだと思うぞ」とは絶対、教えてやらないし、
教えたところで、母さんは認めはしない。
だって、毎回、無理やり子猫を抱かされると、
母さんの顔が、ふわっと緩むんだもん。
ほくろを預かって間もない頃
母さんの足は、子猫の爪で傷だらけ。
ご飯も、落ち着いて食べれやしない。
そして、今でも、やっぱり
ほくろは、母さんと遊ぶのが一番好きだ。
明日から、私は大型連休に入り、
それを機に、ほくろはジジババ保育園を卒園する事と相成る。
ほくろ?
ジジババ保育園で遊ぶのは楽しかったな。
ほくろ「ばちゃん、だいちゅき」
なんちゅー顔や!
母さん、毎度ありがとうございます。
あっ、盆過ぎ頃から、次の3匹、送り込むからな~ヒッヒッヒ。