私は、過去に
文明を捨てようと試みた事がある。
おはようございます。
朝目覚めるには、携帯のアラームが必須だし、
顔は蛇口をひねれば、すぐに洗える。
寝ぐせだって、その流れで髪を濡らせば、それで収まる。
収まらない跳ねなど、放っておけばいい。
洗いたての服は、洗濯機が洗ってくれている訳で、
自分の力で洗っている訳ではない。
あら?鼻の下の産毛が伸びてるわ!
そう気づいても、すぐに剃れる。
おじさんの髭剃りで。
そこに、ぶ~んっと蚊が一匹飛んできた。
たった独りで、こんなとこまで血を吸いに来たのか?
裸一貫で。
おまえ、すごいな。
純粋にそう思った。
便利な暮らしをしていると、たまにふっと不安になる。
何もかも、自力で生きてる実感が湧かない。
自分を保つために、どれほどの物が必要かを数えると、
私は、小さな蚊よりもはるかに脆いと思えて、ゾッとした。
そこで、まずは身近な文明を捨ててみようって思ったんだ。
シャンプーするという文明を捨てた。
美容院でおしゃれな髪型にするという文明を捨てた。
顔に化粧を施すという文明を捨てた。
洗剤を用いて洗濯機で洗うという文明を捨てた。
皿もアクリルたわしを自力で作って、食器洗い洗剤という文明を捨てた。
都会的なバッグを捨てた。
5枚の衣服を残して、他の衣類は捨てた。
靴下を捨てた。
見栄を捨てた。
数年かけて、仕上げた自分は
原人っぽくなった。
ねっ、愚かでしょう?
今は、便利な物に程々に頼っているし、
人にも、大いに頼っている。
しかし、とてもいい経験をした。
変な拘りは、少し軽くなったしね。
最近は、コロナの影響で、
別な意味で個と全体を考えさせられている。
悪い事ばかりでもない。
日頃、気配を感じさせない役立たず事務員がゆえ、
社内の人々のコソコソ話がよく聞こえてきたりする。
仕事への不満や、同僚の悪口も、よーく聞こえる。
それが、緊急事態が発令されて以来、
あまり聞こえなくなったんだ。
弊社も、確実に仕事依頼が減っている。
社長は、どうにかせんと踏ん張っている。
そんな中、コソコソと
「俺らも踏ん張らんと。
社長に頑張ってもらわんといかんから。」
などと、前向きな言葉が聞こえてくる。
それをコソッと聞いていると、
なぜだか、胸の中の不安が、すーっと消えていくから
不思議なもんだ。
さて、うんこさんのかわいそう病なのだが、
続いています。
もう自力でご飯が食べられないって言ってます。
うんちゃん立てないのって言ってますが、立てます。
トイレへも「出ちゃう出ちゃう」って走って行けますし。
うんこさん、自力を捨て始めている。
これは、まずい・・・かもしれん。
握り拳みたいな顔で食べてるけど、
この体制でのご飯、食べやすい?食べづらくない?